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原油価格が下落?値段が下がる理由とその後の見通し
現代世界の生活に欠かすことのできない原油。2020年前半、新型コロナウイルスによる世界的なエネルギー需要低下により、原油価格は下落しました。ここでは原油価格の下落によって得られるメリットと今後の見通しについて紹介します。
原油価格のマイナスによってガソリン価格は安くなる?
原油価格の下落によって、ガソリン価格は安くなるのかについて解説します。
・原油価格とガソリン価格は連動している
原油はガソリンや灯油の原料です。そのため、原油価格の上昇・下落は、ガソリン価格に影響を与えます。例えば、2020年3月の原油価格急落後、国内のガソリン価格が下がりました。
その後、新型コロナウイルスによる原油需要低下を受けて、4月12日にOPECプラス(OPEC加盟国とそれ以外の産油国20カ国の会合)で、原油生産量の減産に合意します。通常、減産によって原油は値上がりしますが、今回は新型コロナウイルスによる需要低下が理由のため、減産でも原油価格が下落しました。
そして日本では、2020年4月20日のガソリン価格が4月13日の週(前週)と比較して、1円安の130円/Lを記録しました。
このように原油価格が下落すると、ガソリン価格も安くなります。
・ガソリン価格が大幅に下落する可能性は低い
原油価格の下落は、国内のガソリン価格の値下がりにつながる動きですが、100%連動するわけではありません。2020年3月に原油価格は大幅に下落しましたが、日本のガソリン価格はそれほど値下がりしませんでした。
ガソリン価格が大幅に下がらない理由のひとつに、ガソリン関係の税金が関係しています。日本の法律では、ガソリンに対して定額の税金を課しています。1リットルあたりのガソリンにかかる税金は以下の通りです。
●ガソリン税:53.8円
●石油石炭税:2.8円
●温暖化対策税:0.76円
●合計:57.36円
このような税金を小売価格に含めているため、ガソリン価格の値下げには限界があります。
・ガソリンの減税が行われれば安くなる可能性はある
原油価格の下落によって、ガソリン価格が大幅に安くなる可能性は低いでしょう。しかし、今後ガソリンに関する税金が減税されれば、小売価格の低下に期待できます。
ちなみに沖縄県のガソリン価格は特に高い状況ですが、ガソリン税については特別措置として減税されています。具体的には、「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」によって、1Lあたり7円減税される一方、「沖縄県石油価格調整税条例」により、1Lあたり1.5円徴収され、実質5.5円の減税です。
※2020年8月時点の情報を元にした記事です。
ガソリン価格が3カ月連続で値下がりしている?
2020年前半、ガソリン価格は大きく変動しました。この動きを振り返ります。
・2020年1月~3月までのガソリン価格
2020年1月~3月のガソリン価格は、新型コロナウイルスによる需要低下などから値下がり傾向でした。
●2020年1月1日:146.4円/L
●2020年1月26日:148.1円/L
●2020年2月1日:147.7円/L
●2020年3月15日:139.2円/L
●2020年3月29日:132.3円/L
1月のガソリン価格は、前年と同じ傾向が続き比較的落ち着いていましたが、2月に入り下落傾向へ変わります。3月に入ると、さらに急落傾向になりました。特にガソリン価格が下がったのは、新型コロナウイルスが国内で拡大し始めた3月と重なっています。
・2020年4月~7月現在のガソリン価格
2020年4月1日以降もガソリン価格は、値下がりが続きます。底値を打ったのは5月10日。2月の値下がりから約3カ月後となりました。
●2020年4月1日:146.4円/L
●2020年4月26日:123.9円/L
●2020年5月1日:122.5円/L
●2020年5月10日:119.9円/L
●2020年5月24日:122.5円/L
●2020年6月1日:124.2円/L
●2020年6月21日:127.1円/L
6月になって経済活動が再開し、6月21日頃から127円~128円台の横ばい傾向で落ち着いています。7月9日時点のガソリン価格も127.1円でした。
需要の低下は5月に底値
新型コロナウイルス拡大をきっかけに下落した原油の価格は、2020年4月後半から少しずつ上昇しています。その後、国内のガソリン価格に関しては、5月10日に底値を打った形となり、以降緩やかですが回復傾向です。
ただし、完全な需要回復の見通しは依然として不透明ですし、直近では九州を中心とした豪雨被害が続いているため、バス・自動車(ガソリン・ハイオク)といった交通関係のガソリン需要が早期に完全回復する見込みは立っていません。
※2020年8月時点の情報を元にした記事です。
原油価格は底値の見通しが立たなくなった?
2020年4月当時は、コロナショックがどこまで波及するのかわからなかったため、原油価格の底値に関する見通しも立たない状況でした。しかし、7月現在ではコロナショックも一旦は落ち着きを見せていて、原油価格(米WTI原油先物価格)は1バレル40ドル台まで回復しています。
今回のコロナショックを第1波として考えるのであれば、第1波の底値は過ぎていて回復基調へ切り替わっているものと考えられます。
※2020年8月時点の情報を元にした記事です。
世界の原油需要の動向
OPECプラスによる原油の減産調整は、7月いっぱいで終了する予定です。そのため、8月以降、供給過剰で原油価格が再び下落する可能性が考えられます。
原油の需要については、世界的に経済再開へ向けて動き出す中、一定の回復が期待されています。しかし、アメリカやインドなどは、新型コロナウイルスの流行が収まったとは言えない状況。エネルギー需要が回復するには時間がかかると考えたほうが良いでしょう。
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※2020年8月時点の情報を元にした記事です。
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