部屋で花と過ごすようになって、生活や心境に変化が生まれた。私たちの「花のある暮らし」

リリース日:2022/08/16 更新日:2024/08/06

“おうち需要”の高まりで「花を育てたい」という人が増えています。とはいえ「花のある暮らし」は、生活にどのような影響を与えてくれるのでしょうか。部屋で花を楽しむ3人に、花を飾ることで生活や心境にどんな変化があったかを語っていただきました。

  1. 花に水をあげていたら、マクロレンズが“生えて”きた(OKPさん)
  2. 緊張感とリラックスをバランスよく感じられるようになった(JUNERAYさん)
  3. 花を飾ることで、心の余裕を自覚できるようになった(annaさん)

こんにちは、Fun Pay!編集部です。

 

近頃は、リモートワークなどで1日の大半を自宅で過ごすことに慣れてきた人も多いはず。ですが、 そんな日常に少しマンネリを感じているのではないでしょうか?

 

そんな人におすすめなのが、部屋に彩りを添えてくれる花や観葉植物。 最近は“おうち需要”が高まっていることから、花や観葉植物を育ててみたいという人が増えているそうです。

 

とはいえ、花のある暮らしが実際にどんな影響を与えてくれるのかは気になるところ。

 

そこで今回は、部屋で花を楽しむ3名の方に、花を飾ることで自分自身の生活や心境にどのような変化があったかを語っていただきました。あわせて、これまで育ててきた中でも印象に残っている花や、これから花と暮らしたい人に向けた選び方・育て方にも触れていただきます。

花に水をあげていたら、マクロレンズが“生えて”きた(OKPさん)

OKP

東京在住のフリーランス編集者、主夫なブロガー。釣りや登山などのアウトドアと音楽、カメラが趣味。ブログ「I AM A DOG」で、趣味や日々の食事について発信中。

 

ブログ:https://moognyk.hateblo.jp/
Twitter:@iamadog_okp

編集者で主夫のOKPと申します。趣味の登山や写真(カメラ)について日々ブログを書いているブロガーでもあります。これまで家で花を飾ることはありませんでしたが、2020年4月ごろから、花のある生活を送るようになりました。

きっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛。今年の花見シーズンはどうなるのかと思い始めた3月末、桜の盆栽を買って自宅で花見を楽しむ家族のニュースを見て、「これはいいかも!」と通販サイトで注文したことが始まりです。

 

これがとても良い体験だったので、以後自宅のリビングに花を飾ることが増えました。選ぶ花にこだわりはなく、手頃な価格で売られている花束を買ってくることが多いです。

私の生活を彩ってくれた花

自宅にいつも花があることでステイホーム中には趣味の写真撮影の対象にしたり、ブログで紹介するカメラ機材のテストなどでも花を被写体にすることが増えました。その中でも印象的だった花を2つ紹介したいと思います。

旭山桜の盆栽
届いて開封直後の桜の盆栽

やはりきっかけになった桜の盆栽は外せません。「旭山桜」という品種だそうです。

 

当初は鉢の真ん中にまっすぐな木の棒を突き立てたような味気ない姿にどんなものかと思いましたが、みるみるうちに蕾が膨らみ、驚くぐらいにたくさんの花を咲かせてくれました。朝起きると新しい花が咲いているのがうれしかった!

小さな盆栽ながら八重咲きの花をたくさん咲かせてくれ、ステイホーム期間の我が家を明るく彩ってくれました。その間、自宅での花のマクロ撮影が楽しくなり、うっかり新しいマクロレンズを買ってしまったりも……。

「マクロ撮影」というと何か特別で難しいことのように思われるかもしれませんが、要は普通より被写体に寄れるレンズを使って大きく写すだけのこと。特に花はマクロレンズで寄ってみると、肉眼では気が付かない細かな毛だったり、しべや花粉、光を透かした花びらや葉の美しさに出会うことができます。

屋内での花の撮影は被写体が風で動いてブレることもないので、難易度も低め。その際は小型の三脚があると、手ブレを気にせずじっくりマクロ撮影を楽しめます。

霧吹きで濡らした花を撮影。こちらは旭山桜とは別の花

ほかにも演出用の小道具として、霧吹きやLEDライトがあると撮影のバリエーションも増えるのでオススメです。

桜の盆栽は、花が終わった後も葉桜の鮮やかな新緑があったり、落ちた花がら(咲き終わってしおれた花)を集めてコラージュっぽい写真を撮ったりと随分楽しむことができました。来年の春も再び花を咲かせてくれるのが楽しみです。

