3年間で資産1,000万円を達成した元浪費家が語る、モチベなしでお金を貯める「ほったらかし投資」
目指せ株主優待生活!仔馬の優待生活さんの「ほったらかし戦法」に迫る
投資をしない人でも「株主優待」という言葉を聞いたことはあるのではないでしょうか。仔馬の優待生活さんは、自社商品や自社優待券がもらえる優待銘柄を中心に100銘柄を長期保有し、日常生活でさまざまなメリットを享受している、いわば株主優待の達人。実際に日々どんな生活をされていて、資産運用の成果はどうなのか、お話を伺います。
高配当株を持ち続けるほったらかし戦法
マネ活編集部:仔馬の優待生活さんはお名前の通り、株主優待を活用されていらっしゃると思いますが、実際にどのような活動をされているのか教えてください。
仔馬:兼業投資家として、優待生活を目指した活動をしています。自社商品や自社優待券を出している優待銘柄を中心に100銘柄ほどを中長期で保有しています。それに加えて、最近では少額で始められる端株取引にも取り組んでいます。また、2018年からは不動産投資やふるさと納税も始めました。不動産投資のローンや税金の支払いなどを配当金でまかないつつ、最近はポイ活にも力を入れています。
投資方針は「ほったらかし戦法」です。目先の含み損は気にせず、着実に積み上げていく手法です。定期的にポートフォリオの見直しはしますが、基本的に買った株はそのまま持ち続けます。
マネ活編集部:具体的な手法について教えてください。
例えば、端株投資ではポイ活で貯めたポイントを交換し、高配当銘柄や割安感のあるものを中心に購入していきます。端株投資を続け、最終的には単元株にすることを視野に入れながら、端株を買い増していく方針で買い進めています。端株投資を始めたのは2年ほど前で、1,300銘柄ほど持っています。
端株投資のメリットは手軽に買えるということ。端株は数百円で買えるものもあるので初心者の方にもおすすめです。単元株ですと一般的には10万円を超えてきますし、購入するタイミングをはかるのが難しいですが、端株なら少額からコツコツと積み上げていけるところが魅力です。株を定期的に一定金額購入することで、平均購入単価を抑えることが期待できるドルコスト平均法のようなイメージですね。
現在の端株も含めた保有銘柄は1,400ほどです。そのため、3月など企業の決算が多い時期は郵便が山のようになります(笑)。1日に100通ぐらいの郵便が来る日が続くのでチェックするだけで大変です。
ほかには、楽天銀行の配当金受取プログラムも活用しています。このプログラムでは、通常の配当金に加えて、株式配当金1件の受け取りにつき10円の現金を獲得できます。目先の株価よりも配当に重きを置いているので、ほったらかし戦法で端株を買い進めています。
マネ活編集部:株式の投資初心者はどのように銘柄を選べばいいでしょうか?
仔馬:端株の場合は1株500円以下、連続して配当を出していて、かつ中間・期末で配当している銘柄をおすすめします。もちろん、財務状況も重要です。株主にきちんと還元しているのか、会社がその期の純利益のうち、どのくらい配当金を支払ったかを表す配当性向が何%なのかなど、そういった情報をチェックしながら選ぶといいですね。
このような情報を調べる際、私はメインにしている楽天証券を使っています。アプリも見やすいので活用しつつ、四季報もチェックしています。決算報告書からは、株主への還元に対する姿勢やビジネスモデルが今後数年、数十年と成長していくのかを読み取るようにしています。
優待とポイ活で三重取り。生活必需品も優待で賄う
マネ活編集部:優待銘柄を長期保有するメリットについて教えてください。
仔馬:一定期間保有し続けることで、優待内容がよくなっていく銘柄もあります。これは、長期的に株を保有してくれる個人投資家を増やすのが目的で、保有年数に応じて優待内容が上乗せされるものや、別の商品を追加で付与してくれるところもあります。こういったところを中心に買い進めながら、基本的には生活必需品や日用品、生活雑貨などを中心に優待でいただいて、家計の支出を抑えるようにしています。
特に私が重きを置いているのは、優待券をどうやったらお得に活用できるかです。普通に優待券を使うだけではもったいないので、ポイ活も絡めています。ポイントのキャンペーンや、キャッシュレス決済の還元キャンペーンなどを駆使して、ポイントの二重取り、三重取りをしながら優待券を消化しています。
マネ活編集部:優待銘柄をどのようにして選んでいるのか教えてください。
仔馬:株式投資をしていない人だと、必要なものがあったら自分でお店やネットで買おうとすると思います。しかし、優待投資をしていると企業から(優待で)もらえないかなという発想になります。株を保有しているだけで年に1回、多いところだと4回も自社商品を送ってきてくれます。
例えば、ダイショーや理研ビタミンのような食品メーカーですと、塩やコショウ、ドレッシングなどをもらえます。新製品を送ってくれるところもあるので、自分が普段は買わないような商品を試したり、家族で楽しめたりするのがいいですね。家族に日常的に使うものや欲しいものを聞いて、優待で賄えないかを調べます。普段、お店で買っているものが優待にあれば、株式の購入を検討します。
