オタ活をしながらマンションの購入資金を貯めてみた。ジャニオタの貯金計画
はじめまして。ジャニーズを追いかけている、いわゆるジャニオタのノンちゃんといいます。普段からジャニオタ活動に勤しむ独身の女性ですが、思いきって2020年に都内のマンションを購入しました。
ジャニオタをしながら貯金なんてできるのか…? と疑問に感じる人もいるかもしれませんが、コツコツと自分なりの貯金術を試していった結果、無事にマンションの購入に必要な最低限の金額まで貯めることができました。
今回はわたしがマンションを買うに至った経緯と、オタ活を続けながらどうやってマンションの購入資金を貯めたのかをお話ししたいと思います。
- オタク、引っ越したくなる
- わたしにもマンションが買えるのかもしれない
- わたしが実践していた「ジャニオタ貯金術」
- 一念発起、マンション購入資金用口座を作る
- コロナ禍に現場がなくなったことで、貯まりにくかったはずの「ジャニオタ貯金術」でどんどんお金が貯まった
- マンションを買って「お金への意識」ができてきた
オタク、引っ越したくなる
それまでわたしが暮らしていたのは、都内25平米、1Kのマンションです。ここに引っ越した当初は、オタクを一時活動休止していたため、狭いなりにも快適で愛しい我が家ではありました。
そんなある日、わたしはオタクの友人にカラオケボックスに誘われます。そこで行われたのはカラオケボックスでの大モニターを使った「ジャニーズの某グループライブDVD」観賞でした。
「あれ? このグループのライブってこんなによかったんだっけ…?」 となってしまったわたしは、カラオケボックスから帰るその足でCDショップに寄り、まったく同じDVDを購入してしまいます。一連の行動を見た友人は爆笑していました。
この出来事をきっかけに、オタク活動に返り咲くことになります。部屋にどんどんグッズがあふれていきました。
まず、雑誌。アイドル誌は月に5冊出るし、週刊のテレビ雑誌にも推しは出てくるし、ファッション誌にも出たら買うようにしています。
そして、CD。2種類ある初回限定版と通常版を全部買うので、けっこうかさばります。
さらに、ペンライトやうちわなどのコンサートグッズ。ちなみにうちわは一般の人がイメージする3倍くらいの大きさです。これが何枚もあります。
…だんだんと空間が圧迫されている気がしてきたのですが、あまり気にせずになぜか「推しの等身大パネル」を手作りして、さらに空間を圧迫しながらオタ活を加速させてしまう始末。
このときはよくオタク友だちとわたしの部屋でライブDVDの鑑賞会を開催していたのですが(新型コロナウイルス感染症の流行前です)、友達が3人も入ると部屋はギチギチ。さすがにわたしも「部屋、狭いな〜!!」と思うようになりました。
気づけばマンションの賃貸契約の更新が迫っています。このタイミングでもっと広い部屋への引越しを検討することにしました。…ところが、希望の賃貸物件がぜんっぜん見つからないんです。このときにわたしが探していた条件は以下の通り。
●都内で職場に通いやすい
●北関東の実家に帰りやすい(月1ペースで帰省してる)
●東京駅へのアクセスがいい(ライブ地方遠征のため)
●羽田空港へのアクセスがいい(これもライブ地方遠征のため)
「東京駅へのアクセス」と「羽田空港のアクセス」が足を引っ張っている気も少しするのですが、これはオタクをやっている以上、譲れない条件です。
延々と検索を続けると、時にはこの条件にヒットすることもあります。でも、自分に払えない家賃だったり、都内じゃなかったり、駅からバス15分で、さらにそこから駅歩15分だったり…。やっぱり厳しい。白目を剥く日々が続きました。
わたしにもマンションが買えるのかもしれない
ここで出てきたのが「賃貸で見つからないなら、もういっそ買う?」という発想です。
マンションはむしろ買った方がトータルでは安いって聞いたこともある。うちの母も昔から「マンションを借りるくらいなら買えば?」ってよく言っていました。
でも月々のローンはともかくとして、頭金や初期費用など細かいことはわからないのですが、ある程度のまとまったお金が必要になりそうです。貯金はほぼゼロのわたしには無理なのでは…?