 

しかし、盆栽桜の花がすべて散ってしまうと、家の中に花がないことが少し寂しく感じるようになりました。そこで目をつけたのが、花のサブスクリプションサービス。知り合いのブロガーが紹介していたのを見て「これは面白そう!」とお試しコースに申し込んでみました。

このような感じで定期的(利用したサービスでは毎週か隔週から選べました)に、セットになった切り花が届きます。

また、外出自粛による運動不足を補うべく、ウォーキングを組み合わせて少し離れたスーパーなどへ足を伸ばすようになったのですが、生活圏でかなり花が売られていることに気づきました。生花店だけでなく、スーパーでもお手頃な価格で花が売られているんですね(うちの近所では500円以下で、3種類ほどの切り花セットが手に入ります)。

 

定期的に花が届くサブスクも悪くなかったですが、届く花によって花の状態や持ちはまちまちなので、できれば任意のタイミングで花を買いたいと思うようになりました。結局、サブスクはお試し期間で終了して、以後は外で花を買い求めています。

エキノプスリトロ(ルリタマアザミ)

こちらは、ステイホーム中に近所の農産物直販所で見かけて買った「ルリタマアザミ」。「アザミ」の名前で売られていましたが、野や山でよく見るアザミの仲間ではなく、ヒゴタイ属(エキノプス)の植物だそうです。

 

日本でもヒゴタイ属の花は九州などに自生しているそうですが、私はこんなに面白い姿の花を初めて見ました。ハリネズミというかウニというか、トゲトゲしたボール状の花。

青紫の開いた花も美しいですし、蕾の段階はまた一層トゲトゲ感があって見ていて飽きません。さらに、やたらと花持ちが良く、買ってきてから2週間以上飾り続けることができたのは今までこのルリタマアザミだけ。

 

農産物直販所でルリタマアザミを見つけて以来、花屋やスーパー以外の場所でも花が売られていることを気にするようになりました。また、同じ農産物直販所やドライブ先の道の駅などでも売られている花をチェックするように。そのような場所では花の量も多めなうえに、かなり安く売られているんですよね。

 

***

 

 

今年の3月から夫婦そろって在宅勤務になりましたが(私はもともと、基本的に在宅です)、ふとした瞬間、家の中に花があるのは良いものだと実感します。思いがけず趣味の写真との相性が良かったこともあり、外出自粛要請が緩和された今でも、好きなタイミングで花を買ってきて飾るゆるい距離感で花と付き合っています。

 

気になるのはやはり花の持ちで、1週間以上持つものもあれば買って数日でしおれてしまうことも。ネットで調べてみるといろいろと花を持たせる工夫はあるようですが(水揚げや薬剤など)、あまり手間を掛けずに楽しみたいと思っているので、気になったらトリミングしつつ、そろそろかなと思ったら買い物のついでに新しく購入しています。

 

今後も無理なく花のある暮らしを続けたいと思っていますし、来年の春には再び盆栽の桜が咲くことを楽しみにしています。

緊張感とリラックスをバランスよく感じられるようになった(JUNERAYさん)

JUNERAY

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの花屋。たまにライター。

 

ブログ:https://note.com/juneray
Twitter:@_June_ray

はじめまして、JUNERAY(ジューンレイ)です。都内の花屋で働いています。

 

花屋といっても日によって店頭にいたり、この世情を受けてリモートワークだったり、仕事の内容はさまざま。

 

花屋で働く以前から花を買って飾る習慣があるので、自宅と会社、店舗の往復で、気づいたときにはとんでもない量の花が家に溢れていることもあります。

購入する花は、仕事の忙しさに比例して月に3,000円から1万円分くらいまででしょうか。花をたくさん買ってしまったときは、あちこちに分けて飾るよりも、まとめて食卓に置くようにしています。濁った水が食べ物の近くに置いてあると嫌でも水換えしたくなるので、私のように水換えを忘れがちな方にはおすすめ。

今回は、花屋として花のある生活を楽しみ学んだことを紹介するとともに、これから家に花を迎える皆さんをちょっとだけ後押しできるようなお話ができればと思います。

私の生活を彩ってくれた花

デスクに花を飾って仕事をしていると、不思議と「見られている」ような感覚になることがあります。

 

