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息子と一緒に、世界に1つだけのスニーカーを作ってきた(河相我聞)
俳優の河相我聞(かあい・がもん)さんが、身のまわりの品をオーダーメイドする連載です。今回は息子と一緒に前から気になっていた「スニーカー」のオーダーメイドに挑戦。自分の足に合ったサイズを知り、自分好みのデザインにスニーカーを作りました。
- ことの始まりは「趣味の散歩を楽しみたい」から
- 親子で同じサイズ・同じ形の足。デザインでどう個性が出るか
- 選び直しの繰り返し。膨大なデザインの組み合わせに翻弄される
- お互いの動向が気になるわたくしたち
- 「量産してもいいんじゃないか」と自画自賛しちゃうほどの満足感
- それから、数日後。カスタムオーダーした感想を長男に聞いてみました
どうも、かあいがもん44歳でございます。
身のまわりのアイテムをオーダーメイドすることで、はたして日々の生活やモチベーションは変化するものなのか?
そんな好奇心からわたくしが初めてのオーダーメイドを体験するこの企画。
※前回は枕のオーダーメイドをやってみました
今回はわたくしが以前からとても気になっていた「スニーカーのカスタムオーダー」を、オーダーメイドにあまり興味がない長男とやってきました。
出来上がったスニーカーがこちら。
これがですね、ひかえめに言ってとても良かったので、今日はそのお話をしたいと思います。
ことの始まりは「趣味の散歩を楽しみたい」から
散歩が趣味でよく歩き回るので、オーダーメイドしたスニーカーにしたらもっと毎日が楽しくなるんじゃないか。
例えばスーツとかだと着る機会が限定されてもったいないですけど、スニーカーなら普段から履くので利用シーンが多く、オーダーメイド初心者の私にとってはその良さを感じやすいのではないかと、前から気になっていたんです。
ところで“スニーカーのカスタムオーダー”とは、「スニーカーのデザインなどを自由にカスタムできるサービス」のことで、NIKEとかアディダスとか、いろいろなスポーツシューズメーカーさんでやられているのですよね。
わたくしは敬愛するドラマーが愛用していたことをきっかけに10年程前からニューバランスを履いているのですが、調べてみたら2017年からカスタムオーダーができるようになったみたいなので、今回はニューバランスで自分のスニーカーをオーダーメイドすることに。
実はウチの長男も普段からニューバランスを履いているので、興味がないか聞いてみました。
長男: いやいや、今は既製品で十分いいのがあるし、スニーカーにそこまでお金をかけたいとは思わないんだよなぁ。
わたくし: 自分の足に合ったスニーカーとかに興味ない?
長男: ないなぁ。靴は履いていれば履き慣れてくるじゃん。
わたくし: 確かに、履き慣れてはくるけど……。デザインとかもけっこう自由に変えられるんだってよ。
長男: へぇ~それは楽しそうだね。でも高そう。
わたくし: まぁ、あれだ、なんでも経験してみないと。あ、君の誕生日も近いし父さんと一緒にオーダメイドしてみないか? 靴をプレゼントするよ。
長男: うん、でも、あまりいいコメントは言えないかもよ。それブログか何かでしょ?
わたくし: それはいいよ、本当に正直に思ったことや感じたことを言ってくれて。父さんも初めてのスニーカーのカスタムオーダーだし、良し悪しは実際に体験してみないとね。
というわけで、長男の誕生日プレゼントもかねて一緒にオーダーメイドすることに。オーダーメイドによって日々の変化はあるのか、今の20代の声も聞いてみたいと思います。
親子で同じサイズ・同じ形の足。デザインでどう個性が出るか
早速、やって来ましたのは、ニューバランス原宿店。
ニューバランスさんでは『NB1』というスニーカーのカスタムオーダーがありまして、Made in U.S.A.の4つのモデル「997」「574」「990v5 (※1)」「300」からシューズを選んで、デザインをカスタムできます。
※左から「574」「300」「997」「990v5」
※1……2019年6月中旬からスタート予定。今回は特別に実物を見せてもらいました
値段は26,000円(税抜き)~で、アメリカの工場で職人さんが手作りして世界に1つだけのニューバランスのスニーカーが数週間で届くそうです。
……聞くだけでワクワクしますね。
工程は以下の通り。
【2】そのデータを参考に4種類のモデルからシューズを選択
【3】デザインをカスタマイズ
こんな3Dスキャナーに10秒ほど乗るだけで、足の長さはもちろんのこと、足の横幅や土踏まずの高さも計測。そして、このデータから何インチのサイズが自分に一番合うかを出してくれます。
ちなみにわたくしの足は土踏まずがけっこう低めであることが判明……。右足と左足で足の長さが5mm 違うこともわかり、中敷きで微調整することに。
さらに長男も測ってもらいましたら2人ともほぼ同じサイズ。
これ、出来上がったスニーカーを親子で共有できるかもしれませんね。
モデルは足の形をもとに横幅が広めの「574」を選びました。
長男も同じモデルを選んだので、親子で足のサイズもモデルも同じ。デザインのカスタマイズも同じようなのになったらどうしましょ。
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選び直しの繰り返し。膨大なデザインの組み合わせに翻弄される
というわけで、タッチパネルで各パーツの色や素材を選んでデザインをカスタマイズしていきます(素材は一部のパーツのみ)。
これが「え? この部分も変えられるの?」ってくらい細かく色や素材を変えられます。
合計17カ所の各パーツに対して4~48種類のカラーや素材を選べるので、その組み合わせ数は……無限ですね。店員さんから「後悔のないように思う存分悩んでください」と言われたわたくしたちは1時間ほど悩みました……。
なんと、かかとにある文字も変えられる。
メッセージを入れてプレゼント、というのも良さそうですね。
わたくし: ……普段は即決する方なんだけど、これは意外と悩むね……。
長男: うん、とりあえずいろいろやってみよう!
