奨学金の返済について。繰り上げ返済や少しでも負担を少なくする方法
奨学金の返済に困っている人は多いでしょう。この記事では、奨学金の繰り上げ返済や負担を少なくする方法について解説します。奨学金の返済に困っている人はこの記事を読めば、負担を減らす方法を知ることができますよ。
奨学金制度とは
奨学金制度とは、経済的な理由で進学が難しい学生のために、学費や生活費の付与や貸与をする制度のことです。大学生の約5割が奨学金制度を利用しているという調査結果もあり、奨学金制度を利用して進学している人は多くいます。
国や地方団体、民間団体、学校独自の奨学金制度などのさまざまなものがありますが、なかでも利用者が特に多いのが「日本学生支援機構」の奨学金制度です。
日本学生機構の奨学金は、第一種奨学金と第二種奨学金に別れておりどちらも貸与型、つまり返さなければならない奨学金です。いずれも契約者は親ではなく学生本人となり、本人が卒業後に奨学金を返済することになります。
第一種奨学金は無利子、第二種は有利子ですが、第一種は親の収入や本人の成績の条件が厳しいこともあり、約7割の人は第二種を利用しているようです。
奨学金の返済で問題になっていること
「奨学金を借りて大学を出たけど、奨学金が返せない」という悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。実は奨学金の返済ができずに、延滞する人が増加して問題になっているのです。
家計状況の悪化や大学進学率の増加で奨学金を借りる人は年々増加しています。その一方で、近年若者の給与が少ない傾向にあることや非正規雇用労働者が増加している影響もあり、奨学金の返済が困難になってしまう人が増えているのです。
奨学金を気軽に借りる学生は多いと思いますが、実質は銀行のローンや消費者金融からの借入と変わりありません。滞納をするとハガキや電話で督促が届き、延滞金もかかります。さらに個人信用情報に延滞した事実が登録され、クレジットカードやローンなどの審査に通りにくくなってしまうのです。
また、奨学金を借りていることが結婚でトラブルの原因にもなります。女性が奨学金を返せないまま結婚をすると、妻が借りた奨学金の返済をすることに、夫が不満を持ってしまうこともあるのです。
奨学金を少しでも早く返す方法
「結婚する前に奨学金を返したい」「お金に余裕があるうちに奨学金を返したい」という人は、奨学金の繰り上げ返済をおすすめします。
繰り上げ返済とは、返済が済んでいない金額のうち全部または一部を返済することです。これを行うことで、繰り上げた分の返済期間を短縮することができます。また、利息のつく第二種奨学金を繰り上げ返済すれば、短縮された返済期間の利息部分を払う必要がなくなるので支払い総額を減らすことが可能です。
奨学金の負担を軽くする方法
「就職したけど思ったより収入が少なかった」、「病気になって支払いができなくなった」などの理由で返済が困難な場合、奨学金の負担を軽くする方法もあります。3つの方法について解説します。
・減額返還制度
減額返還制度は、奨学金の毎月の返済額を減額できる制度です。あくまで毎月の金額を減らせるだけで総額は変わらず、その分返済する期間が延びるということに注意しましょう。
適用されるには経済的な条件があり、収入基準は以下の通りです。
・給与所得者:収入325万円以下
・給与所得以外の所得を含む場合:所得225万円以下
この収入を超えていても、扶養者がいる場合や親に生活費補助をしている場合、ケガや病気で医療費がかかった時などに金額を控除して申請することができます。
期間が延長されても利息の負担はないので、返済総額は減額前と変わりません。子どもがいたり親に生活費の援助をしたりして生活が苦しいという場合は検討してみましょう。
・返還期限猶予制度
返済するのが困難になって、返済を待ってもらいたい場合は返還期限猶予制度を利用しましょう。返還期限猶予制度は、最長10年間返済をストップできる制度のことです。
失業中、産休・育休中、病気やケガで休職中などの場合に申請することができ、審査に通貨すれば返済を先送りにできます。利息は増えずに返済を待ってもらえるので、返済が難しい状況の方は滞納してしまう前に申請をしましょう。
・返還免除制度
返済する本人が死亡、精神もしくは身体の障害により働けなくなった場合に金額の一部または全額が免除される制度です。このような制度があることも頭に入れておきましょう。
教育費は計画的に貯めよう
奨学金の返済が難しい場合は、さまざまな制度を利用することで負担を減らせます。滞納する前に制度を利用しましょう。制度の利用については、条件があるので詳しくは日本学生支援機構の公式ホームページをチェックしてください。
参照元:独立行政法人日本学生支援機構
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