そんなとき、友人が将来的にマンションを購入することを計画していたことを知り、マンション購入や不動産情報に長けたインフルエンサーのアカウントを教えてもらったのです。
情報収集を始めると、わたしにとって意外な情報が出てきます。
● 住宅ローンは頭金なしのフルローンが組めることもある
● 諸費用(売買に関わる印紙税、ローンを組む際の手数料、火災保険など)もローンに入れられることもある
(編集注:実際の住宅ローンの条件は金融機関でご確認ください)
こうなってくると「あれ? もしかして、わたしもマンション買えるかも?!」と、どんどんマンション購入が現実的になります。
一度マンションを買ってしまうと、引越しは難しくなります。なので、以前のわたしは「賃貸派」でした。いろんな街に住みたいし、職場が変わる可能性もある。でも、現在の職場では自分のポジションが確立しているから、直近の転職や転勤は考えにくい。それに、自分の中で描いている「一生住みたい街」もあります。もう引越しの心配は必要なさそうです。
それに、マンションを買えば、広い部屋にでっかいテレビを置いて、推しを思う存分観られる…。
あと、単に家賃を払い続けるだけではなくて、資産形成にもなるし…。
こうして、わたしはマンションを買う方向にシフトチェンジしたのです。
マンションを買うときには「頭金なしで諸費用もローンにすることが可能」と先ほど書きました。しかし、貯金がまったくのナシの状態で挑めるほど甘くはありません。
マンションを買うには「手付金」というお金がいるのです。これはローンなどに入れることができず、現金で用意しなくてはいけません。
手付金は、この物件を「買主(自分)は絶対に買いますよ!」売主は「絶対あなたに売りますよ!」という保証の役割を果たすもの。一時的に支払い、物件引渡し後に返却されたり、物件価格から差し引かれたりします。
手付金の相場は物件価格の5〜10%と言われています。実際にいろいろな物件を見てみると、多くの場合が5%に設定されていました。
このときのわたしは2,500万くらいのマンションを購入することを想定していたので、125万円ほど必要になってきそう。この125万円を目標に、ほぼほぼ貯金ゼロのわたしの貯金計画が始まりました!
わたしが実践していた「ジャニオタ貯金術」
さて、貯金ゼロと書きましたが、完全にゼロというわけではなく、ある程度のお金はあります。この時点でわたしは日々の生活費のためのメインバンク口座のほかに、以下のような貯金をしていました。
オタ活用貯金
わたしは推しのグループのコンサートが終わると、来年の現場に向けての貯金を開始します。普段は地方にも遠征をするけれど、交通手段は夜行バスじゃなくて、新幹線や飛行機を使いたい。綺麗なホテルに泊まりたい。その土地のおいしいものを食べたい。そんな欲望を叶えるために、毎年せっせと貯金をしていました。
このために専用の銀行口座を作っていたのですが、本当にアバウトで、振り込まない月もあれば、めちゃくちゃ振り込んでいる時期もあるという感じです。
オタ活用のお金は、すべてこの専用口座から出すことにしています。グループのコンサートはなくても、グループのメンバーの舞台が決まったりすると(わたしはグループの全員が好きな、いわゆる箱推し)、ここからお金が出て行くことに…。口座の残額は上がったり減ったりするため、貯金と言うには非常に頼りないお金です。
自動定額振込を使った貯金
自動定額振込は、銀行が提供しているサービスで、月々の特定の日と振込金額を指定すると、指定した口座あてに定額を振り込んでくれるというものです。
これは、あまりにも貯金ができないわたしのために、二度目の上京時(家業の都合で約1年半出戻っていた時期がある)に、母親に設定されたものです。「月1万円貯金しておけば1年で12万円になるんだよ!」と社会人1年目から言われていたのに、それさえできなかった浪費家の娘ですみません。
貯金のため設定したはずなのですが、わたしはここから自由に下ろそうとしていました。これも頼りないお金です。頼りないお金しかない。
500円玉貯金
お気に入りのクッキー缶(画像左)や、ドイツのハイデルベルグ(わたしの推しの実家があるところです)に旅行したときに買ったチョコの缶(画像右)を使って、500円玉を貯めていました。
これは意外と自分には向いたのか、ずっと前から続いていたものです。貯金をするために、買い物するときに意識して500円玉を残したりもしていました。
特にチョコの缶の方には、推しが尊い…という完全なその場のノリで、5,000円札を入れたりもしています。
500円玉貯金と言いつつ「ざっくばらんにお金を入れる缶」として機能していたのが、ある意味貯まりやすいポイントだったのかもしれません。
こうして1年間くらい貯めた後に缶を空けて数えてみると、けっこうな額になっています。ただ、このお金は最終的に先ほど書いた「オタ活用貯金」に吸収されてしまいます…。つまり、貯金といいつつ、オタ活に使われてしまうのです。
ちなみに現在では生活費を電子マネーに移行しており、こちらの貯金はほぼできなくなってしまいました。電子マネーでできる500円玉貯金とかないかしら?
一念発起、マンション購入資金用口座を作る
ここまで読まれて、お気づきでしょうか。預けている場所がたくさんあるだけで、金額的には全然貯まらない構造になっています。一時的にお金を使いにくいところによけているのですが、最終的にはほとんどがオタ活の資金に流れていきます。一番ダメなやつだ。
これに加えてマンション購入のための貯金となると、もうほんとに月々自由に使えるお金がありません。
ここでわたしはくじけずにファイナンシャルプランナーに相談します。ファイナンシャルプランナーの精査の結果、なんとわたしの家計には毎月2万円ほどの余力があることがわかったのです!
