野菜の価格が高騰する時期と理由は?葉物が高くなるとサラダや鍋に影響!
定期的に野菜価格の高騰が騒がれますが、日々の支出に直結するためできるだけその影響は避けたいものです。今回は、野菜が高騰する理由や今後の野菜価格の見通しを解説し、あわせて野菜価格高騰時の賢い買い物術をご紹介します。
なぜ野菜価格が高騰するのか?
生鮮野菜の場合、少し前までは普通の値段だったのにいきなり2倍以上の価格帯で販売されているということもあります。野菜の価格高騰はなぜ起きてしまうのでしょうか。
まずは、これまでにどの程度の価格変動が起きているのかを見てみましょう。農林水産省は毎週、食品価格動向調査を実施しており、日本で多く食べられている主な野菜8品目の小売価格を全国の小売店470店舗(各都道府県10店舗)に訪問調査した結果を毎週発表しています。調査対象の8品目は調査時期によって異なります。
以下は、直近5年間の同時期(11月第1週)における野菜5品目(キャベツ・レタス・トマト・はくさい・だいこん)の1kgあたりの価格をまとめた表です。
2017年~2021年11月第1週の野菜5品目1kgあたりの価格
例えば、はくさいの2017年から2021年までの11月の価格を見てみると、2018年の価格は232円と翌年2019年の164円と比べると約41%も高い価格となっています。また、トマトの場合、一番高い年である2020年の価格は一番安い年2017年の価格783円と比べると、約17%高い価格です。シーズンは同じでも、年によって大きく野菜の価格が変動していることがわかります。
では、野菜の価格が高騰する理由は何なのでしょうか。一番の要因として考えられるのは異常気象や天候不良でしょう。天候によって野菜の生育状況や収穫状況は大きく変わります。生育状況が悪化し収穫量が低下してしまうと、一般的に価格は高騰する傾向にあります。野菜は長期保存が難しいこともあり、供給量の変動がダイレクトに価格に影響するためです。
またこのほかにも、野菜の価格に影響するものとして挙げられるのが輸送費の高騰です。野菜は収穫後に農家から小売店までトラックなどで輸送されることになります。ガソリン代の値上げも定期的に騒がれますが、ガソリン代が高騰すれば輸送費としての経費が余計にかかり、店頭価格もその分値上げされやすくなります。
一時期レタスが1玉300円超に!
2021年9月ごろには、レタスが1玉400円ほどの価格で売られることもあったようです。この時期はレタスを使ったサラダなどの料理を食卓に出すことを控えざるを得なかったという方も多いのではないでしょうか。
以下の表は、農林水産省による食品価格動向調査の結果をもとに、2021年の4月から9月までの第1週目のレタス価格(1kgあたり)をまとめたものです。
2021年4月から9月のレタス1kgあたりの価格推移
上の表を見てわかるとおり、7月には1kgあたり300円前後だったレタスは9月にかけて最大3倍以上に高騰しています。
なぜ短期間でこれほどレタスの価格が高騰したのかというと、2021年の8月に起きた記録的な長雨や日照不足がレタスの生育状況に影響し、収穫量が落ち込んでしまったためです。供給量が少なくなり、需要と供給のバランスが崩れて価格が大きく高騰してしまいました。
レタスのほか、はくさいも同様の理由で店頭価格が昨年同時期と比べ10%ほど高騰していました。これらのことからわかるように、特に葉物野菜が天候不順の影響を大きく受けました。
秋が深まってから少し野菜が安く
天候不順が起きてから、それが価格に影響するまでには時間がかかります。8月に起きた長雨や日照不足が9月の野菜価格高騰に影響しましたが、その後全国的に天候が回復したことを受けて、10月以降の小売価格は落ち着いています。
以下は、すでにご紹介した農林水産省によるレタス小売価格の10月および11月の価格です。
2021年10月、11月第1週のレタス1kgあたりの価格推移
9月初旬には800円を超えていた価格が、10月には638円と少し落ち着き、11月には高騰前の8月の価格(400円)とほぼ変わらない水準に戻っています。
実際にスーパーでも、1玉100円前後で売られているのを見て「やっとレタスに手が出せる」と価格の落ち着きを実感された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2021年12月以降の野菜価格の見通し
では、今後野菜の価格はどう推移していく見込みなのでしょうか。農林水産省は「食品価格動向調査」のほかにも野菜(14品目)の生育状況や価格の見通しについて、主要産地や卸売会社から聞き込み調査をした結果を毎月公開しています。
2021年11月30日に公表された12月における野菜の価格見通しは、以下のとおりです。
2021年12月の野菜の生育状況及び価格見通し
