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投資先で話題のインドってどんな国?インド株が今話題の理由を専門家に聞く
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
こんにちは、ライターの仲奈々です!
2024年からNISAの制度が大きく変わり、より投資が身近なものになったように感じます。メディアでも連日のように投資の話を耳にするし、私の周りでも「投資を始めた!」という人が増えてきました。
ちょっと前までは「いったい何のことやら?」と思っていた「オールカントリー」や「S&P500」という言葉も、メディアを見たり投資をしている人の話を聞いたりしているうちに、今ではなんとなくは理解できるようになった…と思っています。
そんな中、最近いろんなところで「インド株が熱い」という話題をよく耳にするようになりました。聞いた話によると、インド株に投資をしたら3年で倍以上の利益が出た人もいるとか…!?めちゃくちゃ気になりますが、リターンが大きい分リスクも大きいんじゃないかと正直不安もあります。
なぜ今インド株が来ているのか。また、インド株のメリットやデメリットは何か。楽天証券資産づくり研究所の篠田尚子さんに聞いてみました!
- なぜインド株に注目が集まっているの?
- インド株の投資信託は、インデックスよりもアクティブの方が好成績ってほんと?
- インドへの投資は、「副菜」と心得よ
- インド株ならではのメリット・デメリットを知って、投資にチャレンジしよう!
なぜインド株に注目が集まっているの?
── 最近メディアを見ていると、インド株の話題が急激に増えたように感じます。なぜ今インド株に注目が集まっているのでしょうか?
篠田:インドが急成長しているからです。インドのGDPは現在世界5位。2025年には、現在4位の日本を抜くと言われているんですよ。
急成長にはいろいろな理由があるのですが、先進国が少子高齢化に悩む中、インドでは15歳から64歳までのいわゆる生産労働人口が増加していることが大きいですね。
特に、ITの分野で高いスキルを持った優秀な若い人たちが中心に増えているんです。こうした都市部の若者は、日本とあまり変わらない生活を送っています。最近ではスターバックスやアップルがインドに参入したので、「スタバでMacBookを広げながらコーヒーを飲んでいる若者」も増えているかもしれません。
背景には、2014年からスタートしたモディ政権の政策が大きく関わっています。ナレンドラ・モディ首相率いるモディ政権は、「メイク・イン・インディア」を掲げ、インドの人材基盤を活用しながら、第二次・第三次産業を強化することを目的に数々の政策を推し進めてきました。
また、モディ首相は、長年遅れが指摘されてきたインド国内のインフラの整備や汚職の撲滅にも力を入れています。
インドの人口は2023年4月に中国を抜いて世界1位となりました。金銭的に余裕のある若い人たちが数多くいるので、内需中心に高い水準で成長を続けています。
── 内需が強いと投資先としてどんなメリットがあるのでしょうか?
篠田:内需が強いということは、外部環境に左右されにくいということです。例えば直近2024年8月に、日米の株式市場に大きな調整が入りましたが、インドの株式市場への影響はさほど大きくありませんでした。
もちろん、短期的には先進国の株式市場との相関が高まることもありますが、総じて内需の強さが好感され、インドの株式市場は堅調な動きを見せています。
──新興国の中でインドはどのような立ち位置なのでしょうか。
篠田:新興国の株式市場の動向を示す代表的な指数に「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」があります。
「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」の内訳を確認すると、2021年ごろまでは中国が4割程度を占めていました。現在でも中国がトップなのは変わりませんが、ここ3年でインドの割合が大幅に増え、存在感が高まっていることがわかります。
――3年で急激に伸びているんですね。注目が集まるのもよくわかります。
篠田:そうですね。ただ、インド株が最初に注目を集めたのは20年以上も前に遡ります。当時、次世代の新興経済大国候補としてBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国の新興国の頭文字を取った総称)が注目され、2000年代半ばには、これらの国に投資する投資信託が相次いで設定されました。
実は、今売れているインド株ファンドの多くは当時設定されたもので、20年近い運用実績を誇ります。私自身、インド株は以前から「推し投資先」のひとつとしてご提案してきました。
インド株の投資信託は、インデックスよりもアクティブの方が好成績ってほんと?
――インドの代表的な株式指数を教えてください。
篠田:「Nifty50」と「S&P BSE Sensex」があります。人気のインデックスファンドの多くは、「Nifty50」をベンチマークに掲げています。
──株式市場全体の動きを表す代表的な指数(インデックス)に連動するインデックスファンドの方が、アクティブファンドよりも成績が良いことが多いと言われますが、インド株の場合も同じでしょうか?
篠田:インドのような新興国株の場合は、必ずしもそうとは言えません。まずは、こちらの表をご覧ください。
こちらの、「MSCI オール・カントリー・ワールド指数」は、先進国23カ国、新興国24カ国の計47カ国を網羅した時価総額加重型の株式指数です。日本では「全世界株式指数」とも呼ばれています。
表を見ていただければわかるように、インドは将来性があると言われているのにもかかわらず、この指数で占める割合は全体の2%程度です。
これは、オールカントリーを始めとしたインデックスファンドが、現在の株式市場の時価総額を基に構成されているためです。つまり、株式指数(インデックス)というのはあくまでも「今現在」の市場価値を表しているものなのです。将来性に期待して、今のうちに投資しておきたいという場合、インデックスでは不十分です。
──では、インドのように急成長中の投資先の場合は、アクティブファンドの方が良いのでしょうか?
