投資や副業で純資産1億円超えを実現。もふ社長さんに聞く、働きながら取り組む不動産投資の始め方
働いていた会社がリーマンショックで大打撃を受けたことを機に、投資を本格的に始めたもふ社長さん。株式投資で利益を得られたものの、株価の変動にストレスを感じるようになり、不動産投資メインに切り替えたそうです。「きちんと学びさえすれば、不動産投資は安定して投資できる手法」だと語るもふ社長さん。初心者は具体的にどのように始めていけばいいのか、お話を伺いました。
- 不動産投資・株式投資で金融資産1億円を実現
- 株式投資のアップダウンに疲れ、不動産投資にシフトした
- 関門は「購入時」。失敗しない不動産投資の方法とは
- 不動産投資を続けながら「今やりたい仕事」に取り組みたい
不動産投資・株式投資で金融資産1億円を実現
マネ活編集部:もふ社長さんの活動について教えてください。
もふ社長さん:最近はベンチャー企業の経営者や投資家として活動しています。
1番力を入れているのは1年半前ごろから関わり始めたベンチャー企業の経営です。リゾートホテルのシェア販売のような事業で、ホテルの部屋を1室ずつ販売し、オーナーが別荘として使ったりホテルとして貸し出したりできるというビジネスを展開しています。
あと、役立つ情報を発信したいという思いがあるので、YouTubeで投資や経済に関する情報発信も続けています。
マネ活編集部:今回のテーマは不動産投資ということで、もふ社長さんはどのくらい保有されていらっしゃるんでしょうか。
もふ社長さん:これまでで累計で約4億円60室ほど買っていまして、中にはすでに売却したものもあります。
マネ活編集部:不動産以外の投資もされているのでしょうか。
もふ社長さん:株で3,000万円ほどの資産を持っていますね。個別株とエンジェル投資です。今は不動産投資がメインですが、昔は株式投資家だったんですよ。全部ひっくるめて金融資産が1億円以上ある感じですね。
株式投資のアップダウンに疲れ、不動産投資にシフトした
マネ活編集部:不動産投資より前に株式投資をされていたということですが、いつ頃から始められたんですか?
もふ社長さん:2005年ごろです。もともと経済が好きで、大学生の頃から株の勉強をしたりしていまして、株価が上がる予測を立てるのがすごく好きだったんです。でもよく勉強せずに中国株などにも投資をしていました。その後、リーマンショックにより大ダメージを受けたんですよね。それを機に投資法を見直し、企業分析をきちんとして、今後上がるであろう銘柄を中長期で投資する手法に切り替えてから上手くいくようになりました。
マネ活編集部:不動産投資をメインに据えるようになった経緯を教えてください。
もふ社長さん:私は大手電機メーカーで半導体の研究開発に携わっていたんですが、リーマンショックで会社が過去最悪ぐらいの赤字になったんですね。一時的に週休3日になり、残業もなくなったことで、ちょっと不安を覚えたんです。もしこの会社がなくなってしまって生活できなくなると困るなと思って、自分でお金を稼ぐ力を身に付けようと考えました。
いろいろやりましたよ。どうしていいかわからなくて、とりあえず英語ができれば世界で戦えるエンジニアになれるんじゃないかと考えて勉強してみたり、経営者の知識や思考を身に付けられれば生き残れるんじゃないかと思って、決算書を読んだり複式簿記を学んでみたり。株の勉強もし直しました。
