意外に知らない「デジタル資産」とは?7割以上が「電子マネーやSNSアカウントなどのデジタル資産の万が一に備えていない」
「デジタル資産」という言葉を初めて聞く人もいるのではないでしょうか。デジタルサービスが多様化している中で、ネット銀行や電子マネーなどを利用してオンライン上で資産を管理している人が増えています。ここでは、「デジタル資産の万が一の備え」について実施した意識調査の結果を発表します。
- デジタル資産とは?
- 「デジタル資産の防災、していますか?」
- 【調査結果1】デジタル資産について「詳しく知らない」「知らない」人が9割
- 各デジタル資産の年齢・男女別の保有率・使用率
- 【調査結果2】デジタル資産の「万が一」への備え、7割以上が「備えていない」
- デジタル資産は全世代に広がっているが、万が一に備えている人は少数
オヤコの聞き取りメモ ~家族間 知っておきたいことリスト~家族間で、ちょっと聞きづらい、でも大切なことを共有するためのリストです。相手に確認したい項目をチェックすると聞きたいことリストが作成されます。
デジタル資産とは?
デジタル資産とは、オンライン上の資産として価値のあるデータのことをいいます。オンライン上で所有している資産のため、現物を見たり触れたりすることができません。具体的には、ネット銀行口座やネット証券口座、仮想通貨、電子マネーなどがあてはまります。
また、オンライン上で保管しているパスワードなどの個人情報やSNSアカウント、写真や動画などもデジタル資産に含まれます。
「デジタル資産の防災、していますか?」
近年、デジタルサービスが多様化し金融資産のデジタル化が進むにともなって、アカウントなどの管理が複雑になっています。「いつ」「誰が」「どうなるか」わからない生活の中で、デジタル資産についての万が一に備えることは重要です。
lastmessageのサービスを提供する株式会社パズルリングは、2022年に全国の15歳から69歳までの男女2,026人を対象に、デジタル資産についての「防災や資産保全に関する意識調査」を実施しました。
このアンケートに回答した男女の割合はおよそ半々で、幅広い年代からの回答が得られました。
男女別有効回答者数
※小数点以下は四捨五入
※lastmessage調べ
地域別有効回答者数
※lastmessage調べ
年齢別有効回答者分布
※lastmessage調べ
全国の幅広い年代の人々がどのようなデジタル資産を保有しているのか、デジタル資産について万が一の備えができているのか、以下でアンケート結果を紹介していきます。
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【調査結果1】デジタル資産について「詳しく知らない」「知らない」人が9割
まずは、「デジタル資産」についての認知度や保有しているデジタル資産の種類について、調査した結果を見ていきましょう。
Q1.デジタル資産(またはデジタル遺産)という言葉を聞いたことがありますか?またそのことについて知っていますか?
※小数点以下は四捨五入
※lastmessage調べ
デジタル資産について、半数が「聞いたことがないし、知らない」と回答しました。デジタル資産という言葉を聞いたことがある人は多いですが、「聞いたことがあり、詳しく知っている」という人は全体でわずか8%であり、デジタル資産についてはまだ認識・理解が低いことがわかります。
Q2.現在あなたが使用しているデジタルサービス、保有しているデジタル資産は何ですか?
