行きたい場所が多過ぎて。「日帰りガチャ旅」をしてきたら、その土地のことが大好きになった話
ライターのほそいあやさんは、日帰り旅行に行きたい場所が多過ぎて悩んでいます。そこで思いついたのが、行きたい地名をガチャガチャに入れて回してみること。ガチャの結果「奥多摩」に行くことになったほそいさんはイワナの釣り堀、キャニオニング、日本酒が飲める庭園を楽しみます。
- 【釣り堀】釣ったイワナを「焼き枯らし」にすると頭も骨もおいしい
- 【川遊び】滝つぼにダイブして日々のストレスを捨てる!
- 【お酒と食事】酒造と隣接する庭園で多摩川を眺めながら日本酒が飲める
- 旅ガチャで知らない土地を好きになれた
こんにちは、旅行や食べることが大好きなほそいあやと申します。
ここのところ、旅行しにくい日々が続いていました。旅行が好きな私はどんどん行きたい場所がたまってきて、気付けばテレビの旅番組ばかりみています。
ひさしぶりに、ちょっとした日帰り旅行くらいはしてみたい。
そう思ってあれこれ考えてみたところ、行きたい場所が多過ぎてバシっと決められないのです。
そういえば最近、行き先がランダムで決まる航空会社や鉄道会社のキャンペーンをよく目にします。自分でここに行くと決めて計画するのもいいけど、くじで決めるのも運命を感じて面白いかも。
私もこれを真似して、行きたいと思っている複数の旅行先を入れた「自作のガチャ」を回して、訪れる土地を決めてみることにします。
日帰りなのでそんなに遠くなくて、都心から電車を使って2時間以内で行けるような土地をいくつかピックアップしてみました。
以上の5つの土地を「そういえばあそこにはあんなスポットがあったな」くらいの直感でチョイス。1つの土地につき、1日で回れそうな3〜4件のスポットを決めておきます。
● 那須(栃木県)
○ 那須高原でパラグライダー
○ 南が丘牧場(搾りたてのミルクが飲める観光牧場)
○ アルパカ牧場
○ 温泉
● 富津(千葉県)
○ 東京湾フェリーに乗り金谷港へ
○ 鋸山でハイキング
○ 港のそばで浜焼き
○ 温泉
● 大洗(茨城県)
○ 市場でウニ丼
○ 大洗水族館
○ 温泉
● 長瀞(埼玉県)
○ ラフティング
○ 鮎料理
○ かき氷
○ 温泉
● 奥多摩(東京都)
○ やまめの牧場
○ キャニオニング(ウエットスーツを着て天然の川を下っていくアクティビティ)
○ 清流ガーデン澤乃井園
自分で決めているのでハズレは存在しません。これらの紙をカプセルに入れてガチャマシーンへ。
友人宅にあったのを見つけて借りてきました
さて、 何が出るかな?
いいの出た
というわけで奥多摩にしゅっぱーつ!
(写真提供:JR東日本八王子支社)
奥多摩といっても範囲が広いので、今回は御嶽駅周辺にしぼります。早朝に家を出て、新宿から1時間半。ここは正確には奥多摩町ではないですが、奥多摩エリアの入り口という印象があります。
● 奥多摩の行き先リスト
○ やまめの牧場
○ キャニオニング(ウエットスーツを着て天然の川を下っていくアクティビティ)
○ 清流ガーデン澤乃井園
それでは、コロナの感染対策をしっかりして楽しんできます(7月下旬に行ってきました)!
【釣り堀】釣ったイワナを「焼き枯らし」にすると頭も骨もおいしい
御嶽駅から川を渡り、山を見上げながら歩くこと15分。御岳山の麓にある「やまめの牧場」にやってきました。こちらはヤマメとイワナの釣り堀で、釣った魚は焼いてもらって食べることができます。
木々に囲まれた池。日本昔話に出てきそうな風景です。虫もいるので、虫よけスプレーは必携です。
それぞれの池にヤマメとイワナが放たれています。澄んだ水に魚影がちらほら。かわいいしおいしそう。
受付で竿とエサを受け取って釣りスタート。竿のレンタルとエサを含んだ料金は500円。
始めてみたはいいけれど、ヤマメって、めちゃくちゃ警戒心が強いな。エサを避けるように泳いでいる。朝イチは魚の警戒心が薄いという口コミを見て来たものの、そもそも川魚はとっても用心深いので釣るのはやっぱり難しいとのこと。
でも苦戦にやきもきする気持ちは不思議とない。山の涼しさの中、ゆったりと流れる時間という心地よさがあるから。
1時間経過。釣れる気配ゼロ。隣でやっている家族連れのお父さん、もう2匹も釣っているからきっとコツはあるんだろう。釣らないと食べることはできないので、最低1匹はゲットしたいところだけど…。
そして2時間が経過する頃、イワナの池の方で粘っていた友達が釣った!
