Question
iDeCoとNISAについて -
年齢:20代
職業:会社員
世帯年収:800万円~1,000万円未満
ペンネーム:あや
メインとなる税制優遇口座は「王道のつみたてNISA、株式の一般NISA、老後にコミットするiDeCo」という分け方ができるかと思います。まずは夫、妻のつみたてNISA(株式投資の非課税が必須なら一般NISA)枠を使い切る。それ以上に投資したいならiDeCoを併用、それでも使い切るようならジュニアNISAを検討しても良いという優先順位になりそうです。
夫、妻のつみたてNISA、iDeCoの使い切りで年間約130万円(年間40万円×2人+月2万円×2人)くらい、投資信託など価格変動のある金融商品に非課税で投資できる計算になります。この際、価格変動がない預貯金なども同額積み立てていくか、既に準備されている形で200〜500万円程度よけておきたいところです。価格変動がある金融商品を不利なタイミングで取り崩さなくてもよい体制を作っておくことも重要だからです。
ジュニアNISAは原則18歳までは引き出せませんが、制度が2023年までのため、以降はすべて売却して口座を閉じるという形で引き出しが可能になります。2023年までの期間限定の非課税枠を余さず使いたい場合候補になり得ますが、基本の運用期間が5年のため、こまめに運用成績をチェックしたり、都度判断や手続きができる人向けといえます。運用に対してかなりエネルギーを注いでも苦痛を感じない人であれば検討しても良いという、優先順位の低い位置づけになります。
個人年金保険を解約してiDeCoをご検討とのことですね。確かに、保険には保障というサービスが付加されるため、貯蓄を目的とした場合には合理的な選択ではないと考えられます。一方、既に加入している場合、途中解約では基本的に元本が割れてしまうため、元本を上回るまでかけ続けられるようであれば、そのままにし、つみたてNISAやiDeCoはプラスαで始めるという選択肢もあります。保険による貯蓄は、加入前であれば慎重にとお伝えしたい選択肢ですが、加入されている場合には解約もまた慎重な判断がお勧めです。
保険料のすべてが貯蓄には回らないものの、他の金融商品ではない「一定の利回りを約束する特徴」があります。これからある程度まとまった資金を準備していくと考えた場合、その一部に保険が入っていても悪くはないと思われます。ただし、続けることに無理のない金額なのかが重要なので、今一度チェックしてみて、無理があるようであれば、減額(その分をiDeCoの一部に充てる)というのも一案です。
各種税制優遇口座での商品選びですが、通常の預貯金や、個人年金保険など、資産全体のカテゴリ別パーセンテージを整理して検討するのが良いでしょう。例えば預貯金がほとんどであれば資産は国内債券にほぼ振られている状態といえます。はじめは資産全体の5〜10%程度が全世界株式投資信託などに割当てられるようにつみたてNISAやiDeCo内での商品を選定し、金額を調整されると不安を感じにくく続けやすくなると考えられます。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。
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