Question
外貨預金はFXのレバレッジ1倍の方が手数料お得? FXと外貨預金の違いとは|FPが回答
※相談者プロフィール
・年齢:30代
・未既婚:未婚
・子ども:あり
・職業:会社員
・世帯年収:600万円~800万円未満
・借入有無:なし
ご質問いただいたように、確かに外貨預金に比べてレバレッジ1倍のFXの方が手数料が安く、有利な部分が多いです。一方でいくつか気をつける必要もあります。
外貨預金もFXも利益の出し方は大きく2つあります。
1つ目は、1ドル100円の時に買ったドルを、1ドル110円の時に売るなどの「為替差益」を得る方法です。この取引を行う際、外貨預金では「為替コスト」、FXでは買いと売りのレート差である「スプレッド」というコストがかかります。楽天銀行のドル/円だと1ドルあたり、為替コスト25銭(片道)、スプレッドが0.5銭なので、FXのコストの方が圧倒的に安いです。
2つ目の利益の出し方は「利息」を得る方法です。
外貨預金の利息は円の普通預金と同じで保有している金額に応じて、定められた利率分の利息を受け取ることができます。FXにおいては2通貨間の金利差調整分としてスワップポイントと呼ばれるものが付与されます。スワップポイントは日々変動するため、分かりやすい比較が難しいですが、外貨普通預金と比べた場合、高くなることが多いです。
一方で、FXでは取引単位や、購入した外貨の扱いやすさという点に注意が必要です。
例えば取引単位1,000となっている場合、1ドル100円の時にレバレッジ1倍で運用を始めたければ、まずは10万円(100円×1,000)程度、「証拠金」を預ける必要があります。
外貨預金であれば1ドルの購入から始められるケースもあるため、取引単位が大きいFX口座を利用する場合、ハードルが上がります。また、1ドルが100円から50円など急激な変動があった場合、強制的な決済(ロスカット)が行われてしまう可能性もあります。
本来FXは、売って買う、買って売る、など取引を往復させることが基本となっています。そのため買い進めた外貨をそのまま受け取ったり(現受け)、外貨の残高から直接デビットカードで引き落とすといったことができない口座が多いです。
運用したい金額や期間、増やしてからはどのように使いたいのか(出張や旅行でのショッピングなのか、外貨建て金融商品を買いたいのか、ずっと持っておきたいのか等)を整理して検討できると安心です。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。