Question
投資信託の買い方 「スポット」と「積み立て」どちらで買うべき?
年齢:20代
未既婚:未婚
子ども:なし
住居:持ち戸建(家族)
職業:会社員
世帯年収:400万円~600万円未満
借入有無:なし
ペンネーム:たまご
投資信託の買い方は大きく2つあり、「スポット」と「積み立て」と呼ばれます。
スポットは、自分が好きな時に購入します。手元にお金がある時や、相場がしばらく低いと感じた時などに買い足していく運用方法です。株式は刻々と価格が変化しますが、投資信託は、通常、1日1価格、しかも購入した後に価格が決まります。そのため、最安を狙うというよりは、もっとゆったりと「そういえば最近株価が下がっているというニュースを長く聞くから、少し買っておこうか」という心持ちで付き合うことになります。
積み立ては、月々1,000円など、自分の決めた金額を一定のルールで買い進める方法です。スポットでは相場を気にかける必要がありますが、積み立ての場合、最初に設定すると、あとは自動的に購入を続けるため、手間がかかりません。
また、自分で判断して購入しないため、運用成績が感情に左右されにくいという利点もあります。安く買って高く売ることで利益が出ると考えると、下落時は購入のチャンスとも考えられますが、人が判断すると怖い気持ちが湧いてくるため購入できなくなることも多いです。そうした影響を受けにくいとされています。
最近では100円から積み立てられる証券会社も出てきているため、少額で積み立てができるようになり、少額積立という言葉を耳にされたのかもしれません。
定額を一定のルールで買い続けると、安い時に多い口数が買え、高い時に少ない口数を買うことになり、取得価額が標準化されます。例えば、毎月1万円購入すると決めていて、ある月の基準価額が5千円だと2口買えますが、ある月の基準価額が1万円だと1口しか買えません。結果的に取得額がとても高かったり安かったりすることを防ぐことができます。
自動的に買い続けられたり、感情に左右されにくかったりする特徴は、運用を継続しやすくさせます。スポットの場合は、資産運用への興味が途絶えると、購入を辞めてしまう可能性が高いでしょう。
一方で、まとまった貯蓄があり、自分で意思をもって運用したい場合は、スポット購入も悪くありません。特に上場投資信託(ETF)と呼ばれる投資信託では、価格を指定して購入することもできますし、通常の投資信託よりも維持する手数料(信託報酬)が安く、NISA口座であれば売買に手数料がかからないことも多いです。
ある程度自分でコントロールしたい人はNISA口座でETFを、自動的に積み立てられる運用を好む場合は、2018年から始まるつみたてNISAで投資信託の少額積立を検討するのが相性が良さそうです。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士。26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけに、お金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。2013年ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—(祥伝社)』、『デキる女は「抜け目」ない(あさ出版)』などがある。