※lastmessage調べ
デジタル資産を保有している人の中で、保有している割合が一番高かったのは「スマートフォン内の個人情報(アドレス帳、写真、動画)」で46.2%でした。デジタル資産を保有している人の中でも約半数の人は、スマートフォンで個人情報を管理しており、スマートフォンの便利さや管理のしやすさなどがうかがえます。
続いて「紙の通帳を持たない銀行のWeb通帳/口座」を持つ人の割合が38.2%、「SNSアカウント(X、Instagram、Facebookなど)」を保持している人が38.1%という結果になっています。
デジタル資産であると意識せずに、スマートフォン内の個人情報やSNSアカウントを利用している人は多いのではないでしょうか。また、デジタルサービスが普及している中で利便性の高さなどからも、ネット上で資産を管理できるWeb口座などが多くの人に利用されていることがわかります。
一方で、「あてはまるものなし」と答えた人は30.6%でした。デジタル資産を保有していない人も一定数いるようです。
各デジタル資産の年齢・男女別の保有率・使用率
上記でアンケートを取った「保有しているデジタル資産の種類」について、年齢・男女別の結果を細かく見てみましょう。
保有しているデジタル資産の種類ごとの、年齢・男女別の保有率・使用率
銀行のWeb通帳/口座 | ネット証券口座や投資関連アプリ | 仮想通貨/暗号資産 | パソコン上のデータ | スマートフィン内の個人情報 | SNSアカウント | サブスクサービス | ||
15~19歳 | 男性 | 28.0% | 5.4% | 5.4% | 31.2% | 41.9% | 46.2% | 19.4% |
女性 | 16.9% | 5.1% | 2.5% | 13.6% | 41.5% | 50.8% | 9.3% | |
20~24歳 | 男性 | 29.6% | 14.8% | 7.4% | 24.1% | 33.3% | 35.2% | 14.8% |
女性 | 32.3% | 9.2% | 6.2% | 18.5% | 38.5% | 50.8% | 26.2% | |
25~29歳 | 男性 | 42.7% | 27.4% | 13.4% | 32.5% | 40.8% | 41.4% | 19.1% |
女性 | 39.6% | 18.8% | 12.1% | 25.5% | 46.3% | 49.7% | 26.2% | |
30~34歳 | 男性 | 36.6% | 32.9% | 15.9% | 37.8% | 43.9% | 41.5% | 19.5% |
女性 | 22.9% | 9.6% | 1.2% | 20.5% | 36.1% | 42.2% | 10.8% | |
35~39歳 | 男性 | 48.2% | 28.9% | 14.0% | 45.6% | 52.6% | 38.6% | 19.3% |
女性 | 36.8% | 16.7% | 6.1% | 29.8% | 44.7% | 38.6% | 13.2% | |
40~44歳 | 男性 | 49.3% | 30.7% | 12.0% | 52.0% | 50.7% | 34.7% | 13.3% |
女性 | 28.8% | 13.8% | 6.3% | 33.8% | 52.5% | 41.3% | 16.3% | |
45~49歳 | 男性 | 47.7% | 28.4% | 13.6% | 50. 0% | 53.4% | 29.5% | 14.8% |
女性 | 43.9% | 15.3% | 5.1% | 32.7% | 57.1% | 42.9% | 9.2% | |
50~54歳 | 男性 | 52.9% | 26.4% | 9.2% | 43.7% | 48.3% | 41.4% | 19.5% |
女性 | 36.1% | 15.5% | 5.2% | 38.1% | 47.4% | 32.0% | 6.2% | |
55~59歳 | 男性 | 44.8% | 30.2% | 4.2% | 50.0% | 47.9% | 33.3% | 14.6% |
女性 | 35.0% | 10.0% | 2.5% | 32.5% | 42.5% | 25.0% | 7.5% | |
60~64歳 | 男性 | 45.7% | 25.9% | 6.2% | 46.9% | 49.4% | 34.6% | 11.1% |
女性 | 44.8% | 10.3% | 5.2% | 39.7% | 43.1% | 24.1% | 3.4% | |
65~69歳 | 男性 | 47.1% | 17.1% | 5.7% | 58.6% | 54.3% | 25.7% | 12.9% |
女性 | 29.9% | 16.1% | 3.4% | 34.5% | 46.0% | 16.1% | 3.4% |
※lastmessage調べ
「スマートフォン内の個人情報(アドレス帳、写真、動画)」について、男女ともに幅広い年代の人が保有していることがわかります。特に40代では、男女ともに50%以上を超えています。
また、銀行のWeb口座やネット証券、仮想通貨などのオンライン上の金融資産は、比較的女性よりも男性のほうが保有率が高い傾向にありました。
「SNSアカウント(X 、Instagram、Facebookなど)」について、高い使用率を示しているのが10~20代の女性です。また、「サブスクサービス」は20代の女性の間で最も使用されています。しかし、50代以降はいずれも男性の使用率のほうが高いことがわかります。
【調査結果2】デジタル資産の「万が一」への備え、7割以上が「備えていない」
そもそも、自然災害などの万が一に備えて何かしらの防災対策を行っている人はどれくらいいるのでしょうか。さらに、資産の中でも特に「デジタル資産」について、どのくらいの人が万が一の準備をしているのでしょうか。以下で、それらの質問に対するアンケート結果を見ていきます。
Q3.あなたは大地震や台風などの自然災害、火災などの万が一に備え、身の安全や資産を守るための「防災対策」を1つ以上行っていますか?