ライフスタイルに合った優待銘柄で楽しく生活
マネ活編集部:優待銘柄の投資にたどり着いた理由や背景を教えてください。
仔馬:2010年に株式投資を始めました。当時は株を含めてまだ投資に関する書籍が少なく、今ほどはネット環境が充実していなかったので情報が少なかったんです。そこで、とりあえず有名企業を買えば問題ないだろうと思って試しに買ってみました。
そうしたら、翌年に東日本大震災が発生して株価は暴落。予想だにしない展開で、大きく資産を減らしてしまいました。元手30万円から始めたのですが20万円も溶かしてしまい、10万円に。損を取り返そうと思い、株価の水準が低い低位株などにギャンブル的な投資をしたこともありますが、振り返ると精神的に不安定な日々を過ごしていたように思います。もう、当時のようなことはしたくないですね(笑)。
その苦い経験を活かして、ギャンブル的な投資ではなく安定的に配当している銘柄で利益を得たいと考え、大きく投資方針を変えて、2011年の後半から優待銘柄や高配当銘柄でポートフォリオを組むようになりました。その時にたまたま選定した銘柄がイオンです。優待の内容がよく、今日までずっと保有しています。
マネ活編集部:優待銘柄を選ぶ際のポイントを教えてください。
仔馬: 初めて優待銘柄を買う際は、値上がり益を狙うのではなく、自分のライフスタイルに合った株主優待で楽しく生活することを目標にすることをおすすめします。さらに、優待だけではなく配当利回りが高めのディフェンシブ銘柄を中心にポートフォリオを組んで運用することによって、株価の伸び自体は緩やかでも堅実に資産を増やすことが期待できます。
最近のトピックには東証の再編があります。再編の基準に適合させるために優待を導入する企業が出てきて、中には手っ取り早いという理由で金券やカタログギフトを採用しているところもあります。そのような企業は、株主が増え過ぎると負担が増すので、優待廃止リスクが高まっていると分析しています。そのため、私自身は方向転換して、金券ではなく自社商品や自社のサービスで使える優待券を出している株を中心に買うようにしています。
不動産投資や米国株にもチャレンジ!少額でできる優待株もおすすめ
マネ活編集部:「◯年までにFIREする」といったような投資の目標や達成ラインは決めていらっしゃいますか?
※FIRE:「Financial Independence, Retire Early」の頭文字で、経済的自立により早期退職をすること
仔馬:企業からいただく優待や配当金で、日々の生活の支出や不動産投資関連の支払いなどを賄っていくことを目指しています。そこで最近、算出したのが年間配当100万円という目標です。その達成に向けて、ポイ活やネットショッピングで何カ所かのECサイトを経由するなどしてポイントの二重取り三重取りをして、コツコツとポイントを貯めています。そしてその貯めたポイントで株式を購入しています。
先ほど触れた不動産投資には2018年からチャレンジしています。家賃収入を目的とした物件を都内に持っていて、こちらも株式と同じように目先の値上がりによる売却益ではなく、中長期目線で資産にしていきたいと考えています。今は株式の配当金でローンや税金、管理費を賄えているので、手出しはゼロで済んでいます。今後は少しずつ、保有物件を増やしたいですね。「老後2,000万円問題」が話題になったこともありましたが、自分がリタイアしたときのための備えとして捉えています。
マネ活編集部:今後はどのような方針で投資をしていく予定でしょうか?
仔馬:まず、優待投資は今後も継続していきます。一方で視野に入れているのは米国株です。日本市場が縮小傾向にあることを考えると、日本株を積極的に買い進める理由が少ないと分析しています。米国株には優待がありませんが、株主への還元には積極的で連続増配している銘柄や高配当のものが転がっています。そういったところを今後は買い進めたいです。
マネ活編集部:最後に投資初心者の方にアドバイスをいただけないでしょうか。
最初は資金も少ないと思うので、もらったポイントを貯めて投資をするのがおすすめです。貯めたポイントを使うという意味では低リスクで始められるところが魅力です。
実は、比較的少額から始められる単元株もあります。例えば、4万円弱で始められる優待投資にはベルメゾンで有名な千趣会や、丸善ジュンク堂書店を経営している丸善CHIホールディングスなどがあります。どちらも優待券がもらえます。洋服や書籍のような日常的に馴染みのある商品を扱っている銘柄から投資を始めてみてはいかがでしょうか。ご自身の生活や好みにあった銘柄を調べてみると面白いと思います。
※株価や優待内容は取材時点の情報です。
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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