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キャンプ初心者にもおすすめ! 手軽に非日常を味わえる「徒歩キャンプ」のすすめ
イラストレーター兼キャンプコーディネイターとして活動するこいしゆうかさんが徒歩キャンプについて紹介します。ひとりでキャンプに行くソロキャンプのように、コンパクトな装備を心がけることがポイントとのこと。オススメギアの提案ほか、キャンプ初心者が意識するといい点も解説しています。
- キャンプ=ファミリー向け?……ではなかった!
- クルマがなくても楽しめる「徒歩キャンプ」のすすめ
- 徒歩キャンプをより楽しむための、こいし的オススメギアたち
- はじめての徒歩キャンプで意識しておくといいこと
- さいごに
はじめまして。イラストレーター、キャンプコーディネイターのこいしゆうかです。イラストレーターとしては、主にエッセイ×実用書を混ぜたような漫画を執筆しています。主な著書に『カメラはじめます!』(サンクチュアリ出版)や『そうだ、キャンプ行こう』(スタンダーズ)などがあります。
また、聞きなれない人もいると思いますがキャンプコーディネイターとしては、主にラジオやテレビなどでキャンプに関しての紹介をしたり、メーカーとコラボをしてオリジナルデザインのテントを製作したり、生涯学習の講師としてソロキャンプ(ひとりで行くキャンプのこと)を教えたりしています。
今回はキャンプ初心者にもおすすめの、「徒歩キャンプ」について紹介しようと思います。
キャンプ=ファミリー向け?……ではなかった!
もともとはゲームと漫画が大好きなインドア派な私とキャンプの出会いは約10年前。当時勤めていた会社の上司に無理やり連れられたのがきっかけです。
当初、「キャンプはファミリーが子供のために一緒に行くというイメージ」が強かったのですが、実際行ってみると(そのキャンプ場がマニアックで玄人向けだったせいもありますが)、大人だけでのんびりしている人が多くいたのが衝撃的でした。
夜は焚き火をじっくり楽しみ、早朝朝焼けを見ながらコーヒーをすする、そんな自然の中で過ごすキャンプという遊びがとても魅力的に感じました。「これだったら私もやりたいな」と。
ただ、その上司の装備はよくあるファミリーやグループで行くオートキャンプ(クルマで行くキャンプ)のスタイルで、道具が大きく重いものばかりでした。また、テント場について設営に1〜2時間、撤収もそのくらいかかるため、1泊2日のキャンプはのんびりというより忙しいなと感じるほどでした。
また、「キャンプはクルマがない(運転できない)と楽しめなさそう」という心配もありました。電車やバスなどを利用して行けるキャンプ場だとしても、道具が重たいと自力で持っていくのは大変です。
当時、私はまだペーパードライバーに近くあまりクルマの運転に自信がありませんでした。ただ、自分のクルマは持ってないけれど(もしくは免許を持っていない、運転に自信がない)、キャンプに行ってみたい! と思うように。
じゃあ、荷物をコンパクトに、軽くすればクルマを利用せず私だけでもキャンプができるかも? 準備も片付けも楽にしてしまえば、毎週のようにキャンプに行けるかも! と思いつきました。
そこでクルマを利用せず公共交通機関を使ってキャンプへ行くことを「徒歩キャンプ」と名付け、SNSでグループを作り私と同じような人たちと集うようにしたのです。
