マンションを購入して理想の暮らしを手に入れた私が、これからマンションを買う人に教えたいお金周りのこと
中古マンションを購入した在華坊さんが、マンションを購入する際にお金まわりのことをどのように考えて準備したきたか紹介します。「若いうちからお金のことを考えていれば、選択肢を増やすことができたのではないか」とも語っています。
※記事中の写真はイメージです
こんにちは、在華坊と申します。Twitterやブログで遊んでいることの多い、出張多めの会社員です。
2021年の夏、共働きの妻とペアローンで中古のマンションを購入しました。
マンション購入を検討している人は知っているかもしれませんが、2022年現在、バブル期超えともいわれるほど住宅相場の値上がりが続いています。正直、今は買うべきタイミングなのか? との迷いもありました。しかし、結果としては立地も住み心地も大いに満足しています。
とはいえ、物件を探す中で予算オーバーながら魅力的な物件と出会い、若い頃から、もっと貯蓄や運用など真面目に考えていれば……という後悔があったのも事実です。
今回は、40代半ばになってからまともに人生とお金に向き合うようになった私が、マンションを購入するにあたってお金まわりのことをどのように考えて準備をしてきたか紹介します。
私よりもっと若い世代の人の中には、生活環境やライフステージが変わるなどで、マンション購入を検討している人もいるかと思います。
私自身、「もっと若いうちからお金のことを考えていれば、もっと選択肢を増やすことができたのではないか」と思っていますので、この記事がそのような人たちの参考になれば幸いです。
マンションを買おうと思ったきっかけ
お金周りのことを話す前に、まずは「そもそも、なぜマンションを買おうと思ったのか」について少しお話したいと思います。
マンションを買う前に妻と一緒に住んでいたのは、賃貸のマンションでした。かなりの築古で不便な坂の上にあったので、周辺相場に比べても家賃は相当安い物件。
私たち夫婦は歩くのが好きで、坂の上もあまり気にならず、眺望の良さも借りるときの決め手になりました。海外旅行やおいしいご飯など、お互いの共通の趣味にもお金をかけたいと思っていたので、家賃は安いに越したことはなかったのです。
いつまでも賃貸でいいのだろうか
結婚してからも気に入って住んでいましたが、コロナ禍で自宅にいる時間も増える中、「いつまでも古くて冬は寒い部屋に住むのか」「いつまでも賃貸でいいのだろうか」と考えるようになりました。
購入を考える一つのきっかけは、同じマンションの別の部屋が売りに出されたこと。20年分の家賃で買えてしまうのなら「買う」という選択もありでは……? と、購入に興味がわきました。
また、近所の土地が再開発されて分譲住宅が売りに出されるという話もあったことから、周辺の物件相場をネットで検索する日々が始まります。
そのほかにも、Twitterで知り合った人のマンション探しを日々目の当たりにするようになったこと、会社で少し昇格して給料が上がったこと、近隣で魅力的な新築マンションの販売が始まったことなど、さまざまな事象が重なり、本格的に家探しをしていくことになるわけです。
マンションがいいのか、一戸建てがいいのか
購入の検討段階では、一戸建ても考えてはいましたし、実際に内見もしました。しかし、私たちの予算感で一戸建てを求めると、もっと郊外に行くか、住んでいる賃貸物件に近い希望エリアで狭小住宅を選択するかの2択となります。
お互いの通勤の便利さや、さまざまな個人飲食店や商店が近くにあってほしいという理想の生活スタイルを考えれば、庭もあるような郊外の物件は今は選択しづらく、候補から消えていきました。
では、狭小住宅はどうかと考えると、同じ予算でも総床面積そのものはマンションよりも広い場合が多いです。
でも、テレワークで快適に過ごせる場所が欲しいのに、上下移動が多く、空間の広がりを感じにくい一軒家は逆行するのではないか、マンションに比べて断熱性能などが見劣りするのはどうなのか、と考えてしまいます。
また、戸建ての大きなメリットとして、駐車場を借りる費用がかからないことが挙げられますが、自動車を持っていない私たちにはその点も関係ありませんでした。そういうわけで、一軒家は検討外となりました。
新築マンションにするか、中古マンションにするか
結果的に中古物件を購入しましたが、マンションを探すにあたって、新築を除外していたわけではありません。
