3年間で資産1,000万円を達成した元浪費家が語る、モチベなしでお金を貯める「ほったらかし投資」
7つのステップで進めよう!こうさんに聞く完全初心者が押さえておくべき投資の始め方
近年、中高生にも金融リテラシーを高める授業が行われるようになるなど、学生時代からお金について学ぶ機会が増えています。大人にとっても、教育資金や老後資金など、自分のためにお金について学ぶことは重要です。
しかし、30代以上の私たち大人世代は学生時代にお金について学ぶ機会が少なかったことから、必要性を感じながらも特に何も始められていないという方もいるでしょう。そこで今回は、Instagramで「1日1分!社会人からはじめるお金の勉強」というコンセプトで、15万人以上のフォロワーにお金の勉強についての情報発信を行うこうさんに、初心者が押さえておくべき投資の始め方について、お話を伺います。
完全初心者向け、投資スタートまでの7つのステップ
マネ活編集部:完全な初心者が投資を始めるには、どのようなステップを踏めばいいでしょうか。
こうさん:今回は、7つのステップに分けて説明していきます。
1 現状を知る
こうさん:1つ目は「現状を知る」こと。これがないと先には進めません。この現状というのは、収支だけではなく純資産も含みます。口座残高と保有しているポイントも含め、書き出してみましょう。負債はクレジットカードの未払い分、ローン、奨学金などですね。これらをあわせて出して棚卸し、差し引いて純資産がどれぐらいあるのかを可視化します。
初心者の方の中には、現状の把握ができていない方も少なくないでしょう。現状がわかるようになると、お金が貯まっていない人は危機感を覚え始めると思います。これがファーストステップです。
2 目標を決める
こうさん:2つ目は自分にとっての目標を決めること。最初はざっくりでいいので、いつまでにいくら貯めたいのか、その目的は何なのか、期限と「何のために」を明確にしましょう。
例えば今30歳で、40歳で1,000万円の家を建てたいと目標を立てる。それに対し、今は手元に100万円しかないとなると、10年で900万円を貯めないといけないと課題がわかるようになります。
マネ活編集部:具体的な目的があるわけではない人はどうしたらいいでしょうか。例えば、老後資金を貯めたいといった話になると、長期的かつ金額が大きくなるので、初心者ほどイメージがしづらいのではないかと思うのですが。
こうさん:おっしゃるとおり、老後に2,000万円となると遠い話になりすぎて「今のほうが大変だし」という気持ちになり、結局考えないというスパイラルに陥ってしまう人が大半だと思います。
きちんと老後資金を貯めていきたいのであれば、ライフプランシートを作るのが良いでしょう。自分で作れるホームページもありますし、ファイナンシャルプランナーに相談する方法もあります。
「そこまでやるのは…」という話であれば、まずは自分で期限を決め、100万円を貯めることを目標にしてみましょう。家計の金融調査によると、20代の単身者のうち貯蓄がゼロという人が4割もいて、意外と貯められている人は少数派なんですよ。40~50代でも4人に1人はゼロだったりします。貯蓄体制が作れれば貯めていけるようになるので、100万円も大変そうと思う方は、まずは50万円からでも良いので貯めるという成功体験を積んでほしいです。
3 支出環境を整える
こうさん:現状を把握し、目標を立てた次は、支出環境を整えることです。収支を見て「これではいけない」と思う人が多いのではないかと思いますので、最適化していきましょう。
例えば、不要なサブスクの解約、スマホや保険の見直しですね。私は、電気代とガス代、あとは買い物をする日を見直しました。楽天市場で買うことが多いので、買い物をする日をお買い物マラソンなどのキャンペーンがあるときなど、お得に買える日に決めました。
4 金融環境を整える
こうさん:次は金融環境を整えることです。まずは、銀行の口座とクレジットカードを整理しましょう。銀行口座は5つに分けます。生活用口座、生活防衛費用口座、特別費用口座、貯蓄用口座、投資用口座の5つですね。
一方、クレジットカードはできるだけ支払いを集中させます。基本的に使うメインカードは、ポイント獲得が年会費より上回るようであれば年会費がかかるカードでもOKです。
5 マインドを整える
こうさん:次にやるのは、マインドを整えることです。投資はギャンブルだと思っている人がいるので、そうではないと理解するためにも正確な知識を学びましょう。本、動画、SNSでの発信など、無料でもいろいろと学べるので、どうすれば資産を増やしやすいのか、頭に入れていきます。情報収集方法については、後ほど詳しくお話しますね。
