学資保険には入るべき? メリット・デメリットのまとめ

リリース日:2018/08/14 更新日:2024/09/12

子どもの教育費用に備えるための学資保険。各保険会社からさまざまな商品が販売されています。通常の預貯金の利率と比べ、返戻率が高いのが人気の理由です。しかし、必ずしも学資保険に入ったほうがいいというわけではありません。学資保険の基礎知識について、メリットとデメリットを含めて解説します。

学資保険には入るべき? メリット・デメリットのまとめ

学資保険とは

学資保険とは

文部科学省が実施している平成28年度子供の学習費調査によれば、幼稚園から高校まですべて公立に通うと約540万円、すべて私立に通った場合には約1,770万円の学習費がかかるとされています。

 

さらにここから大学に進学すると、国立大学で約214万円、私立大学文系で約362万円、私立大学理系で約496万円かかることに。ただしこれは授業料と施設設備費の目安で、一人暮らしをするとなるとさらにお金がかかるでしょう。

 

こうした多額の出費に備えてお金を積み立て、まとまった教育資金が必要となるタイミングで保険金を受け取るのが学資保険の流れ。具体的には、子どもが赤ちゃんのうちから毎月決まった額をコツコツ積み立て、大学入学に合わせて満期保険金(満期祝い金)を受け取るのが一般的です。

学資保険はいつから入るべき?

学資保険はいつから入るべき?

子どもの年齢が低いほど高い返戻率が期待できるため、入るのであればできるだけ早く入ったほうがお得です。妊娠中から入れる学資保険も少なくありません。

 

また学資保険には年齢制限があり、3歳を超えると選択の幅はぐっと狭まります。小学生でも入れる学資保険はありますが、毎月の支払額が高くなり、返戻率も低落。まとまった資金があるなら、全期前納払いをおすすめします。これは、払い込むすべての保険料を一括で支払う方法。毎月払いと比べて返戻率が高くなるため、遅れて入っても取り戻せる可能性があります。具体的な金額や返戻率はインターネットには載っていないことがほとんどです。保険会社に相談してシミュレーションしてもらいましょう。

学資保険のメリット

学資保険のメリット

・預貯金に比べて利回りがよい

近年の低金利で、定期預金をしていてもほとんどお金が増えません。一方で、学資保険のなかには返戻率110%という商品があります。100万円を払い込んだら満期に110万円が戻ってくるということ。100万円を1年間定期預金に預けても80円しか利息がもらえない時代ですから、この返戻率は大きな魅力です。

また、預貯金の利息からは税金がとられますが、学資保険の給付金では税金がかからないケースがほとんど。具体的には、給付金と支払った保険料の差が50万円以下なら税金がかかりません。先ほどの例でいうと100万円を払い込んで110万円を受け取った場合、10万円の差なので税金はかからないということになります。

 

・もしもの備えもついている

途中で親が死亡してしまったら、それ以降は学資保険の支払いが免除されます。それでも保険金は予定したとおり受け取れるので、教育資金にあてることが可能です。

 

・生命保険料控除が受けられる

学資保険は生命保険料控除の対象になります。ただし、生命保険料控除には上限があるため注意。ほかに生命保険に入っていたら使えない可能性もあります。

学資保険のデメリット

・換金性が低く、元本を割ることも

一番の問題は、換金性が低いこと。普通預金ならいつでも引き出して使うことができますが、学資保険に支払ったお金は基本的に満期まで戻ってきません。

やむを得ず途中解約をすることはできますが、受け取れる金額が支払った保険料を下回り、損をしてしまう可能性があります。

 

・ペイオフのような保証がない

金融機関が破綻しても、普通預金や定期預金は1,000万円まで保護されます。学資保険はそのような保証がないので、万が一の際にお金が戻ってこないかもしれません。

 

・インフレに対応しづらい

学資保険は固定金利なので、金利が上がり、変動したとしても契約時の金利のままです。学資保険よりも魅力的な商品が出たとしても、乗り換えるのは難しいでしょう。

学資保険の選ぶときにチェックしておきたいポイント

学資保険の選ぶときにチェックしておきたいポイント

・返戻率

まず見ておきたいのが返戻率です。とにかく貯蓄目当てという方は返戻率が高いものを選ぶと良いでしょう。保険会社に「返戻率が一番高い商品を教えてください」と問い合わせてみるのもいいかもしれません。

 

・ついている保障

保護者が死亡したあとの支払い免除をはじめ、子どもの医療保障や死亡保障など、学資保険の商品によってはさまざまな保障がついています。保障をたくさんつけると返戻率が下がるので、必要な保障だけを選ぶようにしましょう。

 

・払込期間

いつまで保険料を支払うかというのも重要なポイント。早めに払い込みを終えたほうが返戻率は上がりますが、そのぶん毎月の支払額が大きくなるでしょう。

 

・保険金の受取時期

受け取る時期はできるだけあとにまとめたほうが返戻率は上がりますが、必要なときに保険金がもらえないのでは意味がありません。いつお金が受け取れるのか、きちんと確認しておきます。

ケースバイケースで考えて

子どもができたら学資保険に入るのは当然と考えている人もいるかもしれませんが、学資保険はメリットばかりではありません。リスクやデメリットを理解したうえで加入することをおすすめします。

 

そうはいっても高い返戻率は大きな魅力。特に、貯蓄が苦手な人にとっては毎月自動的に貯めることができるのでとても便利です。無理のない範囲で支払額を設定して、コツコツ積み立てていきましょう。




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宮島ムー
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)/宅地建物取引士
宮島ムー

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

関西に住む子育て中の主婦です。 お金や不動産に興味があり、日商簿記1級・FP2級・宅建などの資格を独学で取得しました。 記事ではなるべく専門用語を使わず、わかりやすく説明するよう心がけています。

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