篠田:市場全体の動きを表す代表的な指標(インデックス)を上回ることを目指すアクティブなら、将来の期待を先回りして取り入れることができます。とはいえ、具体的な実績を見ないと不安に思いますよね。次の折れ線グラフをご覧ください。
グラフは楽天証券「投信スーパーサーチ」にて2024年9月19日時点で作成
こちらは、特に人気のインド株に投資する投資信託3商品のリターンを比較したグラフです。「HSBCインド・インフラ株式オープン」と「iTrustインド株式」はアクティブで、「iFreeNEXT インド株インデックス」は、先述したNifty50への連動を目指すインデックスファンドです。
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──たしかにアクティブファンドの方が、インデックスファンドのリターンを上回っていますね。
篠田:「絶対」という保証はありませんが、アクティブファンドは特定のテーマや業種に集中して投資できることに加えて、企業のバリュエーション(株価が割安であるか割高であるか)や、将来期待を判断しながら投資先を選定できるという点が大きいですね。インドの株式市場には、インデックス(市場平均)を上回る余地が残されているということです。
また、アメリカや日本などの先進国と比べると、インドを始めとする新興国は情報伝達のスピードが遅い傾向にあります。株価に反映されるような情報をいち早くキャッチするには、その国に根付いた調査が必要です。
「HSBCインド・インフラ株式オープン」も「iTrustインド株式」も、現地での調査を重視しながら運用を行っています。インド国内での情報収集のノウハウを持っていることも好成績の理由ですね。
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インドへの投資は、「副菜」と心得よ
──では、インド株の具体的な投資方法についても教えてください!リスクを減らすために投資先を分散させる「分散投資」が投資の基本と言われていますが、インド株が気になる人は、どのように分散投資をしたらよいのでしょうか?
篠田:まず前提として、インド株は「副菜」と考えてください。
先程もお話したように、インド株の割合はオールカントリーの全体の2%程度。いくら「インド株が熱い」と言っても、世界全体で見るとまだ株式市場の規模は大きくありませんし、新興国特有のリスクもあります。分散投資の観点では、アメリカや日本といった先進国株式、または、全世界株式を主菜にして、インド株への投資は副菜として考えることが大切です。
──では、主菜にはどんなファンドがおすすめでしょうか?
篠田:まずはオールカントリーを主菜にすると良いでしょう。オールカントリーなら、1本で世界の株式市場を概ね網羅できますから、「何から始めたらよいかわからない」という投資初心者の方にもおすすめです。オールカントリーは先進国が中心ですから、その価格変動を許容できるようになったらインド株を少しずつ取り入れていきましょう。
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──おすすめのインド株ファンドも教えていただきたいです!
篠田:先ほども取り上げた「iTrustインド株式」と「HSBCインド・インフラ株式オープン」はいかがでしょうか。
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「iTrustインド株式」は、インドの株式市場に上場している企業の中でも、金融や通信、ヘルスケアといった内需の増加で伸びている企業がバランス良く組み入れられています。
アクティブファンドなので、インデックスファンドと比べると運用コストは高くなりますが、それ以上のリターンが期待できると楽天証券でも積立を中心に安定した人気を誇っています。なお、インド株ファンドの中で新NISAの「つみたて投資枠」に選ばれているのは、この「iTrustインド株式」だけです。
──「HSBCインド・インフラ株式オープン」はどんなファンドなのでしょうか?
篠田:インドの株式市場に上場している企業の中でも、インフラ投資で恩恵を受けている企業を厳選して投資するアクティブファンドです。例えば、高速道路や橋、港湾をつくる企業などが多く含まれています。
モディ政権がインフラ整備に力を入れていることはすでにご説明したとおりですが、その恩恵をダイレクトに受けることができるのが「HSBCインド・インフラ株式オープン」ですね。特に足元2年ほどは類似のインド株式ファンドと比較しても非常に良好な成績をあげています。
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ちなみに、楽天証券の「投信スーパーサーチ」をお使いいただくと、簡単にインド株ファンドの検索ができますよ。「インデックスのみ」など、追加でフィルターをかけることもできますので、自分の好みに合わせて投資信託を絞り込むことも可能です。また、先程お見せしたグラフも、この「投信スーパーサーチ」の機能を利用して作ったものです。
気になるファンドを見つけたら、右端にある「比較」の欄にチェックを入れて、「比較リストを確認する」ボタンを押してみてください。そうすると、先程のグラフのように、複数のファンドの成績が比較検証できますよ。
私はファンドアナリストという仕事柄、日常的にこの機能を使っています。ぜひ皆さんも気になるファンドを比較してみてください。
インド株ならではのメリット・デメリットを知って、投資にチャレンジしよう!
──篠田さんのお話を聞いて、インドに投資したい気持ちがより強くなりました!
篠田:ありがとうございます。ただ、繰り返しになりますが、インドには新興国特有のリスクもあります。急成長中とはいえまだまだ発展途上の国ですから、貧富の差も大きく、カースト制度などの根強い課題も残っています。
また、モディ政権の尽力により国家レベルの汚職は随分と減少した印象がありますが、末端の民間企業はまだ不透明なところがあります。こうした課題が顕在化した場合、株式市場にも大きな影響を与えるかもしれません。インドを始めとした新興国には、不安定な側面があることも忘れてはいけません。
とはいえ、生産労働人口が潤沢で、お金に余裕のある中間層が増え、内需が拡大していることや、その需要を満たせる産業が発達していることなど、インドならではの強みもたくさんあります。
投資にちょっと慣れてきて次の投資先を探しているなら、ぜひインド株への投資を検討してみてください。
取材・執筆:仲奈々
写真:関口佳代
編集:はてな編集部
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