節約したら運命の人と巡り会えた!?――ものまね芸人みはるさんが語る“楽しい”節約術
人生に訪れるピンチの中でも、経済的な苦境ほど、気持ちをすさませる経験はそうないかもしれません。しかし、2018年にMr.シャチホコさんと電撃結婚を果たしたものまね芸人のみはるさんは、「節約するからには楽しまなくちゃ」と言います。どのように楽しんでいるのでしょうか。お話をうかがいました。
もくじ
・季節のものを使ってお得にボリュームアップ
・無駄ではなかった2度にわたる壮絶な節約生活
・楽しく節約すれば夫からも感謝される
・節約したら、旦那さんができた!
季節のものを使ってお得にボリュームアップ
マネ活編集部:昨年ご結婚された、ということで、おめでとうございます。生活がひとりからふたりに変わったことで、経済的に変化はありましたか。節約術も合わせてお聞かせください。
みはるさん(以下、みはる):水道光熱費が少し上がりましたね。節約術というほどではないかもしれませんが、ふたりで一緒にお風呂に入るようにしています。追い焚きができないので、入れ終わったらどんどん冷めちゃうので……。
マネ活編集部:さすが!新婚さん!
みはる:食費は節約料理のレパートリーがあるので、かなり抑えられているんじゃないかな、と思います。
マネ活編集部:どんな工夫をしているのか教えていただけますか。
みはる:お手頃価格になっている旬の野菜を手に入れて、それを使い回すようにしています。例えば冬であれば白菜や大根が安いですよね。白菜をまるごと買ってきて、お好み焼きに入れたり、シチューにしたりと7種類ぐらいの料理を一つの食材でまかなうことで、ボリュームが有りつつ飽きさせないような献立を考えています。
マネ活編集部:7種類ですか!
みはる:これからの季節なら、キャベツもいいですね。茹でてから安いハムとキャベツを交互に載せて、丸めてパン粉を付けて揚げれば、フェイクミルフィーユカツになります。
あとは、いつでも安く手に入る食材も使えるといいですよね。卵をフル活用して、トンカツが入っていないカツ丼風にしたり。エノキダケは年中リーズナブルなので、先程の白菜と組み合わせ、「エノキダケの白菜ロール」にして楽しんでいます。
マネ活編集部:それはおいしそうです。味付けは何を使うんですか。
みはる:これには焼肉のタレを使いました。焼肉のタレって、普通は焼き肉をするときぐらいしか使わないじゃないですか。だから何となく脳が「焼き肉も一緒に食べた」と錯覚してくれるというメリットもあるんですよ。
マネ活編集部:わかるような気がします(笑)。
みはる:調味料はできるだけ使い回せるようなものを用意しています。先程の焼肉のタレは、人によっては「ちょっと高いよね」と思うかもしれませんが、あれ1つでほかの調味料はいらなくなる。味付けが完成するんです。そう考えると逆にリーズナブルなんですよね。
あとは、麺つゆもお役立ちアイテムですよ。卵焼きや炒めものなど、ちょっと和風なものを作りたいときに、これ1本で済むので、こちらもやっぱりお得度が高い調味料ですね。
マネ活編集部:麺つゆや焼肉のタレは、使い切れないイメージがあります。
みはる:そうですね、よくそう言われます。でもそれ、大瓶を買っていませんか? 大人数の家族なら使い切れるでしょうけれど、うちみたいにふたり家族ではそうはいきませんよね。余らせてしまっては逆にもったいない。なので、麺つゆなどは250ml程度のできるだけ小さい瓶のものを買うようにしています。これなら冷蔵庫で場所を取ることはありませんし、冷蔵庫に入れておけば、1~2カ月は余裕で保ちますよ。
マネ活編集部:単価で考えるとお得だと思って、いつも大瓶を買ってしまっていましたが、実際は小瓶にしたほうがお得なこともあるんですね! 目からウロコが落ちるようです。
みはる:あとは、汎用性の高い醤油、塩、砂糖などはそろえておきたいですね。それから、顆粒状のだしもあると料理のレパートリーが広がりますよ。
マネ活編集部:みはるさんの今の生活の中で、最も節約につながっていることって何でしょうか。
みはる:今、8畳のワンルームに住んでいるんですが、それが最も節約につながっているんじゃないかと思います。「ふたりでワンルームは狭くない?」と思うかもしれませんが、同じ部屋の中にいても、わたしがこっちの隅にいると、あっちの隅にいた旦那がこちらに来るぐらいですから。
それに、今の空間に入り切らないものは買わないようにしています。どうしても必要なときは、使用頻度の低いものを売る。広い部屋だと、スペースがあるからと無駄遣いしてしまうので、やっぱりワンルーム住まいは最も節約につながっていますね。
無駄ではなかった2度にわたる壮絶な節約生活
