3年間で資産1,000万円を達成した元浪費家が語る、モチベなしでお金を貯める「ほったらかし投資」
稼ぐ力」が幸せを呼び込む?キャリアコンサルタント田中美和氏に聞く、女性のキャリアの作り方
新卒で日経ホーム出版社(現 日経BP社)に入社し、約7年間日経ウーマンの編集者として多くの女性に取材をしてきた田中美和さん。現在は、働く女性のサポート事業を展開する株式会社Waris(ワリス)の共同代表を務めています。
女性の声を聞き、支え続けてきた田中さんに、多くの女性が生きていく中でぶつかる壁や、その乗り越え方についてお話を伺いました。
幸せの鍵は「自己決定」と「偶然を受け入れること」
マネ活編集部:まず簡単にこれまでのご経歴を教えてください。
田中:新卒で大手出版社に入社し、働く女性をメインターゲットにした「日経ウーマン」の記者を7年ほど務めました。ライフとキャリアをテーマに多くの悩める女性や、専門家の方々を取材するうちに、自分のキャリアや今後の生き方について葛藤を抱えながら生きている女性が多いと感じました。その後、もっと彼女たちの力になりたいと思い、フリーランスを経て、同じ志を持つ仲間と一緒に株式会社Warisを立ち上げました。
Warisではフリーランスとして働きたい女性と企業さまをつなぐサービス「Warisプロフェッショナル」を提供しています。フリーランスと聞くと、クリエイターを思い浮かべる人が多いですが、私たちは広報、マーケティング、経理など一般的な職種のスキルや経験がある方々を対象にジョブマッチングのお手伝いをしています。
他にも、離職後もう一度働きたいと考える女性の職場復帰をサポートする「Warisワークアゲイン」や、オンラインでのキャリア相談サービス「Warisキャリアエール」など、女性のキャリアの悩みを解決するための複数のサービスに携わっています。
田中さんが携わる女性のキャリアをサポートするサイト「Waris」
マネ活編集部:これまで多くの女性のキャリアをサポートをする中で、どんな悩みを抱える方が多かったのか教えてください。
田中:ライフイベントごとに、選択肢が多すぎて「どれを選べばいいのか分からない」と悩まれる方は多かったですね。
一般的に女性はライフイベントの影響を受けやすいとされています。結婚、パートナーの転勤、出産など。
そして、それぞれのライフイベントのたびに、キャリアも考えなくてはなりません。例えば出産なら、産休育休後これまでと同じように働くのか、時短勤務をするのか、それとも仕事を辞めて専業主婦になるのか、別の仕事を始めるのか...。検討すべき選択肢が多く、だからこそ迷いや葛藤が生まれてしまうのです。
マネ活編集部:ライフステージの変化がある中で、納得のいくキャリアを歩むためには何を考えればいいのでしょうか。
田中:2つの考え方が重要だと思っています。1つ目は、自分のキャリアの主導権を自分で握るということ。2つ目は、1つ目と矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、偶然を受け入れるということです。
1つ目の「自分のキャリアの主導権を自分で握る」というのは、先行き不透明な時代の中で、自分がどうしたいのかを考え、それに近づくためのキャリアを能動的に選択するということです。
私たちが過去に実施した調査では、フリーランスの方の幸福度が日本人の平均に比べて高いという結果が出ています。その理由は、自分で生き方を選んでいる方が多いからだと私たちは考えています。実際、多くのフリーランサーが自分のやりたいことや理想のライフスタイルを実現するためにフリーになることを選択しています。他にも、国内2万人に対する調査で所得や学歴よりも「自己決定」が幸福度を上げるという結果も出ています。
つまり、例えどんな状況であっても、まずは自分の中でちゃんと納得感のある選択をすることが大事です。世間体や慣習に縛られず、自分のやりたいことと向き合い、そのために必要だと思う選択肢を選んでもらえればと思います。
2つ目の「偶然を受け入れる」は、自分でコントロールできない部分を受け入れる、許容することも大事だという考え方です。
現在の不確実性が高い時代において何十年先まで正確に見通し、プランニングし尽くすことは不可能です。半年後でさえ、どうなっているのか誰にも分かリません。だからこそ、自分のなりたい姿は思い描きつつ、何か不測の事態が起きた時はそれを受け入れる寛容さも持つべきだと思うのです。思い通りにいかないことに、いちいち落ち込んでいると、逆に納得のいく選択から遠ざかってしまいます。
有名なキャリアに関する理論の中に「計画された偶発性理論」というものがあります。簡単に言うと「キャリアの約8割は偶発的な出来事によって決まる」という内容です。たまたま異動先で誰かと出会い、それがきっかけで転職することになったなど、「たまたま」の積み重ねでキャリアは形成されるといわれています。