同行の友人が釣り上げた。すごいよあなた。この2時間を無駄にしなくてえらい
釣った魚はスタッフさんに渡して焼いてもらいます。リリースは禁止で、釣った分は焼いてもらうか、持ち帰ります(持ち帰る場合は、腹わたを抜いて氷を詰めてくれます)。
ちなみに焼くのに40分かかります。なぜそんなにかかるかというと、「焼き枯らし」という遠火の強火で時間をかけて焼く方法をとっているから。保存も利く、昔ながらの製法だそうです。
ここで1日が終わってしまうんじゃないかとはらはらしながら待ちます。
焼き上がりました。さっきまでこの自然の中を泳いでいたイワナだと思うととても贅沢。1匹を2人で分けあいながら食べます。
…え、なにこれちょっと。おいし過ぎるんだけど!
骨まで食べられるとは聞いていたけど、本当に頭も骨もカリカリ。なのに身はふっくらとしている。身もおいしいけど、カリカリの頭とパリパリの皮が一番おいしかった。「焼き枯らし」すごいわ。
周りに飲食店はないので、イワナとコンビニで買ったおにぎりでお昼にしました。山の中で食べるとコンビニのおにぎりもご馳走だ。
お腹もいっぱいになったので、次のスポットへ向かいます。
【川遊び】滝つぼにダイブして日々のストレスを捨てる!
川を眺めながら川井駅方面へ歩いていくと…。
川井駅にほど近いところにある、グランデックス奥多摩ベースに着きました。キャニオニング、レイクサップ、ラフティングが体験できます。ここで以前からやってみたかったキャニオニングに挑戦します。
キャニオニング
渓流をボートなどの乗り物に乗らず身一つで岩を滑ったり水に飛び込んだりするアクティビティ。究極の川遊びといわれている。
川を臨むウッドデッキが気持ちよい場所です。着いたらすぐに飲み放題の麦茶をがぶ飲みするように言われます。暑い日だったので、熱中症の予防でしょうね。女性の更衣室やメイクルームはきれいでノンストレスでした。
この回のツアーは10人で、全員キャニオニング初体験。出発前にガイドさんの説明を聞きます。ガイドさんいわく、一番大切なのは「基本的に自分の命は自分で守る」こと。ウエットスーツに着替えてライフジャケットを装着したら、車に乗り込みます。
ガイドさん
「お待たせしました! これから3時間かけてディズニーシーに行きまーす! 着いたら入ってすぐの地球儀のところに水たまりがあるので、そこは足が着くからちょっと体を慣らしてもらって、そのあと海底2万マイルに行きまーす。そこは足が着かないので……(以下おもしろ話が続く)」
30分後、ディズニーシーではなく渓谷に到着。
手前にいるのが筆者
スポーツをするというよりは、そこはかとなく漂う探検隊感。この道路から川までの道なき道を慎重に降りていきます。
車から降りた時は蒸し暑かったのに、川面に降りると一気に涼しい!
基本的にガイドの指示に従っていれば安全です。ただし、落石には注意することや、1列になって歩くので先頭のガイドの言葉を伝言ゲームのように後ろの人に伝えていくこと、などを指導されます。
まず小さい滝に打たれます。川の水は冷たいけどウエットスーツを着ているので寒くない。これは真夏でも水着1枚で入ったら冷えますね。川に首まで浸かるとめっちゃ気持ちいい。
天然のウォータースライダーを下る。やっぱり川はいい〜!
基本の岩下り。足から、頭から、うつぶせ、など好きな姿勢で滑ります。ガイドさんが押して勢いをつけてくれます。
押す直前、ガイドさんが滑る人に唐突な質問。
「好きな食べものは?」
みんな怖がりながら「お寿司ーー!」「スイカーー!」と好きな食べものを叫びながら急流に消えていく。わけが分からなくて笑ってしまった。楽しい。
そして私は、
レバーーーー!!
川最高!
日々のストレスを!! 俺はここに捨てに来た!!!