最初にモデルルームを見に行ったのは新築マンションでした。ファミリー層に敬遠されそうな立地であったため、比較的価格が抑えられていて、凝った内装や充実した共用設備を売りにしたマンションでしたが、自分達には刺さらなかったので見送りました。
そして、それ以外に検討した新築物件はとにかく高い。世界的なインフレの影響を受けて、資材費はかつてない値上がりをしています。
熟練の職人が引退し、人件費も高騰。新築マンションはそれらの費用がダイレクトに反映されますし、それでも売れてしまう市況が値上がりを後押している状況です。
「どうしても新築マンションに住みたい!」という方なら新築にすれば良いと思いますが、そこまでこだわらないのであれば、中古を選ぶアドバンテージが大きい時期なのではないでしょうか。
最新式の仕様を採用した新築マンションをお金に糸目を付けずに買えるなら良いですが、そうでなければ、資材費の高騰などを受けて、同じ価格でも新築の仕様は若干原価の安いものになっている傾向があるようです。
中古の方が築年数は経過していても、当時の資材費や人件費を反映して、仕様的にははるかに上質なマンションがいくらでもあります。新築の値上がりにあおられて中古マンションの価格も上がってはいますが、それでもまだまだ、中古のアドバンテージがあると思います。
マンションを買うために学んだお金のこと
ここからは、マンションを購入するにあたって学んだお金周りのことについて説明していきます。
ここまで書いておきながら、実は私自身「マンションを購入する」とは思ってもいませんでした。
2008年のリーマン・ショック後に実家の家業が傾き、ローンの残った自宅を売ろうか……などと毎月暗い家族会議が行われていた時期もあったため、何十年も返し続ける住宅ローンなど考えも及ばなかったのです。
そもそも「宵越しの銭は持たない」タイプで、あればあるだけ使ってしまっていたため、40歳を過ぎてもまともに貯金もない始末。保険も最低限の傷害保険と生命保険だけ。
妻と同居を始めてから、「あれ? 二人暮らしだと生活費を折半できるし、飲みに行く回数も減ると、お金ってちょっとずつだけど貯まるんだな」と思ったくらいです。
そんな金銭感覚だったので、家を買うにしても築40~50年くらいのマンションを安く買って、ちょっとリノベして、死んでしまう頃に取り壊されるならいいか、といったぼんやりとした考えしかありませんでした。
しかし真面目にマンション購入を考えて、マンション相場を見ていると、築古の物件購入ですら夢のまた夢だと気付きます。
そこでやっと「自分はいくらまでならマンションのお金を払えるのか?」というところからスタート。結婚後、数年が経って初めて、妻とお互いの年収と貯金額を開示することにもなり、妻が私よりはるかにちゃんとしていることを知ったのです。
【1】住宅ローンの選び方は「人による」ので、仲介会社の話も聞いた方がいい
【2】会社員が住宅ローン減税制度を使わない手はない
【3】「家を購入するときは世帯年収の◯倍まで」という一般論は聞き流していい
【4】初期費用は現金で用意しておく、希望物件のために仲介手数料を惜しまない
【5】マンションのランニングコストである管理費と修繕積立金を意識する
【6】家を買うタイミングは資産形成について考えるチャンスになる
【1】住宅ローンの選び方は「人による」ので、仲介会社の話も聞いた方がいい
【1】住宅ローンの選び方は「人による」ので、仲介会社の話も聞いた方がいい
・専門書籍と不動産仲介会社とでは、住宅ローンの組み方について意見が違うことがある
・住宅ローンは、自分の生活スタイルにあわせて検討するのが一番良い
まずは、手近な本を一冊読んで、住宅ローンの勉強を始めました。
最初に読んだのは、ファイナンシャルプランナーの方が書いた住宅ローンについての本でした。それを読むと、住宅ローンはきちんと頭金を貯めて、「フラット35」の固定金利ローンを借りて、どんどん繰り上げ返済していくもの、という学びになりました。
しかし、実際に不動産仲介会社に行って話を聞いてみると、実態は全然違います。頭金などほとんど入れず、住宅購入金額をフルローンにして、変動金利で借りている人ばかりだというのです。その後、ローンを申し込んだ銀行でも同じような話でした。
不動産仲介会社が違うことを言っているのでしょうか? 本に書いてあることが慎重過ぎるのでしょうか?
