まず、「ジブリパーク」の基本情報をご紹介します。

・愛知万博の理念を継承して愛・地球博記念公園内に整備
愛知県は、2005年に開催された愛知万博の理念を次世代へ継承し、愛・地球博記念公園の魅力と価値を一層高める目的で、スタジオジブリ作品の世界観を表現した「ジブリパーク」を同公園内にて整備することを決定しました。

・ジブリパークの場所、アクセス方法
ジブリパークは、現在の愛・地球博記念公園（モリコロパーク）内に開業予定となります。

愛・地球博記念公園（モリコロパーク）
〒480-1342　愛知県長久手市茨ケ廻間乙1533-1

車で来園する場合は「長久手IC」から約5分、「名古屋IC」から約20分の場所に位置しています。

また、電車の場合は愛知高速交通東部丘陵線（リニモ）の「愛・地球博記念公園」駅、バスであれば名鉄バス「愛・地球博記念公園」駅を降りてすぐです。

・ジブリパークの広さは？
ジブリパークが開業する予定地の愛・地球博記念公園全体の広さは約190ha（ヘクタール）。日本屈指のテーマパークである東京ディズニーランドが51ha、東京ディズニーシーが49haであるため、東京ディズニーリゾート全体の約2倍の広さということになります。

ジブリパークは5つのエリアから構成されると発表されており、それぞれのエリアの広さは以下のとおりです。

ジブリパークの予定エリアと面積

愛・地球博記念公園そのものは広大ですが、ジブリパークのエリアだけの広さに着目するとそれほど大きいわけでもないようです。

・ジブリパーク開業で見込まれる経済効果
ジブリパークの整備などを含めた総事業費は約340億円。愛知県の説明によれば、原材料などの購入による生産増加分の約320億円、雇用創出による消費増加分の約180億円と合わせ、約840億円の経済波及効果があるとのことです。

さらに、ジブリパーク開業によって新たに創出される消費増に関する経済波及効果は、年間約480億円と算出されています。

周辺地域の活性化などにも繋がり、その発展なども期待ができます。

ジブリパークにつくられる5つのエリアのうち、2022年11月に開業する予定なのが、「青春の丘エリア」「ジブリの大倉庫エリア」「どんどこ森エリア」の3エリア。以下では、それぞれのエリアの魅力をご紹介していきます。

・青春の丘エリア
ジブリパークの公園北入口から一番近いエリアとなるのが「青春の丘エリア」。来園者を迎え、導くジブリパークの象徴と位置付けられています。

もともとあったエレベーター棟を改装し、19世紀末の空想科学的要素を取り入れて、ジブリ作品「天空の城ラピュタ」や「ハウルの動く城」の世界を再現しています。

また、このエリアには「耳をすませば」の町並みが広がる予定です。町にはアンティーク家具や時計の修理・販売店の「地球屋」があり、映画をイメージした電話ボックスや掲示板、電話機や張り紙などが設置されるロータリー広場がつくられる予定です。

「猫の恩返し」に登場する建物「猫の事務所」の家具や小物などもミニチュアサイズで再現される予定で、映画同様に中を覗き込んで楽しむことができるようです。

・ジブリの大倉庫エリア
続いて「ジブリの大倉庫エリア」は、2018年まで営業していた温水プールの建物をリニューアルしたエリアになります。屋内施設なので、日差しがきついシーズンや寒さが厳しいシーズンにも天候を気にせずに楽しめるエリアになるでしょう。

倉庫らしさと懐かしさが感じられる和洋折衷の建築空間がイメージされており、その空間にはジブリ作品の保管・保存を行う展示室や、遊びと憩いの場などが設置される予定です。

展示室は、常設展示室、企画展示室、そして約170席が収容される映像展示室の3つから構成され、ジブリ作品の世界を味わうことができます。

また、遊べる場として「となりのトトロ」の世界に入り込める部屋がつくられます。トトロが住む「大きな木」や「ねこバス」もあり、子どもだけでなく大人も思わず気持ちが高ぶってしまいそうです。

