暗号通貨
息子と一緒に世界に1つだけの「自分専用のイヤホン」を作ってきた(河相我聞)
俳優の河相我聞(かあい・がもん)さんが、身のまわりの品をオーダーメイドする連載です。今回は息子と一緒に、e☆イヤホンで「イヤホン」のオーダーメイドに挑戦。耳型を採って、ULTIMATE EARS(アルティメットイヤーズ)というブランドのイヤホンを作りました。
- 価格は約5万円~。高価な買い物にどきどきしながらもオーダーメイドするイヤホンを決定
- 正確な耳型を採るために、しばし無言でコミュニケーション
- 「もはや耳の一部分」と思うくらいのフィット感に驚くわたくしたち
- 身近だと思っていた世界も踏み込めば新しい世界がある
こんにちは、かあいがもん44歳です。
身のまわりのアイテムをオーダーメイドすることで、はたして日々の生活やモチベーションは変化するものなのか?
そんな好奇心からわたくしが初めてのオーダーメイドを体験するこの企画。
枕、スニーカー、と挑戦してきまして、第3回目となる今回は「イヤホン」をオーダーメイドしてきました。前回スニーカーを作って以来、オーダーメイドに興味を持ち始めた長男も前のめりに「やってみたい」と言ってきたので、一緒に作ることに。
わたくしは趣味でドラムを演奏したり音楽を聴いたりするのが好きなので、前からイヤホンのオーダーメイドにとても興味があったのですが、実は今までその世界に踏み込むことにとても躊躇しておりました。
なんせ、値段が値段なものでしたので。
え? イヤホンですよね? あの耳に入れるイヤホンですよね? ってくらいの値段なんですよ。
でもね、これまでオーダーメイドを体験したら、自分の知らない世界が想像以上に広まってきましたからね、そう思って今回も飛び込んでみたら、
またもや新しい世界が開けたので、みなさん、ほんと、これいいですよ。
「イヤホンをオーダーメイドしたら、聴こえる世界はどれぐらい変わるのだろうか」
それではご紹介します。
価格は約5万円~。高価な買い物にどきどきしながらもオーダーメイドするイヤホンを決定
はじめに、イヤホンのオーダーメイドというのは「カスタムIEM」というもので、よくミュージシャンがライブで耳につけているイヤモニ、つまりのところカスタム・イン(I)・イヤー(E)・モニター(M)のことでございます。
音響技師なども聴覚保護と正確な音をモニタリングするために使っているのですが、最近は音質の良さを求める若者にも人気になってきているそうです。
通常のイヤホンとの大きな違いは、自分の耳型を採って作るため耳にフィットしてとても高い遮音性を持ち、小さな音量でも音楽に集中できるのだそう。
この情報だけでもだいぶワクワクしますよね。電車の中などで音漏れの心配もなくワンランク上の音の世界に誘ってくれそうです。これはぜひに体験したい。
今回やって来たのは秋葉原にあるイヤホン、ヘッドホンの専門店「e☆イヤホン」さんです。
長男: 凄いね、イヤホンやヘッドホンだけでこんなに種類があるんだね。イヤホンとヘッドホンの専門店があるなんて知らなかった。
わたくし: 今回、イヤホンのオーダーメイドをしようと思うんだけど。
長男: 音が良くなるんだろうけど、オーダーメイドすると音の何がどのように変わるのかとても興味はあるよね。
わたくし: そうなんだよ。値段的にはハードルが高いんだけどね……。
長男: あー、自分の周りの友人は好きなものにはお金をとことんつぎ込んでて、イヤホンにお金をかけてる人は多いかも。この世界は追求したら深そう……。俺はいまの時点では1万円くらいのイヤホンで満足なんだけど……欲しくなるのかも。
わたくし: うん、このお店にいたら一日があっという間に過ぎそう。
ひと通りフロアを散策して、まずはオーダーメイドのイヤホンについて詳しく聞きました。紹介してくれたのは「イヤホン王子」と呼ばれるほどイヤホンに精通する、e☆イヤホンの岡田卓也さん。
わたくし: オーダーメイドのイヤホンを手がけているブランドって、いくつくらいあるのでしょうか?