6 投資環境を整える
こうさん:投資用となる証券口座を開設しましょう。つみたてNISAやiDeCo、クレジットカード積立など、少額から投資ができる口座を作ります。
7 投資の設定をする
こうさん:最後は投資信託の設定です。積み立てで月にいくら買うのか設定しておけば、あとは自動的に投資されていくだけ。この7つのステップを押さえておけば、初心者でも貯められるのではないかと思います。
本・動画・SNS…完全初心者向け勉強術とは
マネ活編集部:ここでは、先ほどのお話の「マインドセット」のところでもあった、勉強や情報収集についてお聞きしたいと思います。本や動画、SNSなどといったお話でしたが、初心者におすすめの方法はありますか?
こうさん:個人的には関心のある媒体から入れば良いと思っています。本好きなら本でいいでしょうし、ネットサーフィンが好きなら、政府が中学生・高校生向けに出しているサイトがあるので、そちらを見てみるところから始めたらいいでしょう。
マネ活編集部:こうさん自身は何で学んでいったのでしょうか。
こうさん:個人のお金に関しては本から学んでいきました。書籍は編集者をはじめとした複数の人の目が入っているので、本を読むことに抵抗感がない人、本を読む時間がある人は本からスタートするのが確実な情報を得やすいとは思いますね。
マネ活編集部:SNSは個人発信のものが多くなるので、情報の正誤判断が難しそうですよね。
こうさん:そうですね。SNSから情報を得るときは、1人の発信に偏って情報収集しないことが重要かなと思います。ある程度フォロワーのいる人を見て、3人ぐらいを同時に追っていくと良いでしょう。きちんとした発信者は、そんなに言っていることに大きな違いはないと思います。基本は低コスト・長期投資・分散投資の3つですから。
あと、勉強するよりも先に実際に投資を始めてしまっても良いと思っています。今は証券会社や商品によっては100円からでも投資できるので、失敗しても許せる範囲でスタートしてみる。そうすると、本を読んだときの理解度も格段に上がります。個人的には、手始めに100円投資に踏み出すほうが、本を1冊読むよりも効果があると思っています。キャンペーンで1株プレゼントといったものもあるので、そういう機会を探してみるのもいいですよ。もらえるものでチャレンジすれば無傷ですからね。
マネ活編集部:「ここまで勉強してからじゃないと」というわけではないんですね。今、貯蓄がまったくないという方の場合は、やはりある程度貯金が貯まってから投資するほうがいいのでしょうか。
こうさん:いえ、個人的には必ずしも生活防衛費を貯めてからじゃないといけないとは思っていません。月に1万円貯金をするなら、半分を現金、半分を投資でもいいと思います。いきなり過剰に始めない、小さくても良いからまずは始めるのがポイントですね。
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こうさんに聞く初心者にありがちな失敗&回避策
マネ活編集部:初心者にありがちな失敗談と、回避するための方法について教えてください。
こうさん:よく見られる失敗は、リスクを過剰に取ってしまうことですね。経験値がないときによく陥りやすいのですが、お金が増えると思ったときに一気に投資をしてしまう人がいるんですよ。そういう人は、暴落が起こったときに精神的に耐えられず、長期投資のつもりだったのが短期投資になってしまうんですね。それで、暴落からの回復分を取れなくなってしまう。その経験から「投資はやっぱり怖い、二度とやらない」と頑なになってしまうんです。
まず、暴落は必ず起こる、くらいの気持ちで投資を行いましょうそういうものだという精神で取り組んだほうが良いです。「今、投資しないとチャンスを逃すのでは」と思う人もいると思いますが、一気に現金を手放してしまうと、暴落からの回復時に買い足せなくなります。これはもったいないことであると理解しましょう。
暴落では3~5割、株価が下がるので「5割下がったときにどうするの?」と自分に問い、答えが出ないなら手持ちの資金をすべて投資に回さず、一部は現金で持っておいたほうが良いです。財産をどうしたいのかや、その人の年齢によっても変わってくる話ではありますが、長いスパンで見るならば、株価が下がったときをチャンスだ、嬉しいと思える精神状態でいられるほうが良いですよ。
マネ活編集部:ほかには何かありますか?