見通しでは、天候が回復したことなどから生育が良好な状態に推移している根菜類(だいこん、にんじんなど)や葉茎菜類(はくさい、キャベツなど)に関しては、平年よりも出荷数が上回ると予想されています。そのため、価格は平年を下回り、安値になると予想されています。
きゅうりやなすといった果菜類に関しては、順調な生育により安定した出荷が予想されています。12月に出荷できる数量は平年と同水準と見込まれており、価格も平年並みとなる見通しです。
土物類に含まれるばれいしょ(じゃがいも)やたまねぎは、夏季の高温や干ばつの影響を受けて生育状況がいまだ良好ではありません。比較的小玉傾向で、出荷量も平年より減少するものと見込まれており、価格は平年よりも高くなる見通しとなっています。
現在までのところ、ばれいしょもたまねぎも平年より高い販売価格となっており、たまねぎに関しては平年の2倍を超える価格にまで高騰しました。12月以降も高値水準は続く見込みです。
一方で、ばれいしょやたまねぎと同様に土物類にあたるさといもに関しては、生育が順調で平年並みの価格になると予想されています。
野菜が高騰した場合のおすすめ買い物術
近年、地球温暖化などの影響によって集中豪雨などの異常気象や自然災害が頻発しています。このような天候不順が野菜価格の高騰にも繋がるわけですが、今後もそういったことが起きないとはいえません。野菜価格の高騰は家計にダイレクトに響くため、影響を最小限に抑える方法を知っておきましょう。
・カット野菜や冷凍野菜を活用する
最近では、スーパーやコンビニでカットした野菜を袋詰めにした「カット野菜」や「セット野菜」などが簡単に手に入り、その種類も年々豊富になってきています。一般的には生鮮野菜よりも割高価格なのですが、野菜の市場価格がカット野菜の価格に反映するまでに多少の時間を要するため、野菜価格が高騰している時期はカット野菜のほうがお得になるケースもあります。
ただし、カット野菜は生鮮野菜よりも痛みが早いため注意が必要です。まとめ買いなどは避けたほうがよいでしょう。
また、冷凍野菜もすぐには市場価格が影響しないため、生鮮野菜価格の高騰時には狙い目の野菜商品です。冷凍野菜と聞くと栄養価を懸念される方もいらっしゃるでしょうが、実際は気にするほどのことではありません。市販の冷凍野菜は栄養価が高い旬の時期のものを収穫後すぐに冷凍処理しているため、時期によっては旬を過ぎた生鮮野菜よりも栄養価が高いということもあるのです。
・野菜の鮮度を保つ便利グッズを活用する
野菜価格が高騰しているときは、せっかく買った野菜を無駄にしてしまわないようにすることも重要なポイントです。世の中には、野菜の鮮度をできるだけ保って、より長く保存できるキッチングッズがあるので利用しましょう。
例えば、レタスやキャベツ、白菜などの葉物野菜の芯に刺しておくだけで鮮度をキープできるグッズがあります。野菜は収穫後も自らの栄養分を使って成長し続けようとしますが、芯にある「成長点」が傷つけられれば、成長が止まります。これはそのような性質を生かしたグッズです。
ほかにも、特殊加工されたポリ袋に入れておくだけで、保存可能期間を長くできるグッズがあります。野菜の運送時にも使用される抗菌剤が配合されているため、野菜の鮮度をキープできるというものです。
このように、今では野菜の鮮度を保つための便利グッズが豊富に販売されていますので、うまく活用しながら価格高騰時の貴重な野菜を傷ませないようにしていきたいところです。
まとめ
このテーマに関する気になるポイント!
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野菜価格が高騰する主な理由は?
異常気象や天候不良によるものが多くなっています。野菜の生育状況が悪化すると、収穫量が減少して価格が高騰するというメカニズムが働きます。
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今後の野菜価格の見通しは?
2021年の秋以降は天候が回復したことにより、多くの種類の野菜で平年よりも収穫量が多くなるという見通しです。それに伴い、価格も低下するでしょう。
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野菜高騰の影響を抑える方法は?
市場価格がダイレクトに反映しないカット野菜や冷凍野菜を使うこと、野菜の鮮度を保つグッズを活用することなどが挙げられます。
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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冷凍野菜でも栄養価はちゃんとあるのね!安心したわ