Question
NISAは5年間の非課税期間が終わった後どうすればいいの?
年齢:30代
未既婚:既婚
子ども:なし
住居:持ちマンション(自己)
職業:会社員
世帯年収:600万円~800万円未満
借入有無:あり
ペンネーム:
5年を迎える時のNISAの結び方は大きく3つあります。
1つ目は何もせずに置いておく方法。この場合、通常に課税がされる特定口座や一般口座に移管されます。注意が必要なのは、2014年当時、10万円で購入していた銘柄が、2018年末の移管のタイミングで8万円になっていた場合、取得額が8万円に更新される点です。
2019年以降、価格が10万円に戻って売却した場合、差額の2万円が課税対象の利益となります。年末の評価額が12万円など上がっている場合は、取得額も12万円に更新されるため、2019年以降課税対象となるのは12万円よりも高く売却できた場合となり有利ですが、下がった価格で課税口座に移管されるのは不利になります。
2つ目は、上記を避けるため、年末を迎えるまでの間に利益が出るタイミングで売却をしてしまう方法です。非課税口座のため、利益に課税されず運用を終わらせることができます。
3つ目は、ロールオーバーを利用するという選択肢です。ロールオーバーとは、他の年度の非課税枠を使って現在非課税で運用している商品の保有を延長する方法です。今回のケースだと、本来であれば2019年に新たに発生するNISAの枠120万円を使って、2014年から保有している銘柄を受け取り、運用を続けるイメージです。
2014年の年間非課税枠は100万円でしたが、運用した結果、120万円を超えている場合でも、上限なしでロールオーバーすることができます。ただし、ロールオーバーする金額が120万円を超えている場合、2019年に新たに銘柄を買い足すことはできません。
なお、つみたてNISAの口座で2014年からの保有資産を受け取ることはできません。2018年につみたてNISAを始めた人で2014年分のロールオーバーを希望する場合は、2019年はNISA口座を選択して開設する手続きをとる必要があります。例年、翌年のNISA口座開設手続きは10月頃に始まることが多いです。
ロールオーバーを行う場合、事前に金融機関に申請をする必要があります。申請手順はまだ開示されていない金融機関が多いため、手順の発表を気にかけておく必要があります。
秋~年末を迎えるまでに、どの銘柄をそのまま課税口座に移すのか、年内に売却して利益確定するのか、2019年の枠を使ってでも保有を続けるか、考えておきたいですね。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。