Question
余裕資金がなくてもできる老後の備えって何があるの?運用や投資の話
年齢:40代
未既婚:既婚
子ども:あり
住居:持ち戸建(自己)
職業:会社員
世帯年収:600万円~800万円未満
借入有無:あり
ペンネーム:ココア
税制優遇制度に多くのラインアップがあり、それぞれの特徴が判断しづらいというお声は多いです。ココアさんも迷われているのかもしれませんね。
従来のNISAであれば、約3,000の上場株式や約6,000の投資信託など、幅広い金融商品を購入することができます。しかも年間120万円まで5年間、非課税で運用することができます。自分で商品もタイミングも選択できる・したい方に向いている制度といえます。
今年始まったつみたてNISAでは金融庁が定める長期的な資産形成に向いているとされる約150(2018.2時点)の投資信託から選択し、毎月や年2回など、定期的な買い付けで資産形成を行うことができます。自分で随時タイミングをみて購入することはできません。年間非課税投資額は40万円と、NISAより少ないですが、非課税期間が20年と長いため、累積非課税投資額でいうと800万円と、NISAより大きな金額になります(NISAは120万円×5年で600万円が最大)。
原則60歳まで引き出しができない確定拠出年金(個人型はiDeCo)では、投資信託の他、定期預金や保険など、元本確保型商品が選択できる点が、運用に対して慎重な人にとっては嬉しい特徴でしょう。拠出した金額が全額所得控除の対象となり、拠出時にも減税効果が得られる点は、各種NISAにはないメリットです。
ある程度絞られた中で商品を選択したい、さらにいつでも引き出せる形で気軽に始めたいという場合は、つみたてNISA口座を開いて商品を選択するのが取り組みやすいでしょう。
投資にはまだ勇気が必要で、定期預金などを使って減税効果を得ながら老後資金を準備したいという場合は、iDeCoが有力な候補になるでしょう。ただし、iDeCoは60歳まで引き出しができないため、60歳になるより前に使う可能性がある資金を充ててはいけません。
それぞれの制度に非課税上限額がありますが、限度額いっぱい費やす必要はありません。月々3,000円や5,000円など、今の家計にとって負担にならない金額でスタートしましょう。
iDeCoは月額拠出額は5,000円~、さらに口座維持に手数料がかかります。手数料の割合を下げる意味でも始めるのであれば、月1万円以上捻出できるタイミングが無難といえます。
総合的に考えると、気軽で現実的な選択肢はつみたてNISAになるかもしれませんね。つみたてNISAの場合、証券会社によっては月100円などの積み立てからスタートできます。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。