不動産投資に出会ったのは、マイホームの購入がきっかけでした。2011年に名古屋で自宅を買ったのですが、当時の金利は0.7%で、リーマンショック後、アベノミクス前のタイミングだったこともあり、かなり安く購入できたんです。当時、購入か賃貸かどちらがお得なのか比較したんですが、借りたら14、5万円かかるエリアの物件が、買ったら月5.3万円くらいのローンで済むと知りまして。これは買った方がお得だなと思いました。そこで、ふと「これ、貸し出したらお金が入ってくるじゃん」と思ったんですよね。それが不動産投資に興味を持ったきっかけでした。
マネ活編集部:同じエリアでの賃貸相場とかなり差がありますね。
もふ社長さん:そうです。ただ、住宅ローンで購入した物件で不動産投資をするのは禁止されているので、区分マンションを探して投資できないか調べてみたんです。自分なりに調べ始めたところ、住宅ローンの金利は1%を切りますが、普通に借りると2~3%の金利になることがわかりました。普通にやると区分マンションの収益性(利回り)は5%くらい、そこから3%ほどが金利で取られた上に固定資産税や経費などを払わないといけないのであればぜんぜん儲からないよねと思い、頓挫しました。
しかし、そんなときに「まずはアパート一棟、買いなさい!」という本にたまたま出会いまして。この本には利回り20%ぐらいの物件があると書いてあって、「5%の世界しか知らなかったのに、20%も?そもそも、アパート一棟って買えるものなの?」と衝撃を受けたんです。だったら金利3%でも儲けられると思い、2013年から本格的に独学で勉強を始めました。
不動産投資に切り替えたいなと思ったのは、それまでやってきた株式投資に疲れてしまったのも大きかったですね。1日で保有している株式の評価額が500万円くらい上がったり下がったり…。株価の浮き沈みにメンタルが疲弊していたんです。常に株価が気になるようになってしまい、仕事にも支障が出始めていてこれはまずいなと。不動産投資なら短期間に激しく変化しないので、安定して投資できるなと思いました。
マネ活編集部:不動産投資の勉強はどうやって進めたんでしょうか。
もふ社長さん:本ですね。100冊以上は読んだと思います。よく「何から始めたらいいですか?」とか聞かれますが、新しいジャンルを勉強するときは片っ端から情報収集して、自分にあっているのか、どれが正しいのか自分で判断するようにしています。
あとは実際にいろいろな不動産を見に行きました。仕事で忙しい合間を縫って動いていましたね。株式投資のときと同じように、不安な点を全部調べていました。不動産の価格はわかりづらいので、「この物件の価格は安いのか高いのか」をほかの物件と比較する。近隣の物件の埋まり具合をチェックして、候補の物件がいくらの家賃であれば周囲の物件に勝てそうかを考えていました。
飲食店やコワーキングスペースの経営と比べると、住宅は勝てそうかどうかの判断がしやすいと思うんですよ。この場所にあるこの物件で、家賃がどれくらいなら住みたいと思うかどうかと、自分事化して考えられるので。物件情報はインターネットにも出ているので、候補物件の周囲の相場を調べ尽くし、どれくらいで買っていくらで貸せば税金を含めて儲けにつながるかを検討していた感じですね。
マネ活編集部:調べた結果、最初の物件を買ったのはいつですか?
もふ社長さん:2014年の夏だったかな。富士山の近くのアパート2棟を利回り20%くらいで購入しました。ある企業の株価が急上昇したことでまとまった資金があったこと、相場より安い物件を買えたことから、銀行から購入額の8割にあたる額の融資を受けられました。これ以上ないくらいに調べましたが、やっぱりどこかで騙されているんじゃないかとか、落とし穴があるんじゃないかといった心配がありましたね。でも、最後の最後は自分で決断するんだと思って決断しました。
マネ活編集部:結果、いかがでしたか?