クルマがなくても楽しめる「徒歩キャンプ」のすすめ
徒歩キャンプをするには、荷物を背負えるよう最低限の装備にしなければなりません。徒歩キャンプをするときに個人的に最低限必要だと考える道具を紹介します。基本的には、ひとりで行くときも、誰かと行くときも荷物は自分用のものを持っていくようにしています。
徒歩キャンプに欠かせない道具たち
・テント……目安として重さは1kg 〜2kg 、サイズは1〜2人用のもの。余裕を持って寝るなら2人用と言われることもありますが、メーカーによって大きさは異なるため事前に確認を
・寝袋(シュラフ)……化繊よりダウン素材のもののほうが、サイズがコンパクトになる&軽い
・寝袋マット(シュラフマット)……空気を入れることで膨らむインフレータブルマットを選ぶとよい。サイズは自分の身長より小さくてもOK
・ライト……LEDランタンやヘッドランプなどがおすすめ
・チェア(イス)……ポールと布生地で組み立てるタイプのものを選ぶとコンパクトになります
・テーブル……高さが低めなものを選ぶとよい。持ち運びを考えると天板はA4サイズで十分。大きめテーブルがよい方はロール式(足がはずせて天板がくるくると巻けるタイプ)がおすすめ
・焚き火台……組み立て式でコンパクトになるものを選ぶとよい
・クッカー……調理器具。山用クッカーなどはフライパンと鍋がついていておすすめ
・バーナー……シングルバーナー(小型のバーナー)がおすすめ
・お皿(カトラリー)……アウトドア用カトラリーのシェラカップはコップにもお皿にもどちらにも使える
ほか、着替えやエマージェンシーキット、(夏場は)ソフトクーラーの持参を推奨しています。焚き火台は必ず必要というわけではないのですが、私の中で「キャンプを楽しむ装備」でもあるため、持っていくようにしています。
私の場合、持ち物が少ないためひとつひとつのデザインを吟味。特にチェアやテントは目立つものなので、お気に入りのデザインを選んでいます。ほかには、色味を少し意識しています。最近ではシックな配色で自然に溶け込むベージュやウッド色などのアイテムを集めています。
キャンプで使う食材は、現地周辺のお店などで購入。スーパーからキャンプ場まで遠い場合は簡易的なドライフーズや缶詰を持参してアレンジレシピ(例えばバケットにアンチョビをのせる)にしたり、バーナーを使った簡単な調理を楽しむことも。
ポイントは「個食個泊スタイル」!
ひとりひとりが自分のテントを持って、ご飯を作る装備も持って行く「個食個泊スタイル」で徒歩キャンプに行くと、仲間との距離感がちょうどよくてオススメです。道具のシェアをしていないから現地集合・現地解散もでき、テントも別々なので寝る時間や起きる時間なども気を使わずにすみます。好き嫌いも関係なく自分が食べたいものを作って食べる(ときには分け合うことも!)……なんてことも。そんな適度な距離感が、よりキャンプ仲間の親交を深めたように思います。
ひとりひとりが自分のテントを持って、ご飯を作る装備も持って行く「個食個泊スタイル」で徒歩キャンプに行くと、仲間との距離感がちょうどよくてオススメです。道具のシェアをしていないから現地集合・現地解散もでき、テントも別々なので寝る時間や起きる時間なども気を使わずにすみます。好き嫌いも関係なく自分が食べたいものを作って食べる(ときには分け合うことも!)……なんてことも。そんな適度な距離感が、よりキャンプ仲間の親交を深めたように思います。
荷物をコンパクトにするには?
