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歯磨きってこんなに気持ち良かったのか! プロに教わって歯ブラシにこだわってみたら、毎日の歯磨き体験が向上した話
歯ブラシにこだわりがなかったライター・megayaさんが、自分に合った歯ブラシを買うために専門店を訪問。歯ブラシのほかにもいろいろな歯磨きグッズを教えてもらいました。毎日の歯磨き体験が向上した様子をレポートします。
- お話を伺ったのは、専門店「メガデント」在籍の歯ブラシのプロ
- 歯ブラシのプロに、自分に合った歯ブラシの選び方を教えてもらった
- 自分の歯磨き習慣を見直して、おすすめのアイテムを使ってみる
- 「歯ブラシってこんなに気持ちいいのか」歯磨き習慣が良くなりそう
ライターのmegayaです。
歯ブラシってどうやって選ぶんだろう……?
最近ふと思った。「歯磨きという行動を生まれてから何十年も続けているにもかかわらず、道具にこだわりがなさすぎるんじゃないだろうか」と。
今、僕が使っている歯ブラシと歯磨き粉は何も考えずに選んだものだ。
電動歯ブラシは友人が使っているのを見て、「ブラシが動くのがカッコいい」という理由だけで買ったし、歯磨き粉はスーパーで値段がいちばん高いものを選んだだけだ。「見た目は大人、頭脳は子供」という逆コナンの買い物の仕方である。
年齢が上がってきて洋服や家電はそれなりに良いものを買うようになったのだから、そろそろ日用品も自分に合った良いものをそろえていきたい。
口内ケア用品も効果がわからずなんとなく使っている。自分に合っているのかは一切わからない……。
磨き残しが口臭に影響しないのかも気になる。よし! 良い歯ブラシを買うぞ!
と思ったところで、冒頭の「歯ブラシの選び方がわからない」という問題にぶつかる。
僕は歯並びもあまり良くないので、適当に選んで使い続けるのも将来的には良くない可能性もある。
さて、ではどうするか。
答えは簡単である。専門家に聞けばいいのだ。
詳しい人にインタビューして記事にすれば、自分の問題も解決できるし、同じことで悩んでいる人のためにもなる。すべて万事解決なのだ。
ライターってなんて良い仕事なんだろうか(「仕事と並行して買い物ができるぜ」なんて心にも思っていません)。
そこで、今回は歯ブラシのプロがいるという東京・銀座の専門店を訪れ、自分に合った歯ブラシがどういうものか相談に乗ってもらった。
「口内ケアをちゃんとしたい」「適当に買った歯ブラシを使っているけど、ちゃんと自分に合うものを見つけたい」と思っている人の参考になるとうれしい。
・お話を伺ったのは、専門店「メガデント」在籍の歯ブラシのプロ
・歯ブラシのプロに、自分に合った歯ブラシの選び方を教えてもらった
・自分の歯磨き習慣を見直して、おすすめのアイテムを使ってみる
・「歯ブラシってこんなに気持ちいいのか」歯磨き習慣が良くなりそう
※取材は、新型コロナウイルス感染対策を講じた上で実施しました
お話を伺ったのは、専門店「メガデント」在籍の歯ブラシのプロ
……ということで歯ブラシ専門店「メガデント銀座店」にやってきた。
メガデントは歯磨き先進国であるドイツ発祥の専門店だ。銀座店では1万点のグッズの中から季節ごとにセレクトされた、約1,000種類のグッズが並んでおり、日本では手に入りにくい歯ブラシも多数そろっている。
酒向淳(さこう・じゅん)さん
幼少期に歯医者が大嫌いだったため、「歯医者に二度と行きたくない」という思いが強まり、歯ブラシに興味が湧き始める。
メガデント勤務より前から歯科系の職についており、良い歯ブラシを求めて海外に行くことも。ドイツに行った際に本社メガデントのオーナーと知り合いになり、帰国後も縁がつながり銀座店を日本にオープンさせる。
日本の歯磨き習慣を改善していくため、歯ブラシマニアとして多数のメディア媒体にも出演。
今回はメガデント銀座店の店長であり、歯ブラシマニアでもある酒向さんに、歯磨きについての悩み・疑問をぶつけ、一つずつ解消していく。
そしておすすめしてもらった商品を購入し、実際に家で試して、自分の歯磨き習慣を改善していこうと思う。
歯ブラシのプロに、自分に合った歯ブラシの選び方を教えてもらった
僕が持っている歯ブラシや歯磨きの悩み・疑問をまとめるとこんな感じだ。
・【Q1】どんな歯磨きグッズを使うのが一般的?
