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ミニマリスト主婦・村田エミさんに学ぶ子育て中でも練習で身につく「捨てる」スキル
家の中にあるモノの量、きちんと把握・管理できていますか?子どもが発熱したときにサッと体温計が出てこなかったり、クローゼットにたくさん服があるのに着たい服が見つけられなかったり…。そんな困った経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。子どもがいるから仕方がないと諦めるのはまだ早い!2児の母であり「ミニマリスト」である村田エミさんに、適正な物量がもたらす快適生活のコツをお聞きします。
「自分の管理できる範囲」を知ることがミニマリストへの第一歩
マネ活編集部:雑誌やSNSで「ミニマリスト」と名乗る方々が掲げる写真には、生活感のまったくないものも見られます。「ミニマリスト=モノを持たない人」というイメージがあるのですが…。
村田:確かに生活感のない空間を目指すミニマリストの方もいらっしゃいますよね。でも、ミニマリスト=極限までモノを持たない人、ではないんです。私は、ミニマリスト=身の回りにあるモノを自分の管理できる量、必要なモノに絞れている人だと考えます。そもそも、特に子育て中は必要なモノがどうしても増えますから、一切の生活感をなくすことは難しいですよね。
マネ活編集部:客観的に多く持っているように見えても、本人にとって管理できる量であることが大切なんですね。
村田:そうですね。大切なのはモノを減らすことだけではなく、その先にあるのは、自分がやりたいこと、やるべきことにきちんと力を注げることなんですよ。許容量以上にモノを持っていると、何かしようとするたびにモノを探さなければいけなかったり、使い切れずにダメにしてしまったりする。そうならないようにモノの量を調整しようね、というのが私が考えるミニマリストの思考なんです。
マネ活編集部:やりたいことに集中できるようになること以外に、ミニマリストのメリットはありますか?
村田:部屋が散らかりにくくなるというのは、精神的にとても大きなメリットになると思います。特に、体調を崩したときにその恩恵を受けられます。
どこにしまえばいいのかがわかりやすい家であれば、夫や子どもでも簡単に片付けられます。もし、お母さんが体調を崩して片付けができなくなってしまっても、部屋が荒れにくくなる。子どもの看病につきっきりになるときも同様ですよね。必要なモノをすぐに取り出せるので、急に病院に行くことになっても慌てずに済んだりと、緊急事こそ心の安定につながるはずです。
それから、なんといっても無駄な買いものが減ったことによる経済的メリットは大きいです。私はミニマリストになるまでは100均などで収納用具をつい買ってしまっていたんですが、逆にそれらが収納をわかりにくくしていましたし、そういった無駄買いがいかに多かったのかが、振り返ると分かりますね。
マネ活編集部:つい買ってしまいがちですよね。村田さんは、どんなきっかけでミニマリストを目指そうと思ったんですか?
村田:引っ越しです。我が家は転勤族なのですが、上の子が1歳になるくらいで荷造りをしたら、びっくりするほど大変だったんですよ。その前に引っ越したときは夫婦だけだったこともあり、そんなに大変だった記憶はなかったんです。すごく衝撃を受けてしまって。結局、このときは徹夜で荷造りをする羽目になってしまいました(笑)。
それを機に「モノを減らすしかない!」と、危機感を抱いたんですね。転勤族としてずっと引っ越しが付きまとうのであれば、今、このタイミングで真剣にモノと、そして自分自身と向き合わねばと感じたんです。
マネ活編集部:危機感から思考を変えられたんですね。私は捨てることが苦手なんですが、そういったタイプの人でもミニマリスト的思考は身につけられるのでしょうか。
村田:大丈夫です、ミニマリストには誰でもなれますよ!大切なのは「捨てる」「残す」の基準を自分の中で作ること。それさえできれば、誰でもミニマリストになれると思っています。
マネ活編集部:基準はどう作っていけばいいですか?
