Question
つみたてNISAを活用していますが、NISAにするべきか -
年齢:40代
職業:会社員
世帯年収:600万円から800万円未満
ペンネーム:yumi
税制優遇口座を効果的にフル活用する方法、迷いますよね。
yumiさんのおっしゃる通り、続けられる限り一般NISA、新NISA、つみたてNISAと使っていく方が、非課税で投資ができる「可能性のある資金」は大きくなります。一方で、当初心配されていた適用期間の短さの観点で、非課税で投資できる枠を全部使い切れない可能性もあるかもしれません。
例えば理論上は、2022年、2023年は一般NISAで合計240万円(120万円×2年間)、2024〜2028年は新NISAで合計610万円(122万円×5年間)、2029〜2042年(40万円×14年間)はつみたてNISAで合計560万円の非課税枠を利用できる形となります。
しかし、仮に2022年に投資をした120万円が5年後に損失が出ていて、やむを得ず2027年の新NISAの枠を使ってロールオーバーを行った場合、本来2027年に新たに投資できるはずだった新NISAの枠を消費してしまうため、その時の時価にもよりますが、新たな投資ができる金額が少なくなる可能性があります。
これはさらに5年後の2032年に、つみたてNISAの枠にロールオーバーする場合も同様で、新NISA1階分を受け取ってしまうと、2032年に投資できる金額が減ることになります。つみたてNISAへのロールオーバーは簿価でのカウントとなるため、理論上は2032年にも年20万円以上は投資できる(新NISAの1階部分は20万円なので、40万円から消費されるのは20万円までになるはず)予定です。
これらのことから、ロールオーバーを利用して延長はできるとしても、その分、ロールオーバーを受け取った年の投資額が少なくなること、少なくとも5年ごと(毎年新規に投資を継続するなら一般NISAスタートから5年後以降は毎年、5年前の投資資金の精査が必要)にロールオーバーをするかどうかの判断が必要なこと、その判断のベースになる将来の相場は読めないこと、などの課題は残ります。
一般NISAに切り替えてから5年目以降は、毎年など、比較的こまめに利益確定の売却などのメンテナンスを検討することができるようであれば、少しでも非課税枠を増やす方向に、そこまで手間をかけられないと考えるようであれば、つみたてNISAのまま、余剰分は課税口座で運用という選択になりそうです。あるいはiDeCoでの運用がまだであれば、併用を検討されても良いかも知れませんね。
今後、住宅購入などまとまった現預金を使うシーンにおいては、年間の投資額は40万円で十分と感じるシーンも出てくるかもしれません。そうしたライフイベントが想定される場合は、無理に一般NISAなどで非課税枠を広げておかなくても良いかも知れません。
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1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。
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