人がいる場所だとなんとなく仕事がはかどるという方がいらっしゃいますが、もしかしたら花にもその効果があるかもしれません。部屋に自分以外の生き物がいるという感覚。リラックスと緊張感をバランスよく感じられるので、リモートワークをはじめてから、より近くに花を置くようになりました。

 

ひとり暮らしを始めて少し慣れた頃、「何か生き物と暮らしたいな」と思ったことはないでしょうか。花は、気軽に共に過ごせる最小の生き物だと思っています。手をかけてあげれば長生きしますし、命の儚さを感じさせてくれる存在でもあります。



もう何年も花を飾る生活を続けていますが、その中でも特に思い入れの深い2種を紹介させてください。

雲竜柳(ウンリュウヤナギ)

1つ目は「雲竜柳(ウンリュウヤナギ)」。写真のもので1.3mほど。動きのあるしなやかな枝です。

 

テレビで俳優さんが「切り花は残酷なイメージがある」と仰っているのを聞いてから、なるほどそういう考え方もあるなあと思っていたのですが、そんなネガティブなイメージを吹き飛ばしてくれたのが雲竜柳でした。

 

お正月に金色や銀色に塗られて出回るのですが、2枝ほど買って帰ったら、なんと翌週、緑色の新しい葉っぱが。そのまま水に活けていたら根っこが出てきたので、ついに土に植えて育てました。

今は家族の勤め先の庭に地植えされていますが、「切り花もしたたかに生きている」と思えたきっかけでした。

自由気ままに伸びた枝や、日に日に伸びていく赤い根を見ると、自然の一部を閉じ込めて部屋へ借りてきたような不思議な気持ちにさせられます。

 

自然と共存する居心地のよさと、生まれたての根と葉に気遣いながら世話をする日々のルーティンは、本来の意味での「植物のある暮らし」ではないでしょうか。

チューリップ

こちらも「したたかに生きている」シリーズです。飾ってみたことがある方ならご存知かもしれませんが、「チューリップ」は水に生けていると茎が伸びてくるんです。

 

昨日まで花瓶でシャン! としていたのに、朝見たら脱走しようとしてたの? というくらい花が飛び出ていたりして。ブーケにする際も、放置するとほかの花より頭ひとつ分出てしまう、かわいい曲者です。

チューリップは陽の光を受けて開花し、夜にはまた閉じる習性を持ちます。「花屋では花が開いていないチューリップを選ぶと良い」と仰る方もいらっしゃいますが、この性質上、開いている=古いというわけではありません。

 

一緒に暮らすと、早寝早起きの動物が部屋にいるようで面白いものです。朝起きると全開の姿で迎えてくれて、夜には眠るようにひっそりと閉じて。

 

とはいえ、そんなサイクルを何回か続けたら、チューリップの大きな花弁はばたばたと音を立てて落ちてしまいます。短命を知っている生き物のお世話をするのは美しくも緊張感があり、毎日背筋が伸びるような気持ちです。

 

細長い花弁にフリルをあしらったようなパロット咲きや、豪奢に開花する八重咲きなど、ここ数年だけ見てもバリエーションは驚くほど増えました。例年秋の終わりから春先にかけて花屋に出回りますので、お気に入りの子を連れて帰ってみてください。

 

***

これは、私が花を飾り始めた頃の写真です。花瓶が足りなくてワインボトルに差していたり、包まれていたフィルムすら外さずそのままだったり。めちゃくちゃですが、楽しい飾り方だったなと思います。

 

これから花を迎えようという方によく相談されるのが、「花屋さんで注文の仕方がわからない」と「お手入れできるか不安」の2つ。

 

前者については店員さんに「1輪だけでも買えますか?」と聞いてみてください。「プレゼントで1輪挿しをもらってしまって……」のような嘘も方便です。

 

「もちろんです」と笑顔で答えてくれるスタッフさんがいたら、安心してゆっくりお花を選んでください。自宅に飾る花に正解はありませんので、とにかく直感でいいなと思ったお花、好きな組み合わせで買うのが正解です。

 

花のお手入れは実はとっても簡単で、とにかく花瓶の中を綺麗に保つこと。水槽の水を換えたり、鳥籠を掃除したりするような気持ちで、いつも新しいお水を吸わせてあげてください。

 

男性の方は特に「花なんてガラじゃなくて」と謙遜される方が多いですが、実のところ花屋にご自宅用のお花を買いにいらっしゃる男性は年々増えていますし、私たちも大歓迎です。

 