岡田さん: 今、カスタムIEMのブランドは、約30ほどあります。
わたくし: ブランドだけでも約30……凄い数ですね。ちなみにお値段は10〜20万円代と幅がありますけど、値段によって何が変わるんでしょうか?
岡田さん: まず、中に入ってるドライバー(音を発生させるパーツ)の数が違いますね。簡単に説明しますと、ドライバーにはさまざまな種類があり、それぞれ低域や高域など得意とする特性が異なります。それらのドライバーを組み合わせることで「より良い音」の実現を目指しているのです。たくさんドライバーがあれば良いというわけではなく、その人の求めるものによって好みもあると思います。ちなみに最も安いものだと5万円台からありますよ。
わたくし: ドライバー? イヤホン初心者の私でも運転手とかネジまわしではないことはわかりますが、おそらく今日中にここで言うドライバーをきちんと理解するには難しそうなので細かな話は一旦置いておきまして、ちなみに一番高いイヤホンのお値段はおいくらになるのでしょうか?
岡田さん: オーダーメイドではないのですが、ウチでは「Erlkönig(エルケーニッヒ)」という60万円のイヤホンがあります。
長男: 60万円!! ……イヤホンだよね?
わたくし: もう既に訳がわからない世界に来てしまった気がするね……。とりあえずカスタムIEMの初心者としてはどの辺りから始めればよろしいでしょうか?
岡田さん: そうですね、今、ウチで一番売れていて、手始めのカスタムIEMとしてはこれがおススメです。
と紹介していただいたのはこちら。
ULTIMATE EARS(アルティメットイヤーズ)の「UE5PRO」
直訳すると「究極の耳」という素敵なブランド名ですな。お値段は……
税込67,800円~。比較的お手頃な価格ですね。
いや、わからないけど。
(60万円のイヤホンを見てしまったからか、とてもとても手頃な値段に感じます)
岡田さん: 最近は音楽好きの大学生や20代の若者が多いですね。音にこだわっている人が多く、なかには中学生もいたりします。
わたくし: 中学生までも……。需要が高いことはわかったのですが、すいません、初めて作るので……もう少しばかりお安いものはあったりしますでしょうか?
岡田さん: カスタムIEMではありませんが、イヤーピース(イヤホンの先端部分)だけを自分の耳型に合わせて作るというのもあります。このイヤーピースに対応したイヤホンと一緒に購入しても3万円台に抑えられます。
長男: じゃあ、俺はそれにしてみるよ。
わたくし: よし、ではわたくしは奮発して「ULTIMATE EARS」のカスタムIEMを作ることにしよう。
長男が作るのは、自分の耳型を元にこういったイヤーピースをオーダーメイドし、
別売りのSHURE(シュア)というメーカーのイヤホン「SE215SPE-A」の先端に取り付けるというもので、
サンプルのイヤピースをいろいろと付け替えて試した長男は「フィット感ってこんなに違うもんなんだ」と驚いておりました。
では、私はカスタムIEM、長男はイヤーピースのための耳型を採りに行くことにします。
正確な耳型を採るために、しばし無言でコミュニケーション
耳型はe☆イヤホンさんと同じビルの地下にある補聴器屋で採ります(耳型の採取には別途、税込5,400円がかかります)。
耳の検査をしてもらい、問題なければ耳の奥に綿を詰めてから、こちらの素材を耳に流しこみます。
そして、5分ほど待ちます。
会話をして口を動かしてしまうと耳の形が変わるので、無言でコミュニケーションを取っております。
と、コミュニケーションをとっているつもりです。
で、5分たって取り出したものがこちら。
その耳型をe☆イヤホンさんに渡して完了。
カスタムIEMはこちらの、たくさんの種類のデザインから選べます。中には、凝ったデザインもありますね。
ちなみに、自作のロゴや写真などの画像データをプリントすることもできるようです。
お支払いはクレジットカードで済ませて
約1カ月ほど届くのを待ちます。
|
|
「もはや耳の一部分」と思うくらいのフィット感に驚くわたくしたち
A month later
はい、こちらがオーダーしたカスタムIEMでございます。
おぉぉぉぉぉお、これが私の耳の形に合わせたカスタムIEMか……。ミュージシャンがステージで着けてるイヤモニと呼ばれるモノを趣味でオーダーメイドしてしまう日が来るなんて……夢にも思わなんだ!