村田:私はまず、「捨てても後悔しないもの」を捨てていきました。このときの判断軸は、「買い替え可能なものは捨ててもOK」ということ。捨ててしまっても「やっぱり必要だった」と後悔があれば、買い直せばいいわけですから。逆に、思い出の品や友人からのプレゼントなど、買い替え不可能なものは残していく。
それから、当たり前に感じるかも知れませんが「使う」「使わない」という基準。「いつか使うかも?」と思ってつい判断を後回しにしがちですが、冠婚葬祭品以外のモノは、基本的に1年以上使わなければ捨てています。
例えば、使い切れずに残っている化粧品は、ずるずる残していても日の目を見ることは少ないですし、そもそも中身が変質している場合も。だったら、多少もったいなくてもバイバイして、新たな品を取り入れてあげる方が、気持ちも前向きになれると思いませんか?
そうやって身の回りのモノを整理しながら、自分が管理できる許容量を探っていくんです。何かモノを増やすときには、小さなモノでもいいから減らせるものを考える。買い直すことになってしまっても、その失敗が経験値になります。徐々に適正量に近づけていけると思いますよ。
モノを手放す方法は「譲る」「捨てる」をメインに
マネ活編集部:先ほど、捨てる・残すを決める期限は「1年間」というお話がありました。このとき「要検討BOX」に入れておきたくなるモノも多そうなのですが…。
村田:私は要検討BOXはいらないと考えています。BOXに入れるのは、今使っていないモノがほとんどのはず。結局、要検討BOXは捨てる判断を先延ばしにするだけなので、決めるときには「残す」か「手放す」のどちらかに潔く決めましょう。
「やっぱり使いたかった」と思ったときには、買い直すことで学びが得られたと捉えます。一見、無駄にお金を使うことになってしまったように思えるかもしれませんが、経験値を積み重ねることで無駄買いも減らせるようになりますから。
マネ活編集部:せっかくモノを減らしても、ついまた買いたくなってしまうという方はどうすればいいでしょうか。
村田:「なぜほしいのか」を考えてみたいですね。本当にそのモノがほしいのか、実はストレス発散で買いたいだけなのか。個人的には、買いものによるストレス発散は場合によってはOKだと思っています。一方で、買い物が止められなくてモノが増え続けることで、ますます管理することがストレスになってしまう。
ですから、モノを買うときにいったん考える癖をつけること、そして使わなくなったときにはきちんと手放すことを心掛けてください。「もったいないから取っておこう」はNGワードです。
マネ活編集部:村田さんにも、つい買ってしまうのを止められなかったモノはありましたか?
村田:服ですね。ストレス発散も兼ねてパッと衝動的に買ってしまっていたのですが、冷静になってみると「袖が短すぎたな」といった具合に、失敗も多かったんです。そうした服は結局着ないでタンスの肥やしになっていく。ミニマリストになると心に決めたときに相当量を手放しました。
マネ活編集部:手放し方は「捨てる」ですか?服ならフリマアプリやリサイクルショップに売ればお小遣いの足しになるかなと思うのですが。
村田:ブランド品で明らかに値が付くものであればフリマアプリで売ることもあります。あとは、シリーズものの本。本はネットの宅配買取サービスに買い取ってもらっていますね。でも、売るのはそれくらいなんです。
他は、フリマへ出品するのも手間なので、ママ友を中心に「いる人がいればあげるよ」と伝え、誰もいなければ捨てています。声をかける友達は、いらないときにちゃんと断ってくれる人だけにしていますね。
誰か他に譲る人を探す、フリマアプリに出品するなど、捨てるまでの道のりを長くしてしまうと、それだけ家の中にモノが残る時間が長くなります。そうなるとなかなかモノが減らないので、思い切って「売る」を選択肢から抜いてしまうのもアリで。「譲る」「捨てる」の2択にしてしまってもいいと思います。
また、私は捨てる衣類を適当に切って、使い捨ての雑巾(ウエス)として活用しています。リサイクルショップは持っていく手間がかかりますし、持っていっても買い取ってもらえないこともあります。最終的にどこかで廃棄になるのなら、私がここで使い切って捨てようと考えるのもありなのではないでしょうか。
不要になったタオルや服を適度な大きさに切って使い捨て雑巾(ウエス)として使用すれば無駄がない
マネ活編集部:自分のモノは減らせても、「捨てられない派」の家族がいる場合、どうすればいいでしょうか。
村田:私が守っているルールは、たとえ子どものモノであっても勝手に捨てることはしないということ。使っていないように見えても、実は本人にとって大切なものかもしれませんから。
ただ、どうしても収納には限度があるので、定期的に話し合いの機会を設けるといいですね。我が家では、クリスマスや誕生日などのモノが増える機会を使い、子どもたちに自分の所有物と向き合わせることで、モノを増やさない考え方を養っています。
それから、まずは自分がモノを整理するのはとても大事だと思います。そして、捨てる姿を家族に見せること。「お母さん、モノを減らそうとしているな」という様子が伝わると、「自分だけが捨てさせられる」という不満になりにくい。
うちでは、私の姿に影響を受けて、夫が「これも捨てておいて」と自分のモノを整理し始めるようになりました。
マネ活編集部:小さい子だと、親目線で見て「それ、本当に捨てて大丈夫?」という判断をすることはないですか?
