Question
国民年金と厚生年金で受け取れる年金の差額について -
年齢:60代
職業:会社員
世帯年収:800万円~1,000万円未満
ペンネーム:ゆづか
社会保険に加入する会社勤務の年収340万円(標準報酬月額28万円)の人が支払う厚生年金保険料は月25,620円、健康保険料は月16,296円です(令和3年度・協会けんぽ加入・東京都の場合)。会社も同額を払ってくれるため、自分が支払う金額の倍額の保障を受けられることになります。
一方、年収340万円(所得230万円)の人が支払う国民年金保険料は月16,610万円(令和3年度、年収に関係なく一律)、国民健康保険料は年間約29.2万円(月約2.4万円)です(東京都世田谷区の場合)。
支払う金額だけを見比べると、社会保険加入で年額約50万円、現在は約49万円となり、わずかに負担が抑えられているようにみえますが、会社が同額負担してくれる部分がないため、受けられる保障は手薄になります。
ゆづかさんが心配されている、将来もらえる年金(老齢年金)については、国民年金は収入に関係なく40年間加入した場合で年額約78万円(月約6.5万円)ですが、学生時代は免除を受けていたなど40年に満たない場合、それに応じて金額が少なくなります。
厚生年金は、収入が反映されます。仮に先に示した標準報酬月額28万円がずっと変わらず40年間加入の場合は年額約152万円(月約12.6万円)。若い頃の方が収入が少ない、勤続年数が40年よりは短いなどあれば、それに応じて少ない金額になります。
この比較で見ると、ひと月あたりに受給できる年金に6万円程度の差があるため、現在出ている補助2万円を積み立てるだけでは同程度にはならないと考えられます。
会社との雇用契約の内容にもよりますが、フルタイムで人を雇用する場合、本来は会社は社会保険に加入させる義務があります。転職や会社との交渉、最寄りの年金事務所への相談なども選択肢ですが、実際には難しいところもあるかもしれませんね。
国民年金加入者が自分でできる年金を上乗せする仕組みとしては月400円を多く払うことで払った月数×200円が年額に上乗せされる「付加保険料」や、月額6.8万円まで積み立てられるiDeCoなどがあります。また、国民年金保険料は1年分や2年分などを前倒しで支払うことで割引が受けられる前納の制度もあります。活用できる制度を駆使して、ご自身での対策も厚めにされるのがお勧めです。
配偶者が受給できる年金額の目安も、ねんきんネットで試算してみると良いですね。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。
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