これは別に、どちらが正しいわけでもなく、あくまでも「人による」だけの話です。
例えば、私たち夫婦の場合、正社員で共働きで子どももいなかったため、ある程度余裕のある返済計画が立てられるので、不動産仲介会社の言うような方式が得をしそうでしたが、「フラット35」を選択するのが最善の人もいるわけです。
【2】会社員が住宅ローン減税制度を使わない手はない
・住宅ローンは繰り上げ返済をしない方が得をする場合がある
・金利は徐々に上がる局面だが、住宅ローンがお得であることに変わりはない
調べていくと、私たちの場合、35年フルローンで借りて繰り上げ返済もしない方が得をする、という謎の状態が発生することがわかりました。
たとえ頭金に相当するお金を持っていたり、返済能力に余裕があったりしても、積極的にローン期間を短くしない方が良いのです。
どういうことかと言いますと……。例えば私の場合、35年ローンを元利均等で組んで、0.375%の変動金利と0.5%の当初10年固定ローンを半分ずつ組み合わせて、0.4375%の金利でローンを借りました。一方、住宅ローン控除は、年末のローン残高の1%の還付を10年間、額はちょっと減るけどさらにプラス3年間受けられることになっています。
1,000万円借りたとして、金利が変わらなければ、10年後までに支払う利息は38万円、10年後までに受け取る還付の合計は85万円。この時点で繰り上げ返済してしまえば、ローンは終わりです。
一方、同じように10年で返し切るとして、35年ローンではなく10年ローンで同じ金利で借りた場合、支払う利息の合計は22万円、受け取る還付の合計は45万円。
お金を借りるとそれ以上のお金が返ってくる、そしてローン期間を伸ばすほど得をするという政策。下手に繰り上げ返済するよりも、ローン返済はできる限り引き延ばして、その間、余裕のある資金を運用して年1%でも増やすことができれば、さらに得をすることになるんですね。正直、公営住宅の拡充とかもっと別の住宅政策を考えたほうがいいのでは……などと疑問もわくわけですが、とにかく使える制度は使うわけです。
さすがに今年からは住宅ローン減税の制度が改まり、また、住宅ローン金利も長期固定ローンを中心に上がり気味です。
それでも毎年最大でローン残高の0.7%の減税が受けられる制度は、資産形成のことを真面目に考えると目がくらむようです。
月並みの稼ぎの会社員が、数千万円を金利1%やそこら、場合によっては実質金利ゼロやマイナスで借りられる機会なんて、住宅ローン以外に訪れることはそうそうありません。
今後、金利は徐々に上がる局面とは思いますが、それでも住宅ローンがお得であることに変わりはないのではないでしょうか。
【3】「家を購入するときは世帯年収の◯倍まで」という一般論は聞き流していい
・マンションを買う年齢は多様化しており、今後のお金の使い方によって返済計画は変わってくる
・「家を購入する場合は世帯年収の◯倍まで」「可処分所得の◯◯%まで」という一般論は通用しない
「家を購入する場合は世帯年収の◯倍まで」「可処分所得の◯◯%まで」というような話をよく聞きます。しかし、これらは聞き流した方が良いかと思います。
実際問題、自分がこれからいくら住宅費を支払えるかは、現時点の年収では決まってきません。
今後、年収が順調に上がっていくビジョンが描きにくい中、また、マンションを買う年齢も多様で「年収の◯倍」といった一般論は通用しないと思います。
また、子どもが何人いるのか、これからどのような生活スタイルをしたいのかなど、今後のお金の使い方によっても金額は変わってきます。
私たちの場合は、2人とも40代前半であること、これまでのように旅行や外食や趣味にお金を使いたいことを考え、最大でも世帯年収の4倍に抑えることにしました。
選択したペアローンは、離婚したときに揉めるなどネガティブなイメージもありますが、メリットも大きいです。ペアローンとして二人でローンを組んだおかげで、ひとりで借りる場合の倍の住宅ローン控除が受けられました。