村田:ありますよね(笑)。でも私は子どもの決断を尊重したいので、本人がいらないというのであれば捨てています。「やっぱり捨てなきゃ良かった!」となってしまっても、その失敗から自分で責任を取ることを学ばせればいいと思うからです。
お子さんのおもちゃが整理されている様子。子どもに「いる/いらない」を選択させ、共感を得ながら一定量を保つのがコツ
「捨てる」スキルは練習で身につく。失敗を恐れず身近なところから始めよう
マネ活編集部:いくら「不要になれば捨てればいい」といっても、その繰り返しではモノもお金ももったいないことになってしまいます。できるだけ無駄な買いものでモノを増やさないためにはどうしたらいいでしょうか。
村田:私は買いものの頻度を減らすようにしています。買いものの機会が多いほど、余計なモノを買う危険性が高まると考えるからです。
ですから、日用品のレギュラー品はなるべく大容量のものをネットで購入。服はワンシーズンで着回すには十分な15着までと決めています。それ以上は増えないように、増やしたら手放して量をコントロールしています。
ネット通販を利用するときには、一旦お気に入りやカートに入れ、時間を置くようにすることもおすすめですよ。頭をクールダウンさせることで、「やっぱりいらない」「今あるものが使える」と考え直すことができます。
それから、コロナ禍で外出しづらい分、たまにリアル店舗に行くと衝動買いに繋がりがちです。その場でオンラインショップを検索して同じ商品があるなら、一旦購入は止めて、落ち着いて考える時間を作るのもいいかもしれません。
マネ活編集部:女性が増やしがちなコスメ関係はいかがでしょうか。
村田:私は考える時間を減らしたいので、アイシャドウやチークは1種類に絞って、「毎日これ」と決めています。できるだけ失敗したくないので、ネットの口コミを参考にしながら慎重に買っています。とはいえ、私は1個持ちですが、持つ量に正解はないので、自分の許容範囲を考えて決めるといいですね。
「失敗を減らすこと」は節約にも繋がります。私が日用品をレギュラー化しているのも、失敗を減らしたいから。失敗を減らせれば、無駄買いが減り、その分を貯蓄や投資に回すことができます。自分で無駄を減らして生み出したお金だと思うと、大切に使う気持ちにつながりますし、心のゆとりにも繋がるんです。
マネ活編集部:今日からがんばってみようと思えるお話をありがとうございました。最後に、読者にメッセージをお願いします!
村田:ミニマリストの一番の敵はストレスです。ストレス発散のために無駄買いをしてしまい、その増やしたモノがまたストレスになる。そんな悪循環に陥らないために「これ、本当に必要?」が考えられる基準を自分の中に持っておけるといいですね。
日本人はもったいない精神が根付いていることもあり、「捨てるにも練習が必要」です。でも、捨てずに所有しているだけでは死蔵させているということ。もったいないですし、適正量を管理するハードルを上げてしまうだけです。
つい増えがちな文房具や粗品でもらったものから選別をスタートすると、「捨てる」モードに入りやすいと思いますよ。また、ネットでも確認できる取扱説明書などの紙類も実はザクッと捨てやすいエリア。整理の入り口としてオススメです。
捨ててからの失敗を過度に恐れないこと、そして、まずは無理せず身近なところからモノと向き合う「ゆるミニマリスト」な視点を、ぜひ暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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