こうさん:誰かに言われたからやる、というケースですね。「あの人が言っていたから買ったのに、株価が下がった。あの人のせいだ」となるのは、投資の本質を考えるともったいない話です。参考にするのは良いですが、最後に選ぶのは自分です。発信者は成功していても、その人と同じ家族構成、収入支出なわけではない以上、自分がそのとおりやって成功するとは限りません。その人自身が好きなのと、その人と状況が似ているのとは別の話です。
お金発信系の発信者の多くは、すでに資産形成ができている層です。初心者とは違う状況なわけですよね。そのため、現状では真似しようにも真似できないことをやっていたりする。参考にするときには、自分の状況に近しい人の考え方を採り入れてみるのが良いかなと思います。
マネ活編集部:他責にしてしまうと、失敗が自分の学びにもならなさそうですね。
こうさん:そうなんですよ。自分で考えた結果の失敗なら、次の対策も考えやすいのではないかと思います。
あとは、儲け話には乗らないことですね。初心者には「こういう株がいいですよ」という情報が寄ってきやすいのですが、上がり下がりには旬があるもの。個別株は面白いですが、大きく手を出してみるならば、自分でしっかりと調べてからにしましょう。
急がず比べず、目標を決めたらコツコツと投資を続けよう
マネ活編集部:改めて、初心者が投資を始める前に知っておきたいことについて、こうさんだから言えることを教えてください。
こうさん:20代前半で、これからお金を貯めていこうという初心者の自分に対して何か言うとするならば「急にお金持ちにはなれない」「急ぐと失敗するから、身の丈に合った積み立て方法で人と比べずコツコツやろう」ですね。
あとは、選択肢を持てる投資スタイルでやること。繰り返しになりますが、投資は20年30年と長くやっていくものです。投資に全振りするのではなく、自己投資にもお金を回したほうがいい時期もあるでしょうから、その時々でバランスを考えられると良いですね。
あと初心者にいえるのは、一喜一憂しないこと、無駄なコストを払わないことでしょうか。
まずは一喜一憂しないこと。増えたからといって、自分だけが増えているわけではありません。物価の高騰や円安などを考えると、実際はそんなに増えていないというケースもあります。増えた減ったで一喜一憂せず、これはただの数字だと思って目標に向けて淡々と続けましょう。数字の変化に影響され、解約したり追加したりと、踊らされないことです。喜びや落ち込みといった感情は行動のトリガーになりやすいんですよ。そこが注意ですね。
無駄なコストを払わないことに関しては、主に保険の見直しなどがあります。投資型保険もありますが、実は掛け捨ての保険と投資積み立てを組み合わせたほうが良いパフォーマンスが出せるといったことがあるんですよね。コストの高低を比較して選択してほしいです。
最後に、投資をスタートさせて、慣れてきたなと感じ始めたら、ぜひ一次情報を見に行ってみてくださいとお伝えさせてください。大元の情報は英語なこともあり、ハードルを感じる人もいると思います。二次情報は見やすくまとめられていますが、その分フィルターがあるんですよね。例えば企業の決算も、IRの決算書を見て、売上が上がった分野まで細かく見てみる。その癖がつくと判断できる材料が増えますよ。
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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