これまでいろいろな女性のキャリアを伺っていますが、無駄なことは何一つないと感じますね。人間誰しも「これは失敗だったな」という経験はあると思います。ただそれは捉え方で、「うまくいかなかったけど、こんな学びが得られたな」とポジティブに解釈することができます。解釈次第では、過去の失敗も今後の糧になるのです。
経済的な自立が幸福度を高める
マネ活編集部:幸せな人生にするために、お金はどのように扱えば良いのでしょうか。
田中:お金はやりたいことを実現したり、ありたい姿に近づくための手段だと思います。
日本ではお金の話をすると「はしたない」とネガティブなイメージをもたれることも少なくありません。ただ私は、使い方次第で人生をある程度デザインできるので、お金について考えるのは大切だと思います。
とくに専業主婦をされている方の場合、経済的な自立に近づくことにより幸せを感じる人が多いと思います。もちろん、納得された上でパートナーの扶養の範囲内で生活をしたり、パートナーを支えることを第一に考えることを否定するつもりはありません。ただ、経済的にパートナーの方に依存していることが原因で息苦しさを感じている女性がいることも事実です。
そういった女性の中には、稼ぐ力を身につけて経済的に自立を果たした時「初めて生きている感じがしました」「お金を稼ぐってこんなに楽しいんですね」と幸せを感じるケースも多いです。
田中さんの著書『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』
貯金と支出のバランスを考えて、投資するのが大事
マネ活編集部:どうすれば稼ぐ力が身につくのでしょうか。
田中:既にお仕事をされている方と、今はお仕事されていない方の2つのパターンに分けて考えた方が良いと思っています。
主婦業に専念されているなど、今は働いていない方に関しては、まずは小さなことから始めてみるのが良いと思っています。いきなり、昔バリバリ仕事をしていた時と同じレベルの年収の仕事を探しても、日本の転職市場は離職期間が長い人材に対して厳しい傾向があるので、思うような仕事を手に入れられない可能性が高いんです。
だからこそ、小さなことから始めるのが良いと思います。場合によっては、時給1,000円〜1,500円のアルバイトや、NPO・NGOのボランティアスタッフなど試してみるのも手です。少しでも興味のある仕事なのであれば、小さく初めてみて、そこから時給を上げたり、マネージャーに昇格したりとステップアップしていくのが良いと思います。
一方、お仕事をされている方に関しては、自らの価値を高め、希少性のある人材になるよう意識するのが良いと思います。「私には特別な能力はないから難しいかな」と思われる方もいらっしゃいますが、希少性は掛け合わせで決まりますので必ずしも一つの分野に特化した能力を持っている必要はありません。
例えば今まで、営業の仕事をしてきた人がデジタルマーケティングの知識を学べば、一つの希少性になります。お子さんがいらっしゃるなら「ママ視点」、SNSが好きでフォロワーが1,000人以上いるならそれも掛け合わせの材料になります。今自分の手の中にどんな経験や要素があるのか見直し、掛け合わせを考えることが大事です。
マネ活編集部:稼ぐ選択肢として投資などの金融商品を試してみるのもアリなのでしょうか?
田中:良いと思います。記者時代にファイナンシャルプランナーに取材をする機会も多かったのですが、皆さん口を揃えて「手取りの1割は自己投資に回すと良いよ」とおっしゃっていました。
私は「貯める」と「使う」のバランスは非常に大事だと思っています。多くの方は知識がないからと投資に手を出さず、貯めることに一生懸命になりがちです。もちろん、貯金も大事ですが、先述したように自分の描いた未来に近づくために有効な使い方をすることも大事です。
投資商品でも良いですし、自己投資という形でビジネス書を買ったりセミナーに参加するのも有効だと思います。いろんなチャレンジをして稼ぐ力を身につけ、年収を上げていくことにも挑戦していただきたいです。
マネ活編集部:具体的に今すぐできることは何かありますか?
田中:新型コロナウイルス感染症に関して、緊急事態宣言が解除され世の中が通常に戻りつつありますが、今後どうなっていくのか不安に感じている方も多いと思います。
すぐに具体的な就職・転職活動を始めるのが難しいと感じるのであれば、今は自分自身のことを振り返り未来のキャリアを考える時間にしていただけるといいのかなと思っています。オンラインセミナーなど学べる機会は多くあります。それらを活用し「半年、1年後自分はどうありたいのか」に思いを巡らすと良いでしょう。
そのためにも、履歴書や職務経歴書など一度書いてみるのもおすすめです。自分を振り返り、幸せな人生を歩むための準備を整える期間にすると良いのではと思います。
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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