帝王切開の費用はどのくらい?健康保険や医療保険の給付金の対象になるのか
妊娠・出産時には何が起きるか分かりません。帝王切開になった場合に備えて、費用や保険が適用される範囲を知っておきましょう。この記事では、帝王切開の費用や健康保険・医療保険の対象になるのかについて解説します。
帝王切開になるのはどのような時?
帝王切開には、予定帝王切開と緊急帝王切開の2つのケースがあります。
・予定帝王切開
自然分娩に向かないとみられる場合に、計画的に行う帝王切開のことです。逆子や多胎妊娠(双子など)、帝王切開の経験者、胎盤の位置異常などの場合などに行われます。
・緊急帝王切切開
妊娠中やお産の進行中に緊急の決定で行われる帝王切開です。赤ちゃんが産道から上手く出て来られない、元気がないなど、赤ちゃんに理由がある場合のほかに、妊娠高血圧症候群などの合併症が原因で母体の状態が悪い場合などに行われます。
自然分娩と帝王切開の費用はどのくらいかかる?
国民健康保険中央会が調べてまとめた「正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度)」によると、自然分娩で出産する場合の平均費用は約51万円となっています。この金額は、入院料や分娩料、新生児保育料、検査・薬剤料などを含む額です。
帝王切開の場合は、この額にプラスして手術費用がかかります。帝王切開の手術費用は約20万円(3割負担の場合は約6万円)です。また、自然分娩よりも入院期間が長くなるため入院費の負担が大きくなります。帝王切開の費用は総額で60万円~70万円ほどと考えておくと良いでしょう。
帝王切開は健康保険、医療保険の対象になる?
自然分娩は病気ではないため、健康保険や医療保険の対象とはなりません。一方、帝王切開は医療行為が伴うため保険の対象となります。帝王切開の手術や投薬・検査・入院費用などについては健康保険が適用され、自己負担額は3割に抑えられます。
ただし、食事代や差額ベッド代、分娩介助料、検査料(帝王切開に関係しない部分)などは保険適用外になり、全額自己負担です。帝王切開は保険が適用されますが、入院期間が長くなると保険適用外の費用の負担が大きくなり、自然分娩よりもお金がかかることがあります。
民間の医療保険に加入していた場合、帝王切開は「入院給付金」と「手術給付金」の保障対象です。また、医療保険に付加できる「女性疾病特約」を契約していた場合も、帝王切開を受けた時に上乗せで給付金が受け取れます。帝王切開での出産に備えて、民間の医療保険に加入しておけば、給付金が受け取れて役に立つでしょう。
出産育児一時金・高額療養費制度も対象?
帝王切開の場合も自然分娩と同様に、出産一時金として42万円が受け取れます。出産一時金は、健康保険組合や自治体が医療機関に直接支払う「直接支払制度」を利用できることがほとんどです。
直接支払制度を利用できる医療機関では、退院時に病院の窓口で出産一時金を超えた金額のみを支払うだけで済み、出産後の申請は必要ありません。出産一時金よりも出産費用の方が少なかった場合は、出産後に加入している健康保険組合や自治体に申請すれば差額を受け取れます。
帝王切開をして医療費が高額になった場合は、高額療養費制度を利用できます。高額療養費制度は、医療費が年齢や収入によって決められた限度額を超えた場合に、超えた分の金額が支給される制度のことです。
また、「限度額適用認定証」を病院に提示すれば、退院時に高額療養費を超えた分のみを支払えば済みます。帝王切開をする予定の方は、事前に限度額適用認定証を申請しておくと良いでしょう。
帝王切開と医療保険に関する疑問
妊娠・出産に備えて、事前に医療保険に加入しておくと安心です。最後に、帝王切開と医療保険に関するよくある疑問について解説します。
・2回目以降の帝王切開で医療保険は適用される?
帝王切開での出産を経験している場合、2回目以降も保険適用されるかどうかを決めるのは医療保険に加入した時期です。
1回目の帝王切開の前に保険に加入していて、1回目の帝王切開で給付金を受け取った場合は、2回目以降の帝王切開でも給付金を受け取れる場合があります。しかし、1回目の帝王切開を行った後に保険に加入した場合、次回以降の妊娠・出産に関して保障は受けられない場合が多いです。
・妊娠中に保険に加入できる?
妊娠中であっても、妊娠初期であれば加入できる保険もあります。ただし、時期や健康状態によっては加入できないケースもあり、加入できたとしても「妊娠・出産に関する手術や入院では給付金が支給されない」といった条件が付くことがあります。
条件が付くと病気やケガに関する保障は受けられますが、帝王切開に伴う入院や手術は保障の対象外となり、出産のリスクには備えられません。女性の場合は、妊娠前に医療保険に加入しておきましょう。
ここまで説明してきたように、帝王切開は健康保険の適用となりますが、入院が長引いて自然分娩よりもお金がかかるケースが多くなります。出産後の子育て費用のことも考慮し、想定外の出費に備えて医療保険に加入しておくと安心です。妊娠が分かった後では医療保険に加入できないケースもあるため、女性の場合は早めに医療保険に加入しておきましょう。
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※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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