Question
58歳からのつみたてNISAについて -
年齢:50代
職業:会社員
世帯年収:400万円~600万円未満
ペンネーム:ラベンダー
「つみたてNISA」はある年に投じた資金を最長20年間、非課税で運用することができますが、途中での売却も可能です。そのため、向こう10年程度使う予定がない予算であれば、つみたてNISAを使って投資をしてみるのも1つの選択肢になりそうです。
一方で、50代の方には、もう1つの税制優遇口座である「iDeCo」が、より有利な可能性もあります。iDeCoもつみたてNISA同様に、運用益は非課税になる口座です。加えて、iDeCoに拠出した金額が全額所得控除となり、現役時代の所得税や住民税の減税につながります。受給する(引き出す)際は課税の対象ですが、各種控除を利用でき、税金がかかりにくい仕組みになっています。
iDeCoの所得控除の仕組みは、所得税の税率が高い人ほど減税効果が高くなります。50代は人生において所得が高い傾向にある時期なので、有効な手段になりそうです。また、原則60歳まで引き出せないという特徴も、若年世代にとっては重たいものの、50代にとっては受取時期が近く老後資金を確保できるという点で効果的です。
なお、加入年数が10年に満たない場合は、引き出し可能年齢が段階的に引き上がるためご注意ください。58歳の途中で加入して、加入年数が2年未満の場合は、引き出し可能年齢は65歳になります。
定期預金や保険など、投資ではない元本確保型の商品が選択できる点も、選びやすいかもしれません。
現在、iDeCoに加入(掛金を拠出)できるのは60歳未満となっていますが、2022年5月からは、国民年金に加入していれば65歳まで加入できるようになります。ラベンダーさんが、60歳以降もお仕事を続けて厚生年金に加入される場合も、掛金の拠出を続けることもできます。
iDeCoは口座の開設(2,829円〜)や維持(897円〜、2,052円〜)に一定の手数料がかかるため、可能であれば、iDeCoで拠出できる限度額目一杯(会社員の場合、月 1.2万円/2万円/2.3万円)を目指し、それ以上投資をしたいようであれば、いつでも引き出せるつみたてNISAも併用するなどもいいでしょう。ちょうど良い組み合わせを模索できると理想的です。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。
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