Question
将来の備え
※相談者プロフィール
年齢:20代
未既婚:未婚
子ども:なし
住居:賃貸マンション
職業:会社員
世帯年収:400万円~600万円未満
借入有無:なし
ペンネーム:チーズケーキ
資産運用を行う場合、その目的と合う商品・運用場所を選定することがおすすめです。
特にチーズケーキさんの場合は年齢が若いため、今後、転職、住宅購入、結婚、出産などでまとまったお金を使うことや、収入などの状況がガラリと変わることも考えられます。
いざという時に使う可能性があるお金は、すぐに使える形にしておき、セカンドライフまで手をつけたくないお金は老後対策に有利な制度で準備するのが良いでしょう。
投資信託とは、1口購入するだけでも株や債券など複数の銘柄に分散投資できる”商品”のことをいいます。この投資信託をNISA、確定拠出年金(iDeCo)など、どの”場所”で運用するのかを考えていきます。
NISA口座では年間120万円まで5年間(ロールバック利用で最大10年間)非課税で運用できます。通常、利益が出ると20%程度の課税がありますが、NISA口座であれば、利益をすべて受け取ることができます。
2018年からは年間40万円まで、20年間非課税で運用できる積立NISAがスタートする予定です。NISAとの併用はできず、どちらかを選びます。購入できる商品に条件があり、投資初心者が取り組みやすい商品に絞り込まれることになりそうです。
iDeCoは原則60歳まで引き出せない注意点はありますが、掛けた(拠出した)金額が所得控除となり、減税につながるメリットがあります。年収400万円、所得税率5%の人の場合、月2万円(年間24万円)拠出すると所得税・住民税あわせて年間3.6万円の減税になります。信託報酬(保有している間かかる手数料)も、他の口座で類似の投資信託を購入するより低いことが多く、老後資金を準備する目的だとかなり強みがあります。
NISAや積立NISAであれば、現金が必要となった場合、すぐに売却して準備することができます。iDeCoは原則60歳までは引き出しができません。
まずは、NISAや積立NISAで毎月5万円の貯蓄のうち5千円など、少額から試し、自分がハラハラしない資産運用の範囲を探してみると良いでしょう。NISA口座では、投資信託以外にも、株式のように売買がしやすいETF(上場投資信託)も購入できます。ETFの方が投資信託より信託報酬が低い傾向があります。
民間生命保険会社の個人年金もiDeCoほどではありませんが、減税効果があります。年間8万円の保険料で、所得控除は最大(4万円)となり、先ほどと同じ例だと年間4,800円の減税になります。かけた保険料はすべて貯蓄に回らず、途中解約すると返戻金はかけた保険料より目減りする注意点はありますが、減税効果が得られる年間8万円までなら保険に振り分けるのも一案です。
1つの商品や場所に限定せず、制度をフル活用できるよう、それぞれの上限額に分散して取り組むと良いでしょう。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。