3年間で資産1,000万円を達成した元浪費家が語る、モチベなしでお金を貯める「ほったらかし投資」
キャリアも片付けも優先順位をつけるだけ。整理収納アドバイザー七尾亜紀子さんに聞く、脱100点満点主義とは
大手IT企業に15年勤務し、20代から管理職としても活躍していた七尾さん。現在は、次男の育休中に一念発起して取得した整理収納アドバイザー資格を活かして、独立・起業をしています。ワーキングマザーとして家事や育児、仕事に奔走していた彼女が独立に至った経緯やライフステージの変化を迎える女性が理想のキャリアを叶えるためのアドバイスをお聞きしました。
産休中に始めた片付けが人生を変えた
マネ活編集部:現在の活動について教えてください。
七尾さん:整理収納に困っていらっしゃる方に対して情報発信をしたり、オンラインでお悩み相談にのったりしています。また、個人宅に訪問して一緒に片付けをしたり、セミナー講師をしたりするなどいろいろな形で片付けの悩みを解決しています。
もともとはIT企業に勤めていて、管理職もしていました。次男の産休中にお部屋を一生懸命に片付けていたら、すっかりその魅力にとりつかれてしまったことが今につながっています。部屋がきれいになったときに達成感があり、自信がつきました。片付けは人生を変える。そのときの経験を多くの方に伝えたくなり、会社員をやりながら整理収納アドバイザーの資格を取り、片付け情報の発信を始めました。
マネ活編集部:依頼主はどのような悩みを抱えているのでしょうか?
七尾さん:ワーキングマザーで、小学生以下のお子さんがいらっしゃる方からのご相談が多いです。首都圏のマンションにお住まいで、夫婦2人の時は問題がなかったのに、家族が増えるにつれ、だんだん物があふれてくる。子供部屋も作ってあげたいけれど、どうすればいいかわからない。困ってしまって、連絡をいただくことが多いですね。
まずは部屋の間取り図や写真、お悩みを送っていただきます。その時点で、だいたいこのお家の課題はここだなというのが見えてきます。そして、私が整理したうえで、写真だけではわからないことをお聞きしたり、ゴールや優先順位、片付けの手順を明確にしたりしていきます。具体的には、お部屋の役割を明確にして、クローゼットの置き場所や誰の何を入れるのかなど、一個一個整理していきます。スペースは限られているので、物を減らすことも必要なことが多いですね。
マネ活編集部:整理収納のサービスを提供するうえで、大事にしていることを教えてください。
七尾さん:一番は、ご本人がどのようになりたいかです。理想像はお宅によってそれぞれ違います。世間一般のこうあるべきという物差しに当てはめても意味がありません。何にモヤモヤしていて、本当はどうしたいのかをすり合わせないとうまくいきません。ご質問をしながら本人も気づいていない漠然とした不安を一緒に解きほぐしていって、言い換えてあげると「そうなんです!」と笑顔になってくれます。そこに私の価値があると考えています。
ワーママ暗黒時代を経て、独立・起業
マネ活編集部:独立するまでのキャリアについて教えてください。
七尾さん:26歳で結婚し、28歳で出産しました。出産までの5、6年は毎日終電で帰るような生活で、忙しい部署で猛烈に働いていました。管理職にもなりましたが、出産後に同じ働き方ができるとは思っていなかったので、時短で復帰しました。部署や役職も変わり、ゼロリセット。5時ピッタリには帰らないといけないので、限られた時間のなかでどう仕事を進めるかを考えるようになりました。発想を180度転換させないといけなくなり、状況が劇的に変化しました。
自分を変えることを迫られたワーママデビューでしたが、気づきもありました。若いときは人に頼るのが苦手で、何でも自分でやった方が早いと思っていました。管理職になってもそうだったので、メンバーの成長するチャンスを奪ってしまっていたかもしれません。人を育成する力が弱かったんですね。
でも、ワーキングマザーになり制限ができたことによって、メンバーに頼れるようになりました。任せる形でのチームマネジメントをするようになり、メンバーの能力を引き出すことを意識しました。そういう意味では、私自身も成長できたと思います。
その後、次男が2歳になったときに夫が単身赴任しました。完全なワンオペに突入して、次男はイヤイヤ期、長男は小1の壁。当時は辛くて家で泣いてしまったこともあり、ワーママ暗黒時代と呼んでいます(笑)。
マネ活編集部:安定した会社員から起業するときに不安はありませんでしたか?