みんな最初は怖がっていたけど気付けばすいすいやっていた。人間の前世はヤマメなのかもしれない。
そろそろクライマックス。6メートルの高さから対岸にロープを張って滑り降ります。
公園のジップラインだと思って挑む。
あーーー
きゃーーーーー
ばしゃーん。着水する時は何も見えないけど、謎の達成感がわいてきてゾクゾクする。
「あー怖かったねー」などと話していたのだが、本当のクライマックスはここからであった。ガイドさんがロープを外し、回収したと思ったら、そのまま6メートル下の水面に飛び込んだ。
すごーいと見守るギャラリーに向かって「今からみんなもこれをやります〜!」と、ガイドさん。
「うそでしょ?」って顔を見合わせるツアーメンバー。
ガイドさん
「怖がって下を向くと顔を打つので視線は前にして。脚は曲げると腰を痛めるので力を抜いてまっすぐ。鼻に水が入るのを恐れて鼻をつまんだまま飛び込むと指が目に入るのでダメです」
…ここまでずっとひょうきんだったガイドさんが急に怖いことばかり言ってきて、体に力が入る。
列に並んでいると、小学生の時予防注射の列に並んでいた気持ちになる。怖くて戻ってきちゃう人もいたけど、ほとんどの人が躊躇なく飛び込んでいく。
足場に立つ私の視点。超怖い、超怖い。6メートルってこんな高いんだ。
先に跳んだメンバーが声援を送ってくる。にやにやしながら。
いくぞ!
跳んでしまえばあっという間で、とにかく爽快! 当たり前だけどめちゃくちゃ深く沈むね…(耳に水が入って数日抜けなかった)。
命綱のないバンジージャンプのような恐怖感が味わえるのはキャニオニングの醍醐味!私は水に入るのが好きなので、清流に揉まれるだけでも十分楽しかった。
あとやっぱり、ちょっと人に自慢できることを体験したかもというのが自己満足感を刺激する。あとで写真を人に見せて「ムリムリムリ! よくできたね」って言われる優越感(笑)。
ちなみに、このキャニオニングはストレス解消目的で参加される方が多いそうです。特に日頃から激務に追われている人が数多く参加しているとか…。
最後はみんなで浮いてくるくる回ったり
新婚さんにライスシャワー(水)を浴びせたりしました。
あー楽しかった。体験ツアーは初心者や怖がりさんのレベルに合わせてくれるので川遊びとして超おすすめ! とにかく川に飛び込めば、いろんなことがどうでもよくなっちゃうんで、スカッとしたいという気分だけでいくのも全然アリだと思った。
【お酒と食事】酒造と隣接する庭園で多摩川を眺めながら日本酒が飲める
御嶽駅の1つ東京寄りの駅、沢井駅に来ました。沢井駅の由来は、湧き出た水が沢となって流れていたからといわれています。
駅前に小澤酒造という酒造があります。
この酒造と隣接する日本酒処「清流ガーデン 澤乃井園」に来ました。お酒好きなら知っている方も多いのではないでしょうか。ザ・酒飲みの楽園です。
まず、利き酒処で1杯。かわいい蟹のおちょこがもらえます。日本酒は1杯200円から500円。そして、おかわりすると100円引きになるので、2杯目以降は、安いものだと100円で1杯飲めるという良心的な価格設定。ここでは乾きもののおつまみも売られています。
大吟醸にしました。米の旨味とキレ。うまい! 運動の後は回るなあ…。和らぎ水(チェイサー)も忘れずに摂取。
下のテラス席に降ります。屋外で、テーブルの間隔も十分に取られている。このロケーションでおいしい日本酒を飲めるなんてやばい。
テラス席の周辺では、ボトルの日本酒、食事やおつまみ、お土産が売られています。大人のフードコートですわ。
日本酒をボトルで買って飲もう。一番人気の大辛口と迷ったけどここは手堅く特別純米に。値段はお店で買うのと変わらないので、飲食店として考えるとお得感がすごい。
今日はお酒を飲まない友人と2人で来ています。ここで買ったのは四合瓶なので、飲みきれないとは思うけど、残りはお土産として持って帰ればいい。
ちなみに、食事もできるのでお酒が飲めない人でも楽しめると思います。
利き酒処でもらったおちょこが再登場。見てくれよ、この最高の景色。いつか死ぬときはこの景色も思い出すんだろうな。
過ぎゆくボートに手を振りながら盃をかたむける
この日は暑かったけど、川の風を受けながら飲むお酒は格別だ。川の向こうにはチェアリング(携帯式のイスを持って好きなところで座る遊び)をしているファミリーが見える。次はあれをやりにこよう。…そんなことを考えながら、結局1人でボトル半分を飲んでしまった。
旅ガチャで知らない土地を好きになれた
3カ所回って、滞在したのは8時間ほど。こうして奥多摩1日ツアーは幕を閉じました。
山と川の恵みを全身に享受して精気がみなぎるのを感じた1日でした。都心から1時間半でふらりと行ける旅の充実感としては素晴らしいと思います。
旅ガチャでふらりと出かけ、その土地の魅力を知る。日帰り旅でも一生の思い出に残る旅ができました。今までそれほど奥多摩のことを知らなかったけれど、今回いろんな体験をしてとても好きな土地になりました。
また旅に出たくなったら、ガチャを回してみようかな。
編集:はてな編集部
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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