・【Q2】歯磨きグッズをそろえるなら、まずは何を買えばいい?
・【Q3】自分に合った歯ブラシはどう選べばいい?
・【Q4】フロスや歯間ブラシは使った方がいい?
・【Q5】口臭が気になる場合は、舌磨きをした方がいい?
歯並びが悪いのでどんな歯ブラシを使えばいいか知りたい。口臭対策も気になっている。そもそも歯磨きグッズのことをよく知らない。
これらの疑問を直接、酒向さんに聞いてみようと思う。
【Q1】どんな歯磨きグッズを使うのが一般的?
──店内にはいろんな歯磨きグッズがありますね。前提としてお聞きしたいのですが、歯ブラシと歯磨き粉のほかにはどんなグッズを使うのが一般的なんでしょうか?
店内には見たことのない形の歯ブラシもたくさん置いてある
日本では基本的には歯ブラシと歯磨き粉の2種類しか使っていませんよね。でも実は歯磨きの先進国であるドイツでは、6~8種類のアイテムを使い分けています。
歯ブラシ、歯磨き粉、歯間ブラシ、フロス、ワンタフト、オーラルリンスが基本的なアイテムです。
──6種類! 多いですね!
歯磨きの基本アイテム6種類
酒向
私の場合は季節や時間帯によって使い分けることもあるので、12種類ほどのグッズを使い分けています。
──12種類……!!
酒向
お化粧品などは用途によっていろんなものを使うじゃないですか? それと同じように本来は歯磨きグッズも用途によって使い分けるべきなんです。
そもそもドイツでは歯ブラシだけでなく、フロスのテレビCMもたくさん放送されています。根本から歯磨きに対しての意識や教育が違うんです。
日本人の歯磨き意識は根本的に変えていかなければならないと思っています。日本の成人は8割が歯周病だとも言われてますからね。
──うわ、確実にその8割に入っているだろうな。なんとか少しでも解消していきたい……!
ちなみにキシリトールガムなどの健康を保つための食品系も効果的であるとのこと。ただし、キシリトール100%入りのものがおすすめ。
コンビニで売っているものでも効果はもちろんあるが、嗜好品としての要素が強いという。
【Q2】歯磨きグッズをそろえるなら、まずは何を買えばいい?
──「海外では6~8種類のアイテムを使い分けている」と教えてもらいましたが、一気にそろえるのはちょっと大変だな……。
酒向
良い歯磨き習慣を始めるコツは、歯ブラシと歯磨き粉に加えて「まずはアイテムを一つだけ増やしてみる」ことです。
フロスやワンタフトは歯磨きの習慣化ができていない人が買っても、いずれは使わなくなってしまいます。特にフロスはおすすめしても続けてくれる人がかなり少ないんです。
──あ~、確かに僕も歯医者にフロスを勧められて買ったことがあるんですけど1回だけしか使いませんでした。
酒向
そういう方は多いんですよね(笑)。
なので、まずはリンスだけを購入することをおすすめします。
手軽で爽快感も得られ、口内環境が良くなっているのもわかりやすいので続けやすいでしょう。
「コンクールF」
「システマ薬用デンタルリンスNa」
酒向
リンスを使っていないなら、まずは「コンクールF」を買ってみてください。入っている成分が万人向けなので歯科医でおすすめされることもあります。
ノンアルコールの商品がよければ「システマ薬用デンタルリンスNa」がいいでしょう。
──リンスのアルコールありとなしってどう違うんですか?
酒向
本当はノンアルコールのものがおすすめです。アルコールが入っていると収れん効果で唾液が出にくくなってしまい、口内環境的には良くありません。
しかし、アルコールが入っていると爽快感が得られるため「また使ってみよう」と思える気持ち良さがあるんですよね。
ですので、まずはアルコール入りのリンスを使ってみて、気持ちの良い体験をして習慣化しましょう。慣れてきたらノンアルコールのリンスに移行してみてはいかがでしょうか。
【Q3】自分に合った歯ブラシはどう選べばいい?
──僕はなんとなく買った電動歯ブラシを使っている状態なのですが、手磨きとどっちがいいんでしょうか?
