遺言、遺された側はどう感じている?遺言にまつわる体験エピソードを紹介
遺言は、自分がこれまでに築き上げてきた財産をどのように遺したいか、意志や想いを伝えるための大切な手段です。自分の大切な人たちのためにどのような準備をしておくべきか、また遺された人たちは何を思うのでしょうか。ここでは、遺言を遺された人たちの体験エピソードを紹介します。
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遺言とは?
遺言とは、自分の大切な財産を未来へどのように遺したいか、相続人に伝える遺言者の意志表示です。遺言がない場合、相続にかかわる人全員で遺産の取り分を話し合うことになるため、話し合いの中でトラブルが起きることがあります。遺言をしっかりと準備していればそういったトラブルを防げる可能性があり、話し合いも円満に進むでしょう。
遺言にまつわる体験談をご紹介
大切な人が亡くなったとき、相続人は遺言を巡ってどのような経験をするのでしょうか。遺言にまつわる実際の体験談を紹介します。
「情報が全くなく、専業主婦の私は困り果てました」
夫が急に他界…専業主婦だった私は、ワケもわからずに精神的なダメージを受けながら粛々と葬儀を終えました。本当に大変な日々は、その後でした。家の登記の書き換えは私だけのためスムーズでしたが、銀行口座の解約、お金の引き出し、証券口座の解約、携帯電話の解約手続きも大変でした。それほど大きな財産はありませんでしたが、これらの手続きだけで約半年かかりました。
そしてその後も主人の机を整理していたら、知らない銀行のキャッシュカードや投資信託の控えなどを発見したので問い合わせたり、インターネットの月額課金をしているものを解約するのにも苦労を重ねました。
こうして立ち直れない私に追い討ちをかけるように様々な出来事が続きました。本当にこれが全てなのかどうか、いまだにわかりません!こういったアカウント情報だけでも整理して教えてくれていたらどんなに楽だったことでしょう…と今でも思います。
突然亡くなってしまったため、子育てに忙しく、夫婦らしい会話をしなかった事が悔やまれます。最後の言葉も聞き取れず、本当に悲しい思いがのこります。
「遺言書があれば…」
父が亡くなりました。母も他界しており、私たち兄弟三人で葬儀を終えました。
私たち兄弟は仲が良いので、財産の分配や不動産の分配はすんなり済むと考えていましたが、大間違いでした。弟や妹もすでに結婚していて世帯も持っているせいか、私たち家族より現在の家族を中心に考えるようになっていました。父が大切にしていた骨董品や不動産の分配も含めて色々と揉めてしまい、挙げ句の果てには家庭裁判所に調停を持ち込むことになってしまいました。
それほど大きな金額ではないのですが、裁判までして奪い合う形を父は望んではいなかったでしょう。簡単でも良いので、財産の一覧を含めて遺言書を残してくれていたらこんなことにはならなかったのにと考えてしまいます。法的に効力のある遺言書があれば無駄なお金だけでなく、兄弟が仲違いするようなことも防げたと思います。
「遺言書が自分と妻を救ってくれました」
私たち家族は父と母そして長男と私(次男)の4人でした。長男と私はそれぞれ結婚して家を離れていました。ある日、父が脳卒中で倒れました。それが原因で下半身は麻痺し、家での看病が必要になりました。
母は認知症が進んでおり、父の看病をできるような状態ではありませんでした。兄は海外赴任を理由に私に同居を求めました。なんとか妻を説得して両親との同居を始めました。私は仕事があるため妻が父の世話をすることとなり、そんな介護生活が10年に及んだ後、父は他界しました。
妻には本当に感謝をしています。亡くなった後、父が残した遺言書を家族で閲覧しました。私と兄、そして私の妻に同額の財産配分を父は法的遺言書に残しました。父は、妻の10年間の看病に対してお礼の言葉を遺言書にしたためていました。そして財産も分与しました。兄は納得していなかったようですが、法的効力のある遺言書で、兄の受け取る金額も法的に問題がなかったので何も言えない状態でした。
妻は苦労に報いてくれたと喜んでいました。私も父がそれを見ていてくれた事がとても嬉しかったです。遺言書がなければ妻の取り分はありませんので。そんなに大きな額ではありませんが、遺言書の効力を感じました。いま私もちゃんと用意をしようと思っています。
「遺言書に残してくれればよかったのに…」
夫が癌(がん)で亡くなりました。私たち夫婦には子供がいません。家屋や預貯金の全てを私が相続すると考えていました!夫もそれを望んでいましたし、そうなるものだと思っていました…遺族年金も含めて家も残してくれたので、なんとか余生を過ごしていけると考えていました。
夫が亡くなって3ヶ月ほどしたある日、夫の弟が訪ねてきました。夫の弟は「兄の財産の相続をもらう権利がある」というのです!私は驚きました。そんな事、私たちが築いたお金で弟には全く関係がないことです。
仕方なく、弁護士に相談したところ…法的には、夫の弟にも法定相続の権利があると言われて愕然としました。仕方なく分配に応じました。弁護士さんがおっしゃっていたのは、「もし遺言書に残しておけば、弟さんへの分配はゼロにすることができた。」と伺いました。
私たち夫婦がもっとちゃんと勉強しておけば、こんなことにはならなかったでしょう。遺言書を1通残してもらっておけばと、心から悔やんでいます。
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法的に効力のある遺言書を作成することが重要
上のようなケースは一例です。大切な人が亡くなったとき、その人との別れを惜しむ時間をゆっくり取りたいところですが、その後の葬儀や相続、諸々の手続きなど、しなければならないことは多くあります。そんなとき、遺言書は遺された人の不安を取り除く要素のひとつになるでしょう。相続人が複数いれば、財産額にかかわらずもめ事になる場合があります。法的に効力のある遺言書を作成しておくことで、遺された家族に自分の意思を示すことができ、相続などに関するトラブルを防げるかもしれません。遺言内容に不備などがあり、無効になってしまうことのないよう、計画的に準備しておくことが大切です。
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※この記事は2024年2月時点の情報をもとに作成しております。
このテーマに関する気になるポイント!
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遺言書がないとどうなる?
遺言書がなかった場合や効力を持たなかった場合、相続人全員で「遺産分割協議」という話し合いを行うことになります。
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遺言書にはどんな種類がある?
大きく「普通方式遺言」と「特別方式遺言」の2種類に分けられ、通常は普通方式遺言を使用します。さらに普通方式遺言の中でも、「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3種類があります。
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遺言書の効力は?
相続する人や遺産の分割方法、未成年後見人、遺言執行者などを指定でき、その内容は法的に効力を持ちます。
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遺された家族にとって、遺言の存在はとても重要なのね!