Question
50代からiDeCoを始めるメリット・デメリットを知りたいです
年齢:50代
未既婚:既婚
子ども:あり
職業:会社員
世帯年収:1,000万円~1,200万円未満
ペンネーム:Y
iDeCoは税制面でセカンドライフの資金を準備するのに有利な制度ですが、原則60歳まで引き出しができない特徴が、20~30代などの若い世代にはむしろハードルが高く感じられる制度です。40代後半や50代の場合、お金を引き出せるタイミングが近くなるため、むしろ、Yさんの状況はiDeCoを有利に活用できる可能性が高いと考えられます。
iDeCoは10年以上加入すると、原則60歳から引き出しができますが、Yさんのように50歳を過ぎてからの加入だと、引き出しできる年齢が変わります。
52歳になって以降の加入だと、加入期間が「6年以上8年未満」に該当し、受け取り開始年齢は満62歳以降となります。加入期間が10年に満たない場合、短くなるほど受け取り開始年齢が遅くなる点は知った上でスタートするのが良いですね。
Yさんの状況だとiDeCoが有効なのではないかと考えられるポイントがもう1つあります。
iDeCoは掛けたお金(拠出額)が全額所得控除される特徴があります。この特徴は年収が高く、税率が高い人ほど効果があります。50代は人生においても収入が高い水準にあることが多いため、節税効果という観点でも若い世代より魅力を感じやすいでしょう。
例えば、本人の年収が1,000万円・所得税率20%の方の場合、毎月2万円、iDeCoで積み立てを行うと、所得税・住民税あわせて年間7.2万円の節税になります。減税された金額も貯蓄用の口座に移すなどして管理すれば、お給料だけを原資にして積み立てるよりも有利です。
なお、iDeCoでは投資信託だけでなく、定期預金や保険などの元本確保型と呼ばれる商品を選ぶこともできます。iDeCoは口座維持に手数料がかかりますが、Yさんの場合は、定期預金などを選択し運用で大きく増やさなかったとしても、節税効果のメリットの方が高くなりそうです。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか(祥伝社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)#なぜたま!』などがある。