酒向
歯並びが悪いのであれば手磨きにしましょう。電動は歯に当たる部分が大きいので、細かい掃除は苦手です。
部屋の掃除でも手で掃除をした方が細い部分まで届くじゃないですか? それと一緒です。
──なるほど! 部屋の掃除で考えると当たり前の発想ですね! どうして歯だとそんな単純なことに気が付かなったんだろう……。
酒向
そもそも電動歯ブラシは身体が悪い人のために作られたものです。高額だったのでお金持ちが使うものでした。そういった富裕層の方は歯並びも良いため、電動歯ブラシでもキレイにすることができたんですね。
電動歯ブラシ用の歯磨き粉
酒向
それと、電動歯ブラシを使うなら専用の歯磨き粉を使ってください。研磨剤が少なくなっているので余計に歯を削る心配もありません。
こちらがワンタフト
歯並びが悪いのであればワンタフトを使うのもいいでしょう。歯の裏や重なっている部分を磨くのに向いています。
ワンタフトは海外では歯ブラシと同じくらい使用されています。初めて買うならライオンの「EXワンタフト」がいいと思います。
──お話を聞いて電動をやめて手磨きにしようと思うのですが、最初に買うのに適している歯ブラシはありますか?
酒向
まずは「ルシェロ」の歯ブラシをおすすめします。硬さは「ふつう」がいいですね。
ルシェロの歯ブラシは先が尖っていて、ワンタフトと同じような働きも同時にしてくれます。
──歯ブラシの毛の堅さ、「やわらかめ」「ふつう」「かため」はどう選べばいいんでしょう?
酒向
歯茎が弱っている人は「やわらかめ」。
歯が健康な方は「ふつう」から「かため」がゾーン。最初は「ふつう」から入っていただいて、歯の表面がザラザラするとかであれば「かため」を選んでも構いません。
──ちょっと歯石がたまっているかな~、というときは「かため」?
酒向
なかなか難しいんですが、「かため」は確かに汚れは落ちるけど、お掃除で傷つけたくない面は「かため」でやらないでしょうと話します。
絶対に変わらない基本は、若いときに「ふつう」を使っていたら、年齢とともに老化するので、徐々に「やわらかめ」にしていきなさい、と教えています。あとは決まりはありません。
ちなみに取材が終わってからルシェロの歯ブラシを使い続けているが、電動歯ブラシよりも圧倒的に自分に合っている。
歯の裏などを磨くときに、尖っている部分が的確に当たっている。それがわかって気持ち良い。さらに横幅が狭いため歯を1本1本磨くのにも適している。
歯並びの悪い人は試しに1回使ってみるといいかもしれない。
【Q4】フロスや歯間ブラシは使った方がいい?
──リンスに慣れてきたら、口内ケアアイテムとしてフロスや歯間ブラシも使った方がいいのでしょうか?
酒向
もちろんです!
よくお客さんから「子供にフロスを使った方がいいですか?」と聞かれることもあるのですが、お子さんでも使用するべきです。
日本のフロスの使用率は20%、歯間ブラシの使用率は25%ほどで、先進国だけで比べると世界最低なんです。
──そもそも使い方もよくわかっていないのですが、どのくらいの頻度で使うものなんでしょう?
酒向
フロスは可能なら毎回です。ただ、先ほども言ったように習慣化できていない人は使い続けることが難しいので、まずはリンスを使い続けるところから始めてほしいです。
フロスもたくさんの種類がある
「ウルトラフロス」
酒向
フロスは歯ブラシと同じで細いタイプ、太いタイプ、平べったいタイプ、スポンジ状、マイクロファイバーなど、さまざまなタイプがあります。
もし初めて使うのであれば「ウルトラフロス」をおすすめします。ハンドル付きで使いやすいのでビギナーにはぴったりです。
ルシェロのフロス
自分で切って指に巻き付けて使う。ミントワックスの味が付いていておいしい。
酒向
ウルトラフロスで使い方に慣れてきたら、指に巻き付けてつかうタイプのフロスがいいでしょう。自由に扱うことができるので、より細かい部分の掃除ができます。
ルシェロのフロスはマイクロファイバー繊維で汚れもしっかり落とせますよ。
歯間ブラシも種類がたくさんある
──フロスと歯間ブラシは用途が似ている気がしますが、どう違うのでしょうか?
酒向
歯間ブラシは歯茎の隙間が空いてきた人に向いています。歯間ブラシのコーナーを探してみるとわかると思いますが、子供用の歯間ブラシってほとんどないんですよ。
──あ、本当だ!
酒向
フロスでしっかり汚れがとれていれば歯間ブラシは使う必要はありません。歯間ブラシは金属がついているので、若いうちから使いつづけていると歯が摩耗してしまう可能性もありますし。
年齢が若いうちはフロスでいいでしょう。
【Q5】口臭が気になる場合は、舌磨きをした方がいい?