マンション購入資金用の口座を新しく作り、毎月2万円をせっせと入金していきます。口座の残高がそのまま「マンション購入資金」なので、わかりやすかったです。
さらに、年に2回のボーナスも一切使わずに入金! いままでは「ボーナス払い」で服などを買っていたのですが、そんなことをしている場合ではありません。ようやく貯金らしい貯金ができてきました。
コロナ禍に現場がなくなったことで、貯まりにくかったはずの「ジャニオタ貯金術」でどんどんお金が貯まった
そんなふうに貯金を始めて、しばらくしたころです。2020年春、新型コロナウイルスの流行が始まりました。
医療従事者であるわたしは完全に家と職場の往復のみになり、休みの日はステイホームを余儀なくされ、楽しみにしていた現場(推しているアイドルのライブや舞台など)が続々と中止になっていきます。さらに推しが出演しているドラマも中止です。
あの時期、わたしはオタクとして絶望の縁にいました。絶望のあまり、和牛ステーキ、ドーナツ、アイスなどをひたすらお取り寄せし、家にこもって食べていたら、体重が4キロ増えていたほどです。
ただ、コロナ禍でもCDは出るし、雑誌は出るし、ファンクラブの更新などはある。まるで砂漠の中の水のように少ない「供給」を大事にしていました。
またオタク友達とリモート飲み会をしていました。みんなで同時にそれぞれの部屋でライブDVDを再生して…。これはこれで楽しいのですが、DVDが終わった後に「今年はライブが中止になった」ことを全員で悲しむことになります。
でも、幸か不幸か、遠征やコンサート用の服、コスメ、エステに使うはずだったお金などがまるっと浮くことになったんです。
本来ならばマンション購入資金のために、泣く泣く遠征を我慢したり、もうそんなに若くない体に鞭打って夜行バスで遠征したり、ホテルのグレードを下げたりしていたはず。そんなことをしなくても、お金がマンション購入資金に回せるという…。
さらに、職場からの外食自粛のお願いもあり、友人と外食する機会もなくなりました。思い起こせばコロナ禍になる前は週2ペースで居酒屋に行っていた気がします。これが浮くとなると、なかなかの金額をマンション購入資金に回せることになります。
頼りないお金だと思っていた「自動定額振込を使った貯金」や「500円玉貯金」なども、ここで生きてきます。あれ、やっぱりやっておいてよかった。「マンション購入資金用の口座」にも引き続きお金は貯まっていきます。
このようにして、目標額に到達。そしてお気に入りのマンションを購入することができました。
購入したマンションの中で一番のお気に入りの場所、日当たりのよいカウンターキッチン
しかし「コロナ禍でお金が貯まって良かった」とは、とても言えません。
本当に新型コロナウイルスの流行なんて最悪です。生活においていろいろなことを我慢しなくてはいけなかったし、医療従事者としては暗黒時代でした。「もう人生めちゃくちゃだよ!」ということもたくさん起こりました。
あのつらい思い出を、多少なりともポジティブに変換するために「あの時期だからお金貯めることができたんだ…」と自分を納得させています。
それにしても…。現場が1年間ないだけで、こんなにお金が貯まったということは、いままではそれだけ使っていたということになりますよね? ちょっとゾッとしています。
オタ活はやめないけどね!!
マンションを買って「お金への意識」ができてきた
マンションを購入する過程で、お金についてのいろいろなことを学びました。その学びはマンション購入後も役に立っています。今では職場の持ち株制度を利用したり、楽天証券で積立NISAを始めたりと、貯めるだけでなく「増やす」へステップアップしました。
頼りないお金しかなかったわたしが…積立NISAを! 自分でも驚きです。
そしてマンション購入後、お金をどのように用意したかなどの細かい経緯をブログに書きました。すると、読者の何人かがわたしと同じようにマンションを購入したとのこと…。わたしに「マンション購入仲間」ができました。
先日、この仲間達と飲みながら資産形成の話をじっくりしました。「すごい。推しの話以外でこんなに盛り上がってる!!」と、これもまた驚きです。
マンションの購入がきっかけとなり、結果的に自分の生活も段々と安定してきた気がしています。
内見を重ね、ようやく見つけた自分好みの立地、設備、眺望が整ったマンション。そこでやっているのは「あまりにも推しの顔が美しいために同じ雑誌を8冊買ってしまう」という以前と変わらぬオタ活です。でも、これが楽しいんです。
編集:はてな編集部
イラスト:斎藤充博
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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