3年間で資産1,000万円を達成した元浪費家が語る、モチベなしでお金を貯める「ほったらかし投資」
20代で選んだセミリタイア生活。パクチー大原さんに聞く「自分の楽な生き方」とは
最近では「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」とも呼ばれる早期リタイア生活やセミリタイア生活。自由に見えるライフスタイルにあこがれながらも、「自分には資産もないし、無理だ」と思い込んではいませんか? 今回お話を伺ったのは、26歳でセミリタイアを宣言し、海外と日本を行き来する生活を謳歌しているパクチー大原さん。セミリタイア宣言をしたときの貯金は100万円のみだったと言います。大原さんがセミリタイアに至った経緯や収入を得る工夫についてお聞きしました。
複数の収入源を持ち、セミリタイア生活を謳歌中
マネ活編集部:パクチー大原さんの活動内容について教えてください。
大原さん:今はメキシコ(取材時)に住んでいまして、YouTubeやnoteで主に収入を得ています。趣味の読書で得た知識を自分の中で咀嚼して、別のジャンルでも使えるよう編集し直して記事で出すといった感じですね。あと、以前フリーランスのトレーナーとして活動していた経験を活かして、同じくフリーランストレーナーとして営業をがんばりたい人たちにコンサルティングのようなことも行っています。
マネ活編集部:今はメキシコということですが、定住されていらっしゃるのでしょうか。
大原さん:いえ、移動しながら暮らしている感じですね。セミリタイア生活を始めた2021年の4月には島根県の山奥に住んでいたんですが、そのときに借りた家と行き来していまして。古民家を市の補助を受けて借りているので、維持費はほぼ無料に近いんです。今は中断しているんですが、この古民家での活動も2022年6月から再開しようかなと思っています。いわゆる村づくりを行っているんです。
26歳で宣言したセミリタイア
マネ活編集部:大原さんは早稲田大学を出てベンチャー企業に就職したのち独立。26歳でセミリタイア生活を始められています。その決断に至った経緯についてお聞きしたいです。
大原さん:よくある話なんですが、就職後に「楽しくないな。いつまでこんな生活を続けるんだ」と思って、1年1カ月ほどで退職したのがそもそものきっかけですね。仕事内容もですが、人間関係がつらくて。会社員時代から「生きたいように生きたい」と思っていまして、明確なイメージはなかったものの、ひとまず苦痛から逃れようと思いました。
そこから、趣味だったボディービルディングを活かしてフリーランスのトレーナーとして活動開始。1年ほど続けたところで「場所に縛られない生活をしたい」と思い、インターネットで収入が得られる道を模索。トレーナーをしながら旅行をする中で、もっと行きたいときに行きたい場所に、気軽に行けるようになりたいと思ったんです。
場所を選ばず収入を得られるようになり、そこからまた1年ほど経ってからセミリタイア生活を始めたという流れです。
マネ活編集部:「インターネットで収入を得られる」方法とは何でしょう。
大原さん:Tシャツ販売とアフィリエイトですね。トレーナー時代にYouTubeを始めたんですが、当時の筋トレYouTuberはTシャツやアパレル販売をするのが流行りだったので、その流れに乗ってやってみました。アフィリエイトも「とりあえずやってみよう」と思って始めた感じですね。今の自分がすぐに取り組めるものからとりあえず始めてみて、当たったものを拾っていくスタイルで活動を広げてきました。
マネ活編集部:その後、島根の村に移りセミリタイアを宣言されます。大原さんにとって、セミリタイアとはどういう状態を指すのでしょうか。
大原さん:自分ができるだけ苦痛に感じない、やりたいことをやれている状態が今の時代のセミリタイアなんじゃないかと思っています。昔は「不動産や株式投資でお金を得る」だったと思うんですが、今はインターネットを活用することで場所を選ばずできる仕事がいろいろありますからね。
マネ活編集部:セミリタイアというと、すでに資産を十分持っているというイメージがあります。しかし、セミリタイア時の大原さんは貯金が100万円だったと。ここに不安感はなかったんでしょうか。
大原さん:確かに十分な額ではなかったです。ただ、リモートワークで得られる収入と100万円の貯金しかないという金銭的な不安がある中でも、比較的にできそうなことの中でやりたいことが、TV番組でやっている村づくりだったという。動けるだけの心の余裕は得られていたので、「じゃあ、行こうかな」と。予算は限られていたので引っ越し費用はトータル10万円ほどで済ませましたし、古民家の改装はせずにそのまま掃除をして使っています。
大切なのは「自分の心が楽になること」
マネ活編集部:セミリタイアをすることで、大原さんにはどんな変化がありましたか?