一度花を買ってみると、そのハードルの低さにびっくりされるかもしれませんよ。ぜひ、花のある暮らしを楽しんでみてください。




花を飾ることで、心の余裕を自覚できるようになった(annaさん)

anna

デジタルクリエイティブ会社でPR・HRを務める傍ら、休日には楽曲制作&ライブと音楽活動を行う。元花屋。

 

ブログ:https://note.com/anna_ishr
Twitter:@anna_ishr

インターフェイスを作る会社でPRの仕事をしているannaと申します。最近は週2〜3日はリモートワークをしていて、家にいる時間が増えました。今年は同じような生活スタイルになった方も多いのではないでしょうか。

 

家にいる時間が長くなると、自宅を快適な環境にしたいと思うようになりますよね。コロナ禍でインテリアグッズや花の消費が増えたと聞きます。

 

私は以前花屋に勤めていて、その頃から部屋に花を飾るようになったのですが、最近は在宅時間が増えたので花を飾る頻度が高まりました。飾った花を充分に楽しめるようになり、在宅も良いな、なんて思っています。

自宅用の花はオフィスや自宅付近の花屋で自分で選びます。大体メインの花をまず決めて、それに合うサブの花、葉ものを決めていきます。よく目に入るように部屋の中央、洗面所、お手洗いなど、部屋の至る所に飾っています。

 

飾ったらまず写真を撮って、SNSに投稿しています。写真からでもその美しさが伝わるのか、癒されますなどのコメントをいただくことが多いです。

 

自宅用の花には、大体月に5,000〜7,000円くらいかけています。大体週に1回、1,000〜2,000円くらい購入しますが、疲れているときや自宅に人を招くときには少し奮発することもあります。

私の生活を彩ってくれた花

「花のある暮らし」をしていると、癒される、部屋に彩りが生まれるなどの効果はもちろんありますが、自炊することやコーヒーをいれることなどと同様に、花を飾ることで自身の心にゆとりを持てているかどうかがわかるようになります。

 

逆に、花が部屋になくなると、「あ、今自分は花を飾る程の余裕が持てていないんだ」と気付きます。私はそのように、花を飾ることを自分の心の状態を知るバロメーターとして捉えています。

 

今までさまざまな種類の花を飾ってきましたが、特に好きな花、思い入れのある花をご紹介します。

芍薬(シャクヤク)

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」という言葉があるように、「芍薬(シャクヤク)」の花姿の美しさは言うまでもありません。

 

勤めていた花屋の店頭で、チュッパチャプスのような小さな丸い玉が日に日に華やかに開いていく様に魅入っていました。部屋に飾ると芳醇な香りが部屋に広がり、すっかり芍薬の虜になりました。

 

勤めていた花屋のデザイナーに、少し花びらが開きそうになっているものを選び、蜜を拭き取るのが芍薬をきれいに咲かせるコツだと教えていただきました。

 

芍薬は母の日頃から夏前までの短い期間しか楽しめないのが残念です。毎年、入荷時期が来るのを楽しみにしている花の一つです。

トルコキキョウ

花屋の仕事で長野の「トルコキキョウ」の生産地を訪れたことがあり、その時生産者さんから聞いたお話や、大事に育てられているのを見て以来、トルコキキョウが好きになりました。

 

トルコキキョウは同じような形のバラなどに比べると知名度の高くない花ですが、たくさんの魅力を持つ花です。品種によって咲き方、形、色などがさまざまで、1本に複数の花がつき、和風にも洋風にも活けられます。

 

トルコキキョウは1年中入荷があり、いつでも入手できる身近な存在でもあります。夏でも比較的日持ちの良い花なので、夏はトルコキキョウやユリを飾ることが多いです。

 

***

 

今後は、いけばな(華道)での花飾りもしていきたいです。きちんと活けるにはお稽古に通い、知識や技術を習得する必要がありますが、ただ花瓶に挿すだけの花活けに飽きてる方にはいけばなをおすすめします。

私は、短期間ですが小原流を学び、そこで得た知識を普段の花活けにも活かしています。例えば枝ものなどの花材を選んだり、主・副の関係を意識して活けたりすると、「いけばならしい」花飾りが楽しめます。

 

 

花のある生活で、心が落ち着くといった変化はもちろん、もともとあった趣味がさらに充実したり、新たな興味が増えたりといった影響も見られるようです。

 

花を飾ってみたいと思っていた人は、これを機に気になる花を買ってみて、ぜひ「花のある生活」楽しんでみてください。

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※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

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