お互いに収入が見込めなくなったときにどうするか……など、保険などでリスク回避しつつ、早めに完済する計画を立てています。
実は物件を探している中でものすごく魅力的な物件があったのですが、世帯年収の5倍を超えていたため諦めました。銀行は貸してくれるでしょうし、ちょっと頑張れば返すことも可能です。
しかし、旅行や趣味に使うお金をもっと減らす生活と、その部屋のどちらを選ぶか……と考えると、私たちの価値観としては、家に全振りすることは避けたかった。
これも、私たちが30代前半だったり、私自身が将来に備えて資産運用をしてきていれば、購入する選択も十分にあったと思っています。今まで貯蓄も何もしない生活をしていたことを改めて悔いた瞬間でもありました。
【4】初期費用は現金で用意しておく、希望物件のために仲介手数料を惜しまない
・初期費用は物件価格の10%程度必要となる、現金で用意しておくべき
・希望の物件を確実に購入するためと考えれば、仲介手数料は決して高くない
「貯金がなかった」「頭金がなくても家は買える」とは書きましたが、さすがに丸裸で家が買えるわけではありません。
中古物件なら仲介手数料(400万円以上の物件で価格の3.3%+6.6万円が法定上限)、ローンを借りるための手数料……などがかかります。
私の場合、仲介手数料、ローン手数料、登記費用、リフォーム費用、家電の買い替え、引っ越し費用、火災保険……など合わせると、結局、物件価格の10%弱は初期費用が必要になりました。
仲介手数料やローン手数料に充当はできますが、手付金も必要なことを考えると、10%程度の初期費用は現金で用意しておくべきでしょう。これらのお金も借りられないことはないですが、住宅ローンの金利に比べるとだいぶ金利が高くなります。
仲介手数料は大手仲介会社の場合、当たり前のように法定上限を請求してきます。何らかの紹介などで10%引かれる程度がせいぜいと思った方が良いでしょう。最近は、仲介手数料半額などをうたう仲介会社も多いです。
買うと決まった物件があり、初めから売主の仲介会社に行ってすぐに買うのであれば、たしかに、例えば5,000万円の物件で171.6万円も仲介手数料を払うのは高く感じます。
しかし、私たちの場合、いくつも物件を内見する中で、希望の物件のイメージを固めていく過程が必要でした。そのために2カ月かけて20件以上内見し、そのたびに内見の手配をしてもらったり、住宅ローンの事前審査を申し込んでもらったりしたことを考えると、それなりに妥当な金額とも思えます。
特に中古の場合、物件は運とタイミングの奪い合いです。
売主側の仲介会社とは別の仲介会社を使っている場合、売主側と対等の力関係の仲介会社でなければ、内見をねじ込んでもらうこと自体無理な可能性もありますし、買い付け(物件購入の申し込みのこと)を入れても、売主側の仲介についたお客さんが優先されてしまう可能性もあります。
私たちの場合は結局ポータルサイトにも載っている物件を購入しましたが、本当に良い物件は表には出てこず、仲介会社の紹介で決まってしまう場合も多いようです。仲介会社の担当者を味方につけて、納得するまで物件を探し、希望の物件を確実に購入するためと考えれば、仲介手数料は決して高くないと思います。
一生に何度もあるわけではない大きな買い物、目先のちょっとしたお金に惑わされることなく、本当に欲しい物件を購入するためにはどうするべきか、大局を見てほしいと思います。
【5】マンションのランニングコストである管理費と修繕積立金を意識する
・マンションを購入する場合、購入費用とは別に管理費と修繕積立金が必要
・マンションの長期修繕計画を確認して、ランニングコストを意識する
私たちが新築を見送った最大の決め手は、管理費と修繕積立金の高さです。