大原さん:人間関係など、会社員時代にしんどかった部分は楽になりましたね。仕事関係の人含め、付き合いたい人を自分で選べるようになりました。完全に不安が消えるわけではありませんが、つらいことも料理の中の苦味として味わえるようになったのかなと思います。
マネ活編集部:セミリタイアと言えども、莫大な資金がない以上、何らかの方法で稼ぎ続ける必要があります。大原さんにはさまざまな収入源がありますが、それらはどのようにして見つけているのでしょうか。
大原さん:今、自分が持っているものの掛け合わせですかね。トレーナーで収益を増やすことを考えるだけでも、「トレーナー向けコンサルティング」「営業方法を示したnote」「もともとのトレーナー業」「オンライントレーナー業」など、数本に増やせます。トレーナーとしての知識を活用したダイエット指導もやっていました。カルピスの原液を薄めていくみたいにして、いろいろな収益源を作っていくんです。
あとは、自分が月に何円あれば大丈夫なのかを把握しておくこと。僕の場合、村時代は月7万円あれば生きていけたので、最低でもこの7万円を得られればいい。古民家に引っ越したのも、この最低必要な生活費はクリアできると思えていたからなんです。
マネ活編集部:おもしろいですね。これは偏見かもしれませんが、セミリタイアやFIREを謳っている人たちはゴージャスなライフスタイルを発信されている方が多いようなイメージがありまして。
大原さん:僕にとってのセミリタイアが「精神的に楽になること」だからでしょうね。やりたいことをやる中で、少し苦しいことがあるのは別にいいんです。ただ、従来の価値観だと、20、30年我慢した結果、やりたいことをやる感じじゃないですか。でも、老後に楽になれるかどうかはわからない。僕の父親を見ていても、あまり老後に楽になったように思えなかったんですよね。食事で言えば、好きなものを最後に置いておいて嫌いなものを食べていたらおなか一杯になっちゃったみたいなイメージで。そうじゃなくて、一緒に食べながら進んでいくみたいな感じですね。
大切なのは、自分の心が楽であること。僕はその結果セミリタイアという選択をしましたが、自分が楽だと思えるなら別に会社員のままでもいいんですよ。
セミリタイアは自分の人生をカスタマイズする一つの手段
マネ活編集部:今はメキシコにいる大原さんですが、今後についてどうお考えですか。
大原さん:やれることを全部やれるようになるのがゴールです。お金があるとできることの幅が増えるので、少しずつ増やしていけたらいいなと。例えば、今だと滞在国は物価の安い国から選んでいますし、古民家生活もお金をかけずにやるようにしていますが、お金があれば「やろうと思えばやれる」と選べるようになりますから。
マネ活編集部:収入の柱は変わらず?
大原さん:今後はユーザーに直接商品を販売するDtoCビジネスモデルにも力を入れていこうと思っています。届けたいのは僕のフォロワー。彼らが僕のYouTubeに求めているのは非日常体験やストレス解消なのかなと思っているので、そこに訴求できるものを作っていこうかなと。企業案件でも、リラックスやアロマといったものの依頼をよく受けるんですよ。手を動かし続けなくても収入が得られるよう、商品作りやコンテンツ作りに力を入れていこうと思っています。その先のことは、またそのときに考えようかなと。
マネ活編集部:大原さんのように20代だと、まだまだ先が長い分、セミリタイア生活に憧れがあっても不安が強く実行に移せない人もいるのではないかと思います。何かメッセージやアドバイスはありますか?
大原さん:思いつくのが副業だと思いますし、副業を始めること自体はいいことだと思います。ただ、まずは時間の余白を作ることから始めてみるといいでしょうね。仕事でいっぱいいっぱいだと副業を始める気力もゼロだと思うので、家電を有効に使って家事負担を減らすなど、体力を貯めてから動いた方がいいかなと。あとは不安を明確にすること。「何となく不安」ではなく、自分にとって1番最悪な状況を想定して、「ここまでならいいや」と判断できるようにしましょう。
そして、セミリタイア含め、「これしかない」と思いこまないことも大切です。僕も過去には「正社員での生活を手放したら負け犬でドロップアウト、もう終わり」と思っていたんですが、実際にはそんなことはない。逆に、セミリタイアしたからといって、ずっとセミリタイア生活を送らなければならないわけでもないんです。人生の成功パターンは1つだけじゃない。セミリタイアは背水の陣を敷くわけではないですし、たとえ背水の陣で負けて水に落ちても生きていけるよう、別の生き方を考えておけばいい。セミリタイアは、自分が生きやすいように人生をカスタマイズしていく一つの方法なんです。
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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