もふ社長さん:購入後、周りに新築物件がバンバンと建ったので、「聞いてないよ」と思いましたね。でも、それは別にいう義務がないものなので、騙されたわけではく自己責任。不動産投資は投資ではなく事業なんです。
近くにライバル店が来るのはどの業態でも同じなので、どうすれば新築に勝てるのかを考え、当時そのエリアには一切なかった無料インターネットを導入することにしました。仲介会社さんにはおすすめされなかったんですが、私は経営判断としてありだと思ったんです。結果、私の考えが当たり、そこからは順調に部屋が埋まっていきました。
よく不動産投資は不労所得だといわれるんですが、やっぱり事業なんですよね。ライバルが出てきたとき、どうすれば勝てるのかを考えなければならない。新築ができたからといって、300万円かけて新築同様にリフォームすることが、果たして最善策なのか。その投資額は何年で回収できるのか、元は取れるのか。そういった計画をしなければならないんですよ。このときに導入した無料インターネットは、1室月1,500円で入れられること、入居者さんが自分で入れようとしたら月3,000~4,000円かかるので1,500円の負担で入居者に3,000円分の付加価値があるなら導入したほうがいいと。また、周りに同様の物件がないから差別化になることから、経営判断として導入を決めました。
エリアにはないから仲介会社さんにも需要がわからなかったけど、若者は無料インターネットを欲していて優先して検索してくれるんですよね。何事においてもそうですが、不動産投資においても情報を収集し、最終的には自分の頭で考えて判断することが大切だと思います。
マネ活編集部:そこから独立に至るまで、何か失敗はありましたか?
もふ社長さん:大きな失敗はないですね。失敗しないよう、相場より安い物件を探しまくって購入するようにしてきました。インターネットや不動産屋の紹介で、年間数千件は見ていると思います。不動産屋も完璧ではないので、中にはおかしいほど価格設定が低いものがあるんです。それを即座に押さえられるように動く感じですね。
ただ、そうした物件はライバルも多いですから、いかに1番手をゲットするかが肝になってきます。中には、数を打つ戦法で値下げ交渉をしまくるタイプの不動産投資家もいますね。損さえしなければOKとそこそこの価格の物件を買っている方もいますし、いろいろです。私はかけた時間に対して大きく儲かるなと感じられたら買うようにしていました。年間1棟ずつくらいのペースで増やしてきた感じですね。
会社を辞めたのは2019年です。研究開発の仕事で目標としていた「世界初の商品を生み出すという」ことをやり遂げられたというのがひとつの区切りとなりました。あとは、2017年からブログを、2018年からYouTubeでの情報発信を始めていたので、不動産投資と情報発信とで独立を決めた感じでしたね。
マネ活編集部:情報発信を始めたのはなぜですか?
もふ社長さん:多くの人の役に立ちたいという思いから始めました。当時、不動産投資の世界では違法な方法が流行っていたり、詐欺のような案件に引っかかる初心者の方が多くいました。不動産は価格相場がわかりづらいものだから、本来の相場より高値を付けてよくわかっていない人に売りつけるといったグレーなことも起きていて…そういう方の被害が少しでも減るといいと思い、投資家の目線で解説を始めたのがきっかけです。
関門は「購入時」。失敗しない不動産投資の方法とは
マネ活編集部:ここからは、初心者が不動産投資を始めるにはどうしたらいいかをお聞きしていきたいと思います。もふ社長さんご自身も時間のない中で取り組まれていったと思いますが、イチから始める場合、どのように進めていけば良いでしょうか。
もふ社長さん:まずは本やYouTubeで広く浅く全体を学ぶことですね。不動産投資は資金が必要ですし、不動産の知識もいりますし、事業計画を考える力も大切です。株式投資にもいろいろな種類があるように、不動産投資にも区分マンション、戸建て、アパート、マンション、マンション一棟、築年数、はたまた自分で新築を建てるのかなど、さまざまなジャンルがあります。どのジャンルにも成功している人がいるので、一通り見て自分が学びたいと思ったものを決めるのがいいと思いますね。
ジャンルに良し悪しはなく、野球が好きなのかサッカーが好きなのかというくらいの違いです。あとはその人の状況ですよね。お金がないのにいきなり東京で新築マンションを建てたいといっても土台無理な話なので。じゃあ、地方の築年数が古めの戸建てから始めようとか、いろいろな選択肢から自分にあうものを選んでいくという感じです。
マネ活編集部:購入額にもよってくる話だとは思いますが、資金はどれくらいを見ておけばいいのでしょうか。
もふ社長さん:目安として、物件価格の7%ほどが購入時に税金や手数料でかかってくると考えておきましょう。あとは融資の金額にもよって現金をどれくらい持っておくべきかは変わりますね。築年数が古い物件の場合、買ったあとに雨漏りの修理代が必要になったり、設備が壊れて直さなければならなかったりということも起こり得るので、対処できるだけの資金は必要です。退去者が出たときには広告費用もかかりますしね。こうしたことが理解できるようになってから購入しましょうねという感じですね。とにかくよくわからないのに買ってはいけないということだけは強くお伝えしたいです。
マネ活編集部:初心者がほかに気を付けるべきポイントはありますか?