マンションを購入する場合、管理人の雇用やマンション共用部の保険などのための管理費と、定期的な大規模修繕に備えた修繕積立金が、購入費用とは別途必要になるのはご存知でしょうか。屋根や外壁の修繕のための費用は必ず必要です。
最近の新築マンションは、人件費の高騰を受けて管理費が高額になる傾向があります。
また、例えば下の階に商業施設が入るタワーマンションだと、住宅分と商業施設分の管理会計が明確に分けられず、住宅だけのマンションよりもランニングコストは高くなる傾向にあります。
新築マンションは、その分、初期の修繕積立金を低く抑えることでコスト感を安く演出しますが、長期修繕計画を見せてもらうと、20~30年後には修繕積立金を5倍以上に設定しているようなマンションがざらにあります。
管理費と修繕積立金だけで、30年後には平米単価1,000円超、例えば70平米のファミリータイプなら、住宅ローンとは別に月々7万円の支払いという可能性もあります。
また、修繕積立金が将来的に高くなる計画になっていても、入居後に結成される管理組合での合意がなければ上げられません。
長期的に暮らすことを想定したファミリーが多ければ、早い時期に修繕積立金をフラットにする合意が取れて、負担は増えるものの安全な長期計画が立てられます。
しかし、投資用物件での購入者や大規模修繕前に引っ越すことを想定した購入者が多ければ、当然、修繕積立金の負担増など先延ばしにしたいわけで、早々に修繕積立金の不足に陥り、安心して長期間住むことができなくなります。
これは中古マンションにも言えることで「修繕積立金が安い! 良かった!」ではなく、長期修繕計画をちゃんと見てみましょう。資材の高騰などを受けて中古マンションの修繕積立計画も見直される可能性があります。
いまの修繕積立金がどの程度まで上がる可能性があるのか、高齢者が多いと修繕積立金の値上げを渋る人が多くて合意が取りづらいのではないか、などなど、ランニングコストをしっかり意識してほしいと思います。
【6】家を買うタイミングは資産形成について考えるチャンスになる
・具体的な目標ができると、資産形成へのモチベーションが高まる
・家を買うタイミングは、資産運用や保険について真面目に考えるきっかけになる
これはマンション購入と直接関係のない話ですが、マンション購入を検討するようになると、資産形成にも興味を持つようになりました。
先ほども触れたように、繰り上げ返済をするよりもローン残高を維持した方が得をするということがわかり、その間に貯めたお金を増やせれば……と考えるようになったのです。
10年後か13年後、住宅ローン減税の期間が終わったときにまとめて繰り上げ返済するために、その間どうやってお金を増やしておこうかという、資産形成へのモチベーションが高まってきます。
明確な目標ができたことで、ようやく、ちゃんとお金のことを考えることになったわけですね。
そんな目標がなくても、ちゃんと資産運用を考えている人から見れば噴飯ものでしょうが、私は具体的な目標を得て初めて、つみたてNISAやインデックス投資について学び始めました。
そしてこの段階で、10年前から海外株でインデックス投資をしていれば、ものすごく簡単に資産は増えたのだなあ……と知ることになります。
今後の世界情勢を考えると同じような市況が続く保証はどこにもありませんが、小口から株取引などを始める中で、結局は「動かせるお金」を少しでも多く確保しておいた人が得をする、ということを学んでいます。
住宅ローンを低金利で借りられるというのも、「動かせるお金」を常に確保するためにはチートのような仕組みなんですね……。
また、収入がなくなると住宅ローンを返せなくなってしまうという危機感から、保険の見直しも本格的に始めます。
結果、住宅ローンに付属した基本的な団体信用生命保険(団信)はもちろん付けましたが、それ以上の保障や収入保障は勤め先の提携保険で付けることにしました。これも人それぞれ、状況次第ということになるかと思います。