キャンプ道具の特徴としてコンパクトで軽量なものは値段が高くなりがち。例えば寝袋の場合、化繊よりダウンのほうが軽くコンパクトですが、化繊よりも高価になります。最初からすべてコンパクトなものを買いそろえるのは大変なので、上記の必要な道具を買いそろえたあと、少しずつコンパクトなものに買い直すなどして、時間をかけていきました。
それと、秋シーズンは防寒着が意外にかさばります。初心者の頃は、普段着ているような厚手のニットやジャケットを持って行ったため荷物がかさばっていましたが、最近は、登山で着るような機能的なウェアにしています。コンパクトになるダウン上下を防寒着にし、肌に触れるものはメリノウール(保温もあり、透湿性がよく汗をかいても体が冷えにくい)にするなど工夫して荷物を減らしました。また、ホッカイロをお守り程度にザックにしのびこませておくのも効果的です。
また、最初はキャンプの経験値がなく「あれも必要かな、寒かったらどうしよう」という不安から持って行く荷物が増えていましたが、経験を重ねると「今回はこの装備でよし」というイメージを持つことができるようになりました。
最初のうちは60L のザックに加え大きなトートバックも必要としていましたが、今では45L のザック1つでも行けるようになりました(ザックは伸縮性があり、必要なときは55L まで収容可能。季節やそのときのキャンプ内容に合わせ、物を入れています)。
荷物をコンパクト化したことで、クルマに縛られることがなくなりました。
そのため電車だけではなく高速バス、船、飛行機など、さまざまな交通手段を選ぶことができます。特にクルマが乗せることができない船で行く島キャンプは徒歩キャンプスタイルにぴったりの場所です。
ただ荷物をコンパクトしても、ザックはある程度の大きさがあります。そのため公共交通機関を利用する際には、ラッシュ時の通勤時間帯は避けたり、列車の最後尾などに乗り込み端にザックを置くようにしたりなど、配慮をしています。
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徒歩キャンプをより楽しむための、こいし的オススメギアたち
ここで、私がオススメで愛用している徒歩キャンプにぴったりなこいし的ギア※をご紹介します。道具を選ぶポイントは、コンパクトで軽量かだけではなく「快適性」や「自分がしたいキャンプスタイルに合っているか」なども大切にしています。
※ギア……キャンプ用語では道具を指す。道具の中でも欠かせないものをギアと指すことが多い
1. 焚き火台「ワイヤーフレーム」(モノラル)
コンパクトな焚き火台がさまざまなメーカーから販売されていますが、その中でも私が愛用しているのはモノラルの「ワイヤーフレーム」です(約17,000円で購入できます)。コンパクトに収納できるだけではなく、キャンプ場などで市販されている薪を焚き火台の上にそのまま載せられる受け口のサイズの広さが気に入っています。コンパクトすぎる焚き火台だと木の枝しか燃やすことができず、のんびり焚き火を鑑賞するにはあまり不向きなため、ある程度太い大きめの薪を載せられることは私にとって重要なポイントです。
それまでは焚き火台に合わせてナタで薪を細かくカットする手間がかかっていましたが、それがなくなり、より焚き火でまったりする時間が増えました。
2. LEDランタン「たねほおずき」(スノーピーク)
直径62mm のコンパクトさにもかかわらず、光の範囲が広く明るいLEDランタン。タープ(日差しや風、雨などを防ぐための屋根代わりとなるキャンプ道具。主にポールを使って設営する)のポールに1つつけたら全体をふわっと明るくしてくれます。温もりのある光は、キャンプの夜シーンにぴったりです。
本体上部はマグネットキャッチになっているので、ポールや洋服の布の一部など比較的いろいろな場所につけられるのも利便性が高く気に入っています。こちらは、約4,000円で購入可能。
3.軽量テント「PANDA」(テンマクデザイン)
女性でも簡単に設営ができるワンポール型というタイプです。広い土間を兼ね備えており、ただ寝るためでなく「過ごすこと」に特化したテント。天井が高く、前後にも扉があるため風通しもよく過ごしやすいですし、コンパクトで約2.2kg と比較的軽いため、徒歩キャンプにおすすめです。約20,000円で購入できます。
キャンプでしたいことに合わせて、道具をカスタムする楽しさもある
慣れてくると、場所や移動距離などのTPOに合わせて道具を毎回カスタムして持って行くことも多くあります。
例えば林間サイト(キャンプ場で実際にキャンプを行う区画のことを「サイト」と呼び、林間サイトは森林のフィールドを指す)のあるキャンプ場だからハンモックを持って行く、燻製を楽しみたいから小さな燻製機を用意する……など、そのときのキャンプで何をしたいかなどによって道具を変更します。
そのときそのときで、道具を使う楽しさもプラスされます。
それと、前述した通りコンパクトなキャンプ道具は少し値が張ります。ただ、自然の中で身を守ってくれる道具でもあるため、ある程度お金をかけて、コンパクトだけど機能性に優れていたり、軽いけど丈夫なものを選ぶ必要があるかな、と私は思います。
はじめての徒歩キャンプで意識しておくといいこと
はじめて行く徒歩キャンプでの注意点や意識したほうがいいことをいくつか挙げたいと思います。
キャンプ場の「周辺」情報もチェックすべし
「駅(もしくはバス停など)から歩ける距離にあるか」というのは恐らく皆さん調べるかと思いますが、「スーパーなど、買い物ができる施設が近くにあるか」という点も必ず事前にチェックしてください。
降りてみたら周りに何もなく、食材が買えない! なんてことがないように事前に周辺施設を調べましょう。また営業時間なども地方によってはとても短かったりするので確認しておくのがオススメです。それと、近くに日帰り温泉などあると帰りに立ち寄ってさっぱりして帰宅できるので、日帰り温泉の有無もよく確認します。
上記の条件が合う、こいし的にお気に入りのキャンプ場としては
・氷川キャンプ場(奥多摩)……JR青梅線奥多摩駅から徒歩5、6分ほど。日帰り温泉も近くにあります。夏シーズンは混み合っているので冬がおすすめ
・大浦キャンプ場(式根島)……島全体が小さく、徒歩圏内に食材の購入場所やダイナミックな露天風呂があります
をおすすめします!