七尾さん:ワーママとして大変ながらも恵まれた環境からフリーランスになることへの不安はありました。そのため、いきなり独立せずに、まずは会社員を続けながらブログで発信をして、少しずつファンになってくださる方を増やしていきました。読者も増え、雑誌から取材を受けるようになった頃にそろそろ独立してもいいかなと自分で思えるようになりました。
整理収納アドバイザーの資格を取ろうと思ったのは35歳頃でした。40代が見えてきて、このまま管理職として多忙な中でキャリアを邁進していくのか。それとも自分の好きなこと、やりたいことに時間を使うのか。どちらの生き方がいいのかを考えていました。その結果、キャリアを積んでどんどん上に行くのではなく、自分の好きなように生きていきたいタイプだったことを再確認。そのおかげで今の方向に人生の舵を切ることができました。
いいとこ取りはできない。全部を手に入れようとせず、優先順位をつける
マネ活編集部:キャリアの方向性や、仕事とプライベートの両立に悩んでいる30代の女性にアドバイスをいただけないでしょうか。
七尾さん:いいとこ取りはできないので、優先順位をつけることが大事です。例えば、お金もやりがいもといろいろなことを追っていっても、時間に限りがあるので全部を手に入れることは難しいですよね。
実はキャリアの方向性の悩みと片付けの話には共通する部分があります。物は捨てたくないけど部屋はスッキリさせたい。でも、スペースが限られているのでいいとこ取りはできません。何かを捨てずにきれいにするのが無理なのは、キャリアも同じです。ゆとりの時間もほしい。やりがいもほしい。全部の理想が叶う仕事を見つけることは難しいので、自分で大事にしたいことは何かを整理し、優先順位をつけることが必要です。
30代は家庭がある方もいらっしゃいますし、将来の自分の人生やキャリアを考えるといろいろと欲張りたくなると思います。でも、自分が優先したいことを整理しないと、結局何も得られず終わってしまいます。何かを捨てると100点満点にはならないかもしれません。でも、一番大事にしたいことを手に入れるためには優先順位をつけることが必要です。
マネ活編集部:優先順位をつけるためのコツを教えていただけないでしょうか。
七尾さん:思考を整理することが大切です。整理収納の話でいうと、「心地よい暮らしをしたい」だとふわっとしているので、心地よいとはどういう状態ですか?などと質問しながらどんどん掘り下げて具体的にしていきます。
キャリアや仕事の話でも同じです。例えば、「毎日必ず5時に帰れる」「毎週末、子供と一緒に過ごせる」など、望みを書き出していきます。それを並べてみて、優先順位をつけていきます。そうすると、本音が見えてきます。ふわっとさせておくのではなく、一つひとつ具体的にして、大事な順に並べてみると自分の求めていたことがはっきり見えてくると思います。
マネ活編集部:捨てるのが苦手な人も多そうです。
七尾さん:片付けの話でいうと、「どうやったら捨てられますか?」と聞かれることも多いです。そういうときは、残すものを選びましょうとアドバイスしています。捨てるものを選ぼうとするから、もったいなくなって捨てられない。「いつか使うかも」と思ってしまいます。
キャリアや生活の順位付けも同じです。理想の24時間を作るために大事なことをタイムテーブルの中に入れていくと、書ききれなかったことは仕方ないと思えます。そうやって可視化すると、自然と捨てられるように、つまり本当に大事なことを選べるようになります。
理想の将来に縛られずに、今を大切に過ごしたい
マネ活編集部:七尾さんご自身は将来について迷いなく、決めていらっしゃいますか?
七尾さん:以前は目標を立てて、逆算しながら進んでいくタイプでしたが最近はそうではなくなりました。自分が想像するよりも、世の中の流れの方が早いと感じています。YouTubeを始めたのは2年半前ですが、3年前はまさか自分がYouTuberになっているなんて夢にも思っていませんでした。コロナもそうですし、自分の思った通りの世の中にはならないなと。先のイメージを描きすぎて、それに縛られないようにしたいと今では考えています。今の仕事もそうですが、自分が想定していなかった方に導かれていくような感覚を大事にしています。
もともと体育会系で頑張りすぎてしまうところがあるので、長く続けていけるように、自分の幅を広げてくれるインプットの時間も大切にしていきたいです。会社員をやりながら資格の勉強をしたりブログを書いたり、頑張ってくれた過去の自分に感謝しています。将来の自分にもそう言ってもらえるように、今を大切に過ごしていきたいです。
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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