お互いの動向が気になるわたくしたち
数分後、わたくしは黙々と作業を進める長男をのぞいてみました。
わたくし: どう? できた?
長男: うん、方向性は決まったよ、自分の普段の洋服に合う色合いにしてみてる。
わたくし: へぇ、なかなかいいカスタマイズだね。
長男: このカスタマイズ、やればやるほどこだわりたくなってくるね。ここまで細かく自由に選択できるとは思ってなかったなぁ。
わたくし: そうなんだよ。オーダーメイドって、自分に合ったものを追求して追求して、どこまで追求できるかが、その後の満足度にすごく影響すると思うんだよね。
長男がわたくしのカスタマイズをのぞきに来ました。
長男: どう? できた?
わたくし: いや、なんかいかにもカスタマイズしましたってより、さりげないカスタマイズを目指してるんだよ。これがね、どこまでさり気なさを入れるかなかなか迷っててね。
長男: えぇ、それだと既製品にもありそうな感じじゃない? 店舗に置いてありそう、なんかとても普通だね。
わたくし: は? ありそうでないんだよ。いや、あったらとっくに買ってるんだよ! 店員さん、この色の組み合わせの既製品はないですよね?
店員さん: はい、ありません。
わたくし: ほら!
と、そんなやりとりを長男としながら、
自分たちのカスタマイズができました。
私のカスタマイズはこちら。
茶色を基調とした、フォーマルな衣装にも対応できそうで、シンプルなスニーカーを目指してみました。
あ、普通とか言わないでくださいね。
長男のカスタマイズはこちら。
普段着る服がシンプルなので、あえていつもは着ないような色を使ってみたそうです。
基本の色は緑で、ネイビーと赤と白を散りばめてありますね。
あとは支払いをして
(わたくしどものスニーカーは税抜き26,000円。値段だけ見ると安い買い物とは言えませんが、普段ニューバランスで買っているスニーカーは20,000円以上するものだったので、カスタムオーダーでもこの金額はうれしいですね)
注文内容が書かれた控えをもらいます。
長男の顔がなんだかとてもうれしそうです。
液晶の画面でカスタマイズしたものが、実際に作られて、現物になった時、どんな感じになるのかとても楽しみでもあり、もし、想像と違っていたらどうしようというドキドキもあり……あとは、スニーカーが届くのを待つだけです。
「量産してもいいんじゃないか」と自画自賛しちゃうほどの満足感
そんなわけで待つこと約3週間。冒頭でも紹介しましたが、こちらがカスタムオーダーしたスニーカーでございます!
すごくないですか? あのパネルでカスタムしたのがこのように作られるって。
長男: 自分のも我ながらいいカスタムだなぁ。いやぁ、自分のデザインにも大満足だなぁ。このデザインで売り出してもいいんじゃないかってくらいいい。ニューバランスで売り出してくれないかね。
わたくし: お、すごい自画自賛だな、うん、君のスニーカーもかなりいい感じだよ。ニューバランスは市販のものでも履き心地が良くて好きだったけど、今回ちゃんと自分の足を計測したこともあってか、より自分と一体になった履き心地だね。
という感じで盛り上がり、そのあとそれぞれの自分の私服に合うか、写真を撮ってみました。
少しばかりファッション誌を意識してます。
まずはわたくしから。
いや、いい! いい! いい! 普段着にもしっくりくる。
次は長男。
おい、おい、なに、遠く見てんのよ。
ファッション誌を意識し過ぎだろ。
でも、いい、いい、いいよ! かなりカッコいいとわたくしは思う!
届いた日はこんなふうに2人ではしゃいでいました。
それから、数日後。カスタムオーダーした感想を長男に聞いてみました
長男: 普段、既製品で買う時はなんとなくでサイズ合わせて買っていたけど、やっぱりできる限り自分の足に合ってる方がいいことが分かったよ。自分の足は横幅が広いから、横幅が広いモデルにしたらすごくフィットして歩きやすくなったし、デザインも自分だけのスニーカーって感じがしてとても愛着がわく。
わたくし: 父さんもますます散歩が好きになったよ。履くだけでテンションが上がるもんだね。ところでオーダーメイドに対して、気持ちの変化はあったかい?
長男: 最初、オーダーメイドは「いいものは作れるけど高い」っていうイメージがあって正直あまり興味がなかったけど、今回、オーダーメイドしてみて、高くても自分が納得のいくものができるから、オーダーメイドがあるものに関してはやってみてもいいなと思ったね。
わたくし: おぉ、オーダーメイドの楽しさをわかってもらえてうれしいよ! 少し早いが誕生日おめでとう! 何歳だ?
長男: 25歳! ありがとう!
長男にも喜んでもらえたし、いやぁ良かった良かった。
と、いうわけでオーダーメイド企画第2弾、いかがでしたでしょうか。
オーダーメイドは自分に合ったものや好みを追求していくだけかと思ってたんですけど、物によってはプレゼントすることにも向いてるなぁと、感じました。
プレゼントの仕方は難しいかもしれないですけど、一緒にお店に行って、恋人にプレゼントしたり、親にプレゼントしたり。デザインはすごく悩むと思いますけど、相手の好みを知るいいキッカケになったりするかもしれません。
今回みたいに、親子で一緒にオーダーメイドしに行ったりするのも楽しいと思いますよ。思い出もより一層深く刻まれますし。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
取材協力:ニューバランス 原宿
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