一見、本末転倒のようにも見えますが、資産形成や運用、保険について真面目に考えるきっかけとして、家を買う・家を買うことを検討する、というのは、非常に良い機会になるのではないかと思います。
私のマンション探しもすんなりとはいかなかった
私自身もすぐに「このマンション!」と決められたわけではありません。
2021年の5月の始め、最初に見せて貰おうと思った物件は、値下げ直後ですでに買い付けが入っており、別の物件をいろいろ紹介してもらい、内見するところから始まりました。
地域と予算感が合う物件を何軒か見ているうちは、ピンとくる物件はない……と思いつつ、立地や買い物の便利さ、内装や日当たりなど、とりあえず点数を付けて表にするところから始めました。
ですが、希望を伝えているつもりでも、紹介される物件はあまりピンときません。確かに伝えている条件には合致するんだけど、何か微妙に違う、というような。
結局、ある程度内見する中で、どこにイマイチと感じるのかを明確にしていくことで、自分たちが物件に何を求めているのかが明確になっていったのですね。ピンとこない物件ばかりになってしまうのは、仲介会社の人の問題というよりも、自分たちの伝え方の問題だったような気がします。
いろいろ見ていく中で、さまざまな条件をクリアにしていくことができました。
私たちの場合は、日当たりは絶対条件で、いわゆる「閑静な住宅街」や、多様性が確保されないような「新興の大規模開発地」「ビル風吹き抜けるタワマン街」はしっくりこない。
スーパーや個人飲食店の充実は必須だけど、フラットアプローチ(駅までに坂や階段がなく、平坦な道で結ばれていること)や共用設備の充実は求めていないとか。
実は、20件以上内見した後、結局購入した物件は、最初に内見しようとしたけど、しなかった部屋と同じ物件の別の部屋でした。そして、金額や眺望から言えば、最初に逃した物件の方が、条件が良かったのです……。
まるで『幸せの青い鳥』のような話ですが、果たして自分たちの条件がクリアになっていない中で、最初にその物件を見ていきなり「ここにしよう!」と一発で決められていたかどうか? 正直、自信がありません。
さまざまな物件を見て自分たちが何を求めているか明確になっていたこと、探す中でさまざまな勉強をして知識を身に付けたこと、ローンの事前審査など準備が整っていたこと、そうした過程があって、最終的に出てきた物件を選択できたのだと思っています。
その後1年近く、見ない方が良いと思いつつ毎日物件サイトを見てしまいますが、購入した物件以上の魅力的な物件にはまだ出会えていません。中古マンションは運とタイミング。「これ」という物件は2度と出てこないかもしれません。
いい物件に出会ったとき、すぐ動けるように準備をしよう
「いいな」と思うマンションが現れたとき、マンションを買うのもありかもしれないと思ったとき、生活上新居が必要になったとき……。
結局はライフステージに合わせて「買いたいときが買いどき」なのでしょう。そして、その「買いたいとき」にすぐに動けるように、選択肢を増やしておくために、何をしておくべきなのか。
マンション購入に必要なお金周りにしても、自分がマンションに求める基準にしても、早いうちから準備をしておくことで、一瞬しかないチャンスをつかみやすくなるのではないでしょうか。
なお、不動産の知識を得るために、漫画『正直不動産』を読んでおくことと、Twitterで不動産取引についてつぶやいている不動産クラスタの人たちをフォローしておくことをおすすめしておきます。後者については余計な情報も多いですが!
私自身の経験が、皆さんの何かの参考になってくれるとうれしいです。
編集:はてな編集部
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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