テントに荷物を置いて出かけるときは要注意
テント場について設営をしてから近くを散歩したり観光することもあるかと思います。不在にするときは外に出ているチェアやテーブルなどはなるべくテント内などに片付けましょう。コンパクトであればあるほど持ち運びやすく盗難の可能性もあります。
SNSの発信はリアルタイムにするべからず
ひとりでキャンプに行く場合は最も注意したい点です。女性がひとりでキャンプをしていることをリアルタイムで発信するのは避けたほうが無難かと思います。
防寒対策、虫除け、雨具は必須
夏の暑い日でも山や湖沿いなどは夕方に一気に冷え込むことがあります。また、暑いからといって肌を露出しすぎるのもNG。なるべくタイツを履いたり、長袖にしましょう。紫外線対策としても効果的ですがアブやブヨなどの虫対策にもなります。キャンプでは突然の雨に降られることもあり、洋服が濡れてしまうと体がそのまま冷えてしまうので雨具も必ず用意しましょう。
【番外編】キャンプフェスに行ってみる
キャンプ道具一式に、防寒着、食材も持って歩くのはなかなか最初はハードです。「何かあったら」という不安から荷物も余計に持って行き重くなってしまうことも多々あります。
そんなときにオススメなのはキャンプフェス(アウトドアフェス)。野外音楽フェスとキャンプを一緒に楽しむもので、ご飯などは出店ブースのものを買って食べれるので食材も最低限(多少は持って行くのがおすすめです!)持っていけばOK。少し気持ちが楽になります。
さいごに
キャンプをしよう! と思ったときに、キャンプ道具を買うことは最初のハードルです。
そんなときは、まず自分がしてみたい理想のキャンプを頭の中に描いてみると、必要な道具が見えてくる場合があります。「湖でハンモックキャンプ」、「島での釣りキャンプ」などテーマを絞ると自ずとそろえるべき道具が見えてきます。「いろいろしてみたい!」よりもまずは1つに絞ることも大切なように思います。
photo:INOMATA SHINGO
また、さまざまな地方でキャンプをすると普段見えてこなかった自然の違いが見えてくるようになります。だんだん自分が好きな自然を知っていくのも楽しいところ。道の駅に行くこともあるので、その土地での旬な食べ物を目にすることも増えます。地域によっての特色も楽しみながら日本のあらゆる自然や里を知ることもキャンプの楽しみの1つかもしれません。
今回ご紹介した徒歩キャンプは、クルマがなくても行けるため、キャンプをこれから始めたい人や、山でのテント泊練習としてもとっつきやすい楽しみ方だと思います。また、徒歩キャンプは船や電車、飛行機などを使って「自分の足」で目的のキャンプ場に向かうので、旅のような感覚を味わえるところも魅力。道具をたくさん持っていけない分の不安はありますが、それを乗りこえ、厳選した道具で自然と対峙する瞬間をぜひ味わってみてもらえたらなと思います。
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