もふ社長さん:高く買いすぎないことですね。他の人が2,000万円で買うものを3,000万円で買ってしまったら、そこからリカバリーするのは困難です。不動産は価格がわかりにくいので、そういうケースが多々あります。
購入時に学校やスーパーマーケットの近さを気にする方もいるんですが、不動産投資家は実はそこはあまり気にしていません。スーパーが徒歩3分だから5,000円家賃が高い家に住もうとか、あまり思わないですよね。やっぱり周辺の不動産の相場と家賃相場や、ちゃんと入居者が付くのかなどのほうが大切です。
不動産投資家が気にするのは、いくらで買って、いくらで貸して、最後に手放す際にいくらで売れるのかの3点。不動産投資の儲け方は家賃収入と売却益です。熟練のプロが築地の競り市でマグロを競り落として儲けられるのと同じで、不動産もこれぐらいの物件なら家賃がこれぐらい入ってきて、これぐらいの修繕費用が必要で、いずれ売るときにはこれぐらいで売れるだろう、だからこれぐらいの利益が出るなとわかるんですよね。素人が競り市でプロに競り勝って儲けられるわけがないように、初心者はまず物件情報をたくさん見て、相場感覚を身に付けることが大切だと思います。
例えば、相場3,000万円の物件を2,000万円で買った場合、屋根が台風で吹き飛んで修繕費に200万円がかかったとしても、ちゃんと直せばプラスになる。でも、これが同じ物件を5,000万円で買ってしまっていたら、どうがんばっても2,000万円の損が出てしまうんですよ。ですから、とにかく買う際の判断が大事なんです。焦らない、踊らされないことが重要ですね。
マネ活編集部:「不労所得ではない」「知識が大事」「焦らない、踊らされない」の3つがポイントだと感じました。
もふ社長さん:そうですね。ただ、慣れてくると不労所得に近い状態にはなれるんですよ。特に所有物件が新築になればなるほど、普段やることはほぼなくなりますから。今、私が割いている時間は月2、3時間くらいです。すべて管理会社さんがやってくれていますし、退去の連絡を受けたときも、リフォームの内容を確認してOKを出せばあとはお任せですし。
マネ活編集部:社長さんの立場ですね。自分がやるというより、何かあったときに判断する。もふ社長さんが不労所得のような状態に至れたのは始めてどれくらいからですか?
もふ社長さん:3、4年ぐらい経ってからですね。最初は「リフォームしました」と言われても内容がわからないので、名古屋から富士山のふもとまで出向いて見に行っていました。
マネ活編集部:もふ社長さんから見て、どのような人が不動産投資に向いていると思いますか?
もふ社長さん:安定している事業がいいという方ですね。不動産は収益性がそこまで高くなく、いきなり家賃が2倍3倍になるということはありません。日々の変化は「家賃が滞納されました」「設備が壊れました」「夜逃げされました」とネガティブなことしかなく、商売繁盛で爆発的に収益が伸びるということはありません。その代わり、そんなに退去はないですし、安定して収入が入ってくるという良さがあると思っています。中長期的に見て、安定してじっくりやりたい人には良い投資法だと思います。ただ、借金をしたくない人にはあまり向いていないかもしれません。今、私には総資産が5億円くらいありますが、借金が3億円くらいあるんですよ。不動産投資は事業なので、銀行から融資を受けることができます。例えば1,000万円を元手に1億円を借りて不動産を購入するというようにレバレッジを掛けられるのがメリットなんですが、借金を抱えたくないという方には難しいかなと思います(もちろん現金で買い進められている投資家もいます)。
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