さらに「天空の城ラピュタ」に登場する廃墟となった天空の庭「ラピュタの庭園」も再現され、天空の城と一緒に連想される「ロボット兵」や、「空飛ぶ巨大な船」も展示されます。空飛ぶ飛行船は全長6.3mというビッグスケールで、360度どこからでも飛行船を楽しめるよう、天井から吊るされる予定です。

ほかにも、「借りぐらしのアリエッティ」の世界や「千と千尋の神隠し」に登場する不思議な街も再現されます。アリエッティとその家族たちが暮らす家や、小人のアリエッティたちの視点で見た巨大な庭のセットも設置され、アリエッティになった気持ちで楽しむことができます。

このエリアはジブリ作品の中でも特に有名な作品の世界が再現されているため、その世界観に浸れる人気エリアとなりそうです。

・どんどこ森エリア
公園内南側に位置する森にあるのが「となりのトトロ」の田園風景を再現した「どんどこ森エリア」です。森には「サツキとメイの家」のほかに、映画のワンシーンで登場する神社や散策路などが整備され「サツキとメイの家」の周辺が楽しめるようになります。

なお「どんどこ」とは、蒔いた種がはやく芽を出すように、サツキとメイがトトロとともに映画の中で踊った「どんどこ踊り」にちなんでいます。

このエリアは公園内でも特に四季を感じられる場所のため、春夏秋冬でまた違った雰囲気を楽しむことができそうです。

上記3つのエリアに加え、2023年にはさらに2つのエリアが開業する予定と発表されています。その2つのエリア「もののけの里エリア」と「魔女の谷エリア」はどんな魅力あるエリアなのでしょうか。

・もののけの里エリア
里山づくりの体験学習ができる「あいちサトラボ」と一体となって整備される「もののけの里エリア」は、映画「もののけ姫」の主人公アシタカが住むエミシの村や、エボシが経営する村の精錬所、タタラ場をイメージした和風の里山的風景を楽しめるエリアとなります。

エリアには体験学習施設「タタラ場」と「炭焼き小屋」「休憩処」などがつくられ、「もののけ姫」の世界を体感できます。

さらに、主人公アシタカの腕に呪いをかけた「もののけ姫」のメインキャラクター「乙事主（おっことぬし）」のオブジェも登場する予定です。「乙事主」と写真撮影ができるかもしれないと思うと、ジブリファンにはたまらないでしょう。

・魔女の谷エリア
ジブリパーク5つ目のエリアとなるのが「魔女の谷エリア」。魔法を題材としたジブリ作品「魔女の宅急便」や「ハウルの動く城」の舞台となる北ヨーロッパがモチーフとなっています。

映画「魔女の宅急便」のキキの実家にあたる「オキノ邸」がつくられるほか、「グーチョキパン店」では映画に出てくるパンを実際に購入できるという構想なのだそう。「グーチョキパン店」のおソノさんのパンを実際に味わえるとは「魔女の谷エリア」の開業が待ちきれませんね。

また、映画「ハウルの動く城」の中でソフィーとハウルが暮らしていたあの不思議な建物「ハウルの城」がリアルに再現されるとのこと。詳しい情報はまだ公開されていませんが、このエリアには遊戯施設も建設される予定です。「魔女の谷エリア」にはジブリ作品を体験するだけでなく、遊んだり休んだりもできる複合的空間が創出されることとなります。

このテーマに関する気になるポイント！

1. 「ジブリパーク」とは？
   2022年秋に愛知県の「愛・地球博記念公園内」に開業予定のテーマパークです。スタジオジブリ作品の世界を再現します。
   
   
2. ジブリパークはどこにつくられる？
   愛知県長久手市の「愛・地球博記念公園」内につくられます。
   
   
3. ジブリパーク開業で見込まれる経済波及効果は？
   愛知県の試算によれば、ジブリパークの営業による経済波及効果は年間約480億円になるとのことです。
   
   
4. ジブリパークを構成する5つのエリアとは？
   「青春の丘エリア」「ジブリの大倉庫エリア」「もののけの里エリア」「どんどこ森エリア」「魔女の谷エリア」の5つです。