マネ活編集部:みはるさんは、爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャルでMVPも取られています。今ではベテランの芸人さんでいらっしゃいますが、かなり節約しなければいけなかった時期もあるとお聞きしています。
みはる:最初に節約に目覚めたのは、学生時代の頃でしたね。袋麺がとても安く買えたので、それだけで1週間しのいだりとか、友人からもらったお菓子でしのいだりとか。
でも、栄養失調になってしまって、ブドウ糖の点滴を打たなければならなくなってしまって。「食べるものは大切なんだ」とそのときに身をもって実感しました。
マネ活編集部:それは壮絶な経験ですね。
みはる:でも、もっとつらかったのは、東日本大震災後のことです。自粛ムードで数カ月はお笑いのイベントなどが開催できなかった。お金になる仕事が数カ月ほどなくなってしまったんです。
それまでも、特に浪費するほうではありませんでしたが、このときは食べるのもままならないほどでした。とはいえ、学生時代の経験から、食事だけはきちんとしないといけないという意識があり、どうしようか、ということで泣く泣くCDを売ることにしたんです。
仕事でものまねをしているため、かなりの数のCDを持っていたんですよね。それを一旦整理して、半分以上売りました。これが最も辛い“歯を食いしばるような”経験になりました。
マネ活編集部:学生時代の「節約しても食事だけはきちんととらないといけない」という意識が節約料理レシピの開発につながったんですね。ところで、残したCDもあったんですね。
みはる:ミスチルだけは好きすぎて売れませんでした(笑)。
マネ活編集部:そしてMr.シャチホコさんにつながるんですね。
みはる:ふふふ。
楽しく節約すれば夫からも感謝される
マネ活編集部:かなりつらい状況もおありだったようですが、節約術を身につけて一番良かったことといえば何になりますか。
みはる:食事の大切さに気づけたことでしょうか。そのおかげで、レパートリーが増えましたしね。
マネ活編集部:料理上手なのはうらやましいです。
みはる:旦那も食べるのが好きですしね。最初に部屋に来て食べた、家庭的な茶色系統のメニュー、いわゆる白米に合うおかずですが、それをとても気に入ってくれたみたいで。後から「胃袋をつかまれた」って言ってくれました。ありがたいことです。
マネ活編集部:だとすると、節約術を身に着けて一番良かったことって……、
みはる:結婚できたことかもしれませんね(笑)。
節約したら、旦那さんができた!
マネ活編集部:結婚されてからも、節約メニューが役に立ったわけですしね。
みはる:そうですね。節約メニューと言えば、結婚したての頃の旦那の収入は、バイト代だけで、それでもきちんと家に入れてくれていました。周りからは「ベテラン芸人にくっついた若手芸人」と見られがちでしたし、本人も女のお金で生活している、とは思われたくないだろうと考えて、生まれたのが節約メニューだったんです。
旬の野菜を使ったボリュームのあるメニューや、ハムなどを使って彩り良く見えるものなど、節約している雰囲気を出さないようなレシピがどんどん生まれましたね。
悲壮感を出さないように、普段の食事では安上がりだけで見栄え良く、先輩や後輩の芸人、または夫婦で外食をするときは「よし、食べよう!」という感じで、締めるところは締めて、遊ぶときは遊ぶ、という具合にメリハリをつけていました。節約は楽しみながらじゃないと。貧相だったりギスギスしていると、心まで貧しくなっちゃいますよね。
マネ活編集部:節約メニューはそういう背景から生まれたんですね。
みはる:やっぱり男の人だから、奥さんが働かなくてもいいぐらい稼ぎたいと思うでしょうから、「あなたの稼ぎで、これだけのものが食べられているんですよ」というメッセージを食事から読み取ってもらえるようにしていたんです。
マネ活編集部:旦那さんが卑屈にならないように。
みはる:そうですね、だからでしょうか。最近、旦那から「普段の食卓を豪勢なものにしないでいてくれてありがとう。厳しくしてくれてありがとう」って感謝してもらえました。
マネ活編集部:楽しく節約していたら、結婚できたうえに、旦那さんから感謝されて夫婦仲も良くなったんですね。
みはる:「お金ないなぁ。きついなぁ。つらいなぁ」って思いながらの節約は、心の負担になりますし、自信も失わせますからね。いろんな節約術があると思いますし、人それぞれですが、わたしはこれからも「楽しくなければ節約じゃない」をモットーにしていきたいですね。
マネ活編集部:いいお話を聞かせてくださり、ありがとうございました。
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