長男の方はイヤホンに着けるイヤーピースが届きました。
対応のイヤホンにこのイヤーピースを着けるわけです。
早速、長男と一緒にオーダーメイドしたイヤホンを着けてみました。せっかくなのでスタジオを借りて視聴することに。
長男: やっぱり、耳型を採っただけあった。自分の耳にピッタリとフィットして奥までくるね。だから外の音の遮音性が高く感じる。
わたくし:いやほんと、まさかここまでフィットするのはビックリしたね、もはや耳の一部分かと思うくらいのフィット感だよ。父さんの方の遮音性もハンパないよ、これがイヤモニというものなのか……。
そして、いろんな音楽を視聴してみて感想を話し合いました。
わたくし: あーそれはとてもある。鼓膜により近い所にまで入ってるからかな、もう、鼓膜に直接届いてるかんじだよね、もうこの音の環境に慣れてしまったら戻れない気がする。
長男: そうだね、イヤホン自体の質を上げただけで低音の聴こえ方が違うし明らかに音質も良くなった。イヤホンを変えるだけでこんなに音が違うのはビックリするね。
わたくし: でも自分の耳に合わせて作ってるから、父さんのと君のを交換して聴き比べできないね。
長男: 確かに。音は好みがあるし、人によって聴こえ方も違うから良し悪しは難しいしね。しかし、この世界をこだわり始めたらとんでもない所まで行ってしまいそうだね。
わたくし: 今はスマホやiPadとかで音楽を再生して聴いているけど、多分、この再生するデバイスの方にもこだわったら、もう大変なことになると思う。オーディオのマニアがスピーカーだけでなくアンプにもこだわっていく、みたいな。きっといくらあっても足りない。
長男: あぁ、それはとってもヤバそう。でも、こだわっていくと音楽というものをちゃん感じることができるんだなぁ、と思ったよ。より作り手の世界観を感じ取れるんじゃないかと。あ、なんだか歌いたくなってきた。
と、まぁ、こんな感じのイヤホン談義で音楽スタジオにて長男と盛り上がりました。
あ、そうそう、ここでほんの少し私の趣味のドラムの話もしてよいですかね?
カスタムIEMを着けてドラム練習をしてみたんですけどね、これが、本当に良くて。
ドラム演奏しておりますとね、耳に本当に負担がくるんですよ。なんせ音が大きい楽器ですから。
何が良いって、遮音性が高いからイヤホンの音のボリュームを大きくしなくても良いのですよね。
プロのドラマーなどは、自分のイヤホンにメトロノームの音や、他の楽器の音を流しているのですけど、遮音性が低いイヤホンやヘッドフォンを使うとドラム自体の音が大きいので、イヤホンの中の音もどんどん上げることになってしまい、耳に負担がかかる、ということが多いんですよね。
でも、このカスタムIEMは遮音性がめちゃくちゃ高いし、耳の奥まで入り込んでいるから、イヤホンの音量を下げても一つ一つの音がしっかり耳に届くのですよ。
耳を大事にしたい職業の人や、音にこだわる若者が高いお金を出してでも使う理由がとてもよくわかりました。
いやほんと、わたくし、この機会にカスタムIEMを作れて良かった。
と、いうかカスタムIEMの中ではリーズナブルな価格のものでもこれだけ凄いと、ドライバーをさらに数多く搭載したモノはどんなことになるのだろう……いつか挑戦してみたいと思います。
身近だと思っていた世界も踏み込めば新しい世界がある
オーダーメイド企画、第3弾「オーダーメイドのイヤホン」いかがでしたでしょうか。
私はこの企画でオーダーメイドをするたびに自分に合うモノを探す楽しさを覚えました。
それと同時に自分に合うモノを探していると、知らない世界がどんどん広がってゆきます。
自分が今まで何となく知っていた世界も、踏み込んでみるとさらに深い所があるのですね。
こればかりは体験してみないとわからない。
今回のイヤホンには特にそれを感じました。
音にこだわりのある方は、是非にオーダーメイドして、そしていろいろと聴き比べてもらいたいです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
|
|
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。