──口臭が気になるのですが、舌磨きってやった方がいいんでしょうか? たまにネットで「やらない方がいい」という意見も見るのですが。
酒向
口臭予防には効果がありますよ。それ以外にも自浄作用や免疫を高める効果があります。日本人は口臭を気にする人が多いので、日本人向けの商品だと言えます。
おすすめはハイザックの「舌ブラシ」
酒向
舌を触ってみるとわかると思うんですが、表面がザラザラしているでしょう? そこに細菌や食べかすが詰まっていき、虫歯の原因になることもあります。舌ブラシはそれらを掃除する役割もあり、口臭だけでなく虫歯予防としても効果があります。
酒向さんは歯ブラシの知識だけでなく「いかに習慣化するか」という手段にも納得がいく答えを持ち合わせている。
お店に行けば直接アドバイスをもらえるので、これから口内予防を考えている人は行ってみてほしい。
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自分の歯磨き習慣を見直して、おすすめのアイテムを使ってみる
酒向さんのアドバイスを参考にして、おすすめの商品を買って使ってみることにした。自分の歯磨き習慣を少しずつ変えていこうと思う。
歯磨きグッズを使っていく大まかな方針を決めた。
・ワンタフトとフロスは時間に余裕があるときに使用するようにする
・口臭が気になるので舌ブラシは毎朝使う
「よし! 今日から歯ブラシグッズを使うぞ!!」と気合を入れるだけだと、絶対に続かないので、どのアイテムをいつ使うのか計画を立てた。
・歯ブラシ:朝・昼・夜の3回
・リンス:朝・昼・夜の3回
・舌ブラシ:朝の1回
・ワンタフト、フロス:時間のあるときに
良い歯磨き習慣を続けるコツとして「虫歯予防は朝、歯周病予防は夜」を覚えておくといいと教えてもらった。
つまり「朝はリンスを使い、夜はフロスを使って掃除をする」というような指針を立てるといいとのことだ。わかりやすい。
忘れないように冷蔵庫に貼って歯磨きグッズを使った生活を1週間やってみた。
「歯ブラシってこんなに気持ちいいのか」歯磨き習慣が良くなりそう
・おすすめしてもらったルシェロの歯ブラシが本当に気持ちいい。歯の裏や表面の奥に当たっている感じがよくわかる。
・歯並びの悪い人はワンタフトが本当におすすめ。鏡を見ながらやれば歯と歯の隙間を磨くことができる。もっと早く使っていればよかった。
・フロスを使うのは大変。1週間使ってみてもいまだに慣れてない。あとたくさん血が出る(最初は血が出やすい人が多いらしく、悪いことではないらしい)。
・ルシェロのフロスはミント味が付いているのでおいしい。甘い歯磨き粉をなめていた幼少期を思い出す。
・リンスすら使うのが面倒くさいと思うときがある。
1週間やってみると酒向さんが言うように「習慣化するのは難しい」ということがよくわかる。
慣れてないのでフロスを使うのが面倒くさい作業だと思ってしまう。
ただ、口内環境が良くなっているのは確実に感じる。朝、起きたときに口の中が乾いている感じがしない。逆に「今までどのくらい口が臭かったんだろう……」と急に不安になってきた。
今回の取材でルシェロの歯ブラシと出会えたのは本当に大きかった。
「手磨きってこんなに気持ちいいのか……」という当たり前のことを思い出させてくれた。適当に使っていた電動歯ブラシをやめられて心から良かったと思う。
フロスも使い始めてみて良かったアイテムの一つだ。
何が良かったって自分の口臭を改めて確認できたのである。フロスを初めて使った後に糸の匂いを嗅いでみるとめちゃくちゃ臭かったのだ。
こんなこと不特定多数が見ている記事で言いたくはないが、自分の口臭に辟易した。下水かと思った。
そんな僕の下水口であったのだが、ほかの歯磨きグッズと並行してフロスを使っていくうちにだんだんと改善されていっているのがわかる。臭いがしなくなってきた。
フロスを使わなかったら下水として一生を終えるところだったかもしれない。危ない。口臭が気になる人は一回やって、臭いで悶絶してほしい。
歯磨きに少し気を遣って生活していると、歯並びだったり、ホワイトニングだったりに興味が出てくる。1回こだわり出すと切りがない。
ただ、矯正の値段を調べると改めて驚く。本当に高い。やっぱり小さい頃からケアするのって大切だ。
自分の疑問も解決できたし、誰かのためにもなるかもしれない記事が書けたし、インタビューも楽しかった(「仕事と同時に買い物もできてよかったぜ!」なんて心にも思っていません)。
歯磨き習慣も良くなっていきそうだし最高だ!
撮影(インタビュー、店内):関口佳代
編集:はてな編集部
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※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。