※小数点以下は四捨五入
※lastmessage調べ
「はい」と答えた人の年齢・男女別の割合
※lastmessage調べ
「大地震や台風などの自然災害、火災などへの防災対策を行っている」と答えた人は、約半数でした。
その中でも年齢・男女別の割合は、男女ともに20~24歳の層が最も低く、60代が最も高い結果となりました。また、比較的女性のほうが防災対策を行っている割合が高い傾向にあり、特に60代女性は7割以上と、多くの人が災害などの万が一を考えて何かしらの準備をしていることが見てとれます。
一方で、「デジタル資産について万が一の備えをしているか」という質問については、少し異なる傾向が見られました。以下で確認していきましょう。
Q4.デジタル資産について、万が一のときに遺族を困らせないよう、備えていますか?
※小数点以下は四捨五入
※lastmessage調べ
Q4-1.「備えていない」と答えた人の中で、備えていないことに対してどう思いますか?
※小数点以下は四捨五入
※lastmessage調べ
デジタル資産について、万が一のために備えている人は17%と低い数値にとどまりました。また、「備えていない」と答えた人の半数以上は「とても不安」もしくは「やや不安」と回答しました。
デジタル資産は全世代に広がっているが、万が一に備えている人は少数
デジタル資産が多様化し、幅広く保有されるようになってきているものの、デジタル資産について「詳しく理解している人」や「万が一への備えができている人」はまだ少数のようです。デジタル資産についてどのようなリスクがあるのかを知り、それに対して何かしらの備えをすることが、今必要なのではないでしょうか。
lastmessageのサイトでは、万が一のときに大切な人へデジタル遺言(※1)を送信できます。また、資産情報や写真などの大切なデータを保管したり、IDやパスワードを管理できたりと、終活としてさまざまな使い方ができるサービスです。
また、デジタル資産としてオンライン上のWeb口座を持つ人は増えています。楽天銀行では、普通預金の金利が0.02%(税引前、税引後0.015%)(※2)です。楽天グループサービスを利用することで、さらに高い金利が適用されたりお得に楽天ポイントを貯めたりできるため、デジタル資産としても有効に活用できるでしょう。
※1 デジタル遺言は法的に有効な公正証書遺言ではありません。
※2 調査結果、表示金利は2024年5月時点のものです。普通預金は変動金利です。なお、楽天銀行普通預金の詳細は楽天銀行ホームページの説明書で確認可能です。
※この記事は2024年5月時点の情報をもとに作成しております。
株式会社パズルリング「防災や資産保全に関する意識調査」より抜粋
調査方法:インターネットによるアンケート形式
調査期間:2022年2月25日 から2月27日 ※本調査は lastmessage のサービス向上のため事前に予定した日程で行われました。特定の災害・事件等に由来するものではありません。
有効回答数:2,026人
調査対象:全国47都道府県15歳以上69歳以下の男女
このテーマに関する気になるポイント!
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デジタル資産とは?
デジタル資産とはオンライン上の資産として価値のあるデータのことをいい、具体的には、ネット銀行口座やネット証券口座、仮想通貨、電子マネー、SNSアカウント、スマートフォンの写真や動画などがあてはまります。
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保有割合が最も高いデジタル資産は?
保有しているデジタル資産の中で、「スマートフォン内の個人情報(アドレス帳、写真、動画)」の割合が最も高く、46.2%でした。
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デジタル資産について、万が一の備えができている人の割合は?
デジタル資産について、「万が一に備えている」と答えた人の割合は17%でした。
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デジタル資産も大切な資産のひとつだから、万が一に備えてしっかり対策を取らなきゃ!