フラッシュクラッシュとは?過去の事例をもとに、原因と今後の為替市場

リリース日:2022/04/22 更新日:2024/10/10

フラッシュクラッシュとは為替や株価の急落のこと。取引が閑散としている時間帯を中心に、時々発生する現象です。ここでは最近のフラッシュクラッシュ事例とフラッシュクラッシュが起きやすくなった理由を紹介します。

フラッシュクラッシュとは?過去の事例をもとに、原因と今後の為替市場
  1. フラッシュクラッシュとは?
  2. 過去に起きたフラッシュクラッシュの事例
  3. フラッシュクラッシュの原因
  4. フラッシュクラッシュは今後も頻繁に起こるのか?

フラッシュクラッシュとは?

フラッシュクラッシュとは?

フラッシュクラッシュとは、株式投資やFXなどの相場で時々発生する急落相場のことです。急落といっても一般的な下落相場と違い、数秒・数分の間に大きく下落するため損切りが間に合わないこともあります。

 

近年では、FXでフラッシュクラッシュが何度かありました。日本時間の早朝に発生している傾向です。フラッシュクラッシュの予測は非常に難しく、さらに大きな損失を招きやすいため、注意が必要です。

過去に起きたフラッシュクラッシュの事例

過去に起きたフラッシュクラッシュの事例

過去に起きたフラッシュクラッシュの事例をいくつか紹介します。どれも一瞬の出来事のため、対応の難しい相場でした。

 

・2016年10月7日に起きたフラッシュクラッシュ

2016年10月7日は、イギリスの法定通貨のポンド相場でフラッシュクラッシュが起きました。日本時間の午前8時頃、ポンド/ドルは一時1ポンド=1.1841ドルになり、約6%の下落を記録しました。

 

このフラッシュクラッシュはポンド/円にも波及し、1ポンドが131円から124円になり、大幅下落を数分で記録しています。原因は明確にはわかりません。

 

・2019年1月3日にドル円相場が急落

2019年1月3日、日本は正月休みで市場参加者の少ない日でしたが、同日早朝にドル円相場でフラッシュクラッシュが起きました。わずか数分で1ドル108円台から103円台へ急落したのです。原因は、アメリカのApple社が発表した売り上げ予想を下方修正したためと考えられます。

 

このフラッシュクラッシュで、買いポジションを持っていた多くのトレーダーがロスカットにあう事態となりました。ロスカットとは、含み損が一定水準を超えると自動的に決済される取引ルールのことで、FXや先物取引などで採用されている措置です。

 

・2020年3月9日にドル円相場で発生

フラッシュクラッシュは2020年3月9日にも発生しました。

 

3月9日のドル円相場では、リスク回避のドル売りが優勢になり、一時1ドル104円台から101円台まで急速に値を下げました。新型コロナウイルスによる経済活動の一時停止や、生産活動低下による原油供給過多に対する懸念などから、急激に変動したと考えられています。

フラッシュクラッシュの原因

フラッシュクラッシュの原因

フラッシュクラッシュの主な原因を紹介します。

 

・「魔女が出る時間」とは?

フラッシュクラッシュの原因を探る上で、知っておきたいのが「魔女が出る時間」です。

 

「魔女が出る時間」とは、FX相場における取引量の少ない(流動性の低い)時間帯のこと。ニューヨーク時間の夕方5時からの1~2時間程度に相当します。ニューヨークの夕方5時は、アメリカが冬時間の季節(11月~3月)なら、日本時間の午前7時、それ以外の季節であれば、午前6時にあたります。

 

魔女が出る時間は価格変動しやすい状態となり、短時間に5%以上の下落率を記録し、1ドルあたり8円の急落が発生したりするのが特徴です。

 

・「アルゴリズム取引」と「高頻度取引」

株式市場や為替市場などでは、AIやプログラムによる自動売買を導入しているファンド(運用会社)も多く、ハイスピードな取引を実現しています。

 

そしてアルゴリズム取引とは、プログラムによって決められた条件で自動売買を行うシステムのことです。高頻度取引は、アルゴリズム取引の中でも特に高速取引を何度も繰り返しているシステムのことです。

 

アルゴリズム取引自体は、個人で活用している人も多く、珍しいものではありません。しかし高頻度取引の場合は、AIによる自動判断・高速取引を繰り返すことで、相場を急変させる原因を作っています。

 

・トルコリラに要注意

トルコの法定通貨トルコリラと円の通貨ペア「トルコリラ/円」は、メジャーな通貨のドルやユーロよりも取引量が少ないため、フラッシュクラッシュしやすいということに注意が必要です。過去にフラッシュクラッシュの記録が何度もあるので、FX初心者には難しい相場でもあります。

 

2020年の例では7月3日の0時に1トルコリラ15.698円が、16時には15.263円にまで急落しました。

フラッシュクラッシュは今後も頻繁に起こるのか?

フラッシュクラッシュは今後も頻繁に起こるのか?

フラッシュクラッシュは、取引量の少ない市場やAIによる自動売買がある限り、今後も起こり得る事象です。AIが何らかの下落材料に過剰に反応したり、システムが誤判断する可能性は排除できません。これからはフラッシュクラッシュによる損失リスクも考慮して、投資計画を立てる必要があります。

 

投資初心者は、フラッシュクラッシュがしばしば発生するFXよりも、投資信託や株式投資を検討してみたほうがよいかもしれません。これから証券口座を開設するならば、楽天証券がおすすめです。楽天証券に口座を作ることにより、投資信託や株式投資、債券、FXなど、さまざまな商品に投資できます。

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菊地祥
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(3級FP技能士)
菊地祥

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

専業ライターの菊地です。株式・投資信託8年目。もっとお金やライフプランについて知りたいと思い、2018年にFP技能士3級を取得しました。現在は2級取得を目指して勉強中です。お金に関するあらゆる専門知識を、分かりやすく説明します。

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