生命保険料控除とは?いくら戻るのか、計算方法や適用限度額をわかりやすく解説
帝王切開の基礎知識 帝王切開になるケースや費用などを解説
重要なライフイベントのひとつと言える出産。データでは帝王切開のケースが年々増えています。ここでは帝王切開の基礎知識に加え、出産費用や受け取れる保険などを解説。医療保険加入時の注意点についても取り上げています。
もくじ
・帝王切開はどのようなときに適用される?
・帝王切開は保険の対象になるって本当?
・民間医療保険を確認
帝王切開はどのようなときに適用される?
出産には、自然分娩(経腟分娩)と帝王切開の場合とがあります。自然分娩は赤ちゃんが母親の産道を通って出てくる出産方法です。一方の帝王切開は、子宮を切開することによって赤ちゃんを取り出す手術になります。
では帝王切開による出産は、どれくらい行われているのでしょうか。厚生労働省が平成26年に発表した、医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況で知ることができます。一般病院での出産における帝王切開の割合は、平成26年で24.8%。27年前にあたる昭和62年では9.9%で、約2.5倍になっているのがわかります。帝王切開による出産は他人事ではありません。
帝王切開のなかにも2つのケースがあります。予定帝王切開と緊急帝王切開です。定期健診などで、あらかじめ自然分娩(経腟分娩)が難しい・リスクがあると判断される場合に行われるのが予定帝王切開。お産の途中で何らかのトラブルが発生し、経膣分娩のままでは危険と判断される場合に行われるのが緊急帝王切開です。
予定帝王切開になるケースとしては、まず「さかご」があります。通常お腹の赤ちゃんは頭を下にした姿勢になりますが、さかごでは頭が上の状態です。母親の骨盤の大きさなどから、経腟分娩が難しいとなると予定帝王切開になります。
ほかにも双子や三つ子などの多胎妊娠、妊娠高血圧症候群などでは帝王切開が選ばれるでしょう。また、一度帝王切開による出産をすると、二人目以降も帝王切開になる可能性が高くなります。
帝王切開は保険の対象になるって本当?
帝王切開に関するお金について、最初に健康保険や国民健康保険といった公的医療保険から受け取れるお金を確認してみましょう。自然分娩・帝王切開の場合ともに、42万円の出産育児一時金を受け取ることが可能です(医療機関が産科医療補償制度に加入していない場合40.4万円)。また、自然分娩と異なり帝王切開は療養の給付の対象となり、費用は3割負担となります。
自然分娩の場合どれくらい費用がかかるかについては、国民健康保険中央会のデータがあります。平成28年度における正常分娩分の平均的な出産費用は、 50万5,759円でした。入院日数は6日。これは入院料・室料差額・分娩料・新生児管理保育料・検査・薬剤料などを含む数字です。
帝王切開についての費用は、厚生労働省の診療報酬で確認できます。平成30年度のデータによると、緊急帝王切開の場合22万2,000円、予定帝王切開で20万1,400円です。保険が適用されるため3割負担となり、約6万円と計算できるでしょう。入院日数が7日~10日と長く、保険が適用されない費用もあるので、その分も見ておく必要がありそうです。
・これらをふまえた帝王切開の費用
総合すると予定帝王切開の場合、自然分娩の費用に帝王切開で支払う金額を加えた56万円程度が見込まれます。高額になりますが、出産育児一時金の直接支払制度を利用することで窓口での支払いを差額のみにすることが可能です。たとえば出産費用が56万円で出産育児一時金が42万円の場合、窓口での負担は14万円ということになります。
公的医療保険の高額療養費制度を活用すると、窓口での負担がさらに減ることも。所得や年齢に応じて自己負担の限度額が決められており、限度額を超えた分については払い戻しを受けることができます。
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民間医療保険を確認
帝王切開の場合、民間の医療保険に加入していれば、各種給付金を受け取ることができます。入院給付金が1日5,000円だとすると、7日間の入院では3万5,000円受け取れます。ほかにも手術給付金として一時金10万円があれば合計13万5,000円になり、おおよその部分をカバーできるのではないでしょうか。女性保険への加入や女性疾病特約の付加により、帝王切開での出産費用に対し、より手厚く備えることもできます。
注意したいのは、医療保険への加入時期です。妊娠していることがわかる前に加入するか、わかったあとで加入するかで違いが出てきます。医療保険加入の際には告知が必要です。妊娠していれば、特定部位の不担保という条件がつく場合があります。条件がつくと、帝王切開についての給付が一定期間受けられません。また、一度目の帝王切開のあとで加入する場合も、不担保となる可能性があります。加入の前によく確認しておきましょう。
大きなライフイベントとなる出産ですが、自然分娩になるか、帝王切開となるかはそのときになるまでわかりません。いずれにせよ費用は多くかかり、早めに備えておくことが大切です。民間の医療保険は妊娠前の加入を検討するほか、保険がきくことや出産育児一時金が受け取れることなどを知っていれば、安心の材料になるでしょう。
参考サイト
・厚生労働省|平成26年(2014)医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況 2019.6.20
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/14/dl/gaikyo.pdf
・国民健康保険中央会|正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度) 2019.6.20
https://www.kokuho.or.jp/statistics/birth/lib/h28nendo_syussan1-4.pdf
・厚生労働省|医科診療報酬点数表 2019.6.20
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000193524.pdf
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