ビヨンドミートとは?全く新しい「植物肉」をつくるアメリカの会社について
ビヨンドミートは、植物肉を開発・製造するアメリカの企業。ハンバーガーやソーセージなどの商品があり、日本での動向も注目されます。ここでは植物肉の材料や、ビヨンドミートの株価、市場の成長予測について解説しています。
ビヨンドミートとは
ビヨンドミートは、アメリカのカリフォルニア州に本部を置く企業。植物由来の代替肉を開発・製造しています。2009年に設立されて以来、様々な企業から資金調達を繰り返して、成長してきました。2019年には、アメリカの株式市場NASDAQに新規株式公開しています。
ビヨンドミートが製造する植物肉は、2013年から全米のスーパーマーケットで販売されるようになりました。2018年には生産能力を3倍に増強し、今では50を超える国のスーパーマーケットやファストフードチェーンに植物肉を提供するまでに成長しています。
ビヨンドミートがつくる「植物肉」について詳しくみてみましょう。植物肉は、代替肉の一種で、植物由来の材料でつくられるのが特徴です。植物肉の中にも、動物性添加物を含むものと、そうでないものの区別があります。菜食主義の人にとって、重要なポイントとなるところです。代替肉にはもうひとつ「培養肉」というものもあります。こちらは動物の細胞を培養することで得られる肉です。代替肉は、人工肉やフェイクミートといった言葉で表されることもあります。
ビヨンドミートの植物肉は、どのような材料からできているのでしょうか。肉のような食感を出しているのは、エンドウ豆や米、緑豆からとったタンパク質などです。肉の脂身の代わりになっているのが、カカオバターやヒマワリ油、菜種油、ココナッツ油など。肉の赤い色を出すためのものとしては、ビーツから抽出した成分が使われています。
日本での発売はいつ?
実際にビヨンドミートの植物肉を、購入してみたいという人も多いでしょう。アメリカでは、ウォルマートやコストコ、ホールフーズといったお店で購入することができます。日本ではどうなるのでしょうか。日本企業の三井物産がビヨンドミートに出資をおこなっていて、日本への進出が実現するとみられていました。しかし2019年に、ビヨンドミートの日本進出計画はとりやめになったという報道があり、いまだ実現していません。これからの動向が注目されるところです。
ビヨンドミートではどのような製品を扱っているのでしょうか。商品ラインアップをいくつかみてみましょう。
ビヨンドミートの主力商品となっているのが、ビヨンドバーガー。代替肉ですが、生肉のコーナーに置かれています。このほかにもビヨンドソーセージやビヨンドチキン、ビヨンドビーフなど様々なタイプの植物肉が並びます。味や食感にどのような工夫がされているのか、興味深いところです。さらにビヨンドベーコンも開発中ということで、植物肉の可能性は、まだまだ広がり続けているようです。
代替肉は日本の企業でも製造・販売されているのはご存じでしょうか。身近なところでは、カップラーメンに入っている「謎肉」が話題になりました。これは完全な植物由来ではありませんが、粒状の大豆タンパクを含んだ加工肉。純粋な肉とは異なるものです。そのほかにも2019年から2020年にかけて多くの日本のメーカーが代替肉の製造に参入しています。大豆や玄米などを使用し、ハムやハンバーグ、ばら肉・そぼろ肉風のものなど商品も多種多様。一度探してみると良いでしょう。
アメリカでのビヨンドミートの経済効果は
このように食品テクノロジー企業として、新たな市場を開拓するビヨンドミート。アメリカ経済へのインパクトは、どのようなものでしょうか。
ビヨンドミートは2019年にアメリカの株式市場NASDAQで、新規株式公開を実現しました。このとき市場から調達した資金は、2億4,100万ドル。日本円にして約254億円という規模です。市場の期待を表した数字といえるでしょう。
株価の動きをみると、新規株式公開(IPO)での公募価格は25ドルで、市場で付けた初値が46ドル。公募価格を上回っています。その後250ドルに迫る高値を付けると、2020年に入って50ドル近辺へ値を下げます。2020年8月現在では130ドル前後へ値を戻しているという状況です。また第1四半期における売上高は、9,700万ドル(約102億円)。前年同期比で141%増と、成長を続けています。
植物肉の、世界における市場予測も確認しておきましょう。JPモルガン・チェースの予測では、植物肉の市場規模が1年以内に1,000億ドル(約11兆円)を超えるとしています。またイギリスのバークレイズによる試算では、10年以内に世界で販売される肉全体の約10%を「代替肉」が占めるとのことです。成長余地が大きい市場とみられています。
ビヨンドミートの株式は楽天証券で購入が可能です。植物肉市場やビヨンドミートの成長に投資してみたいという方は、チェックしてみてはいかがでしょうか。利益を期待して成長企業に投資するというスタンスをとる人だけでなく、社会的な課題の解決を応援するために投資をする人にも魅力的な投資対象です。もちろん海外の民間企業への投資ということで、為替リスクや倒産リスクは存在します。リスクをとって利益を追求できる余裕資金での投資に向いているといえるでしょう。
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。
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