リーマンショックで株価はどのくらい下落したの?コロナショックでどのようになっていくのか

リリース日:2020/07/01 更新日:2024/11/13

2020年、新型コロナウイルスが引き起こした世界的な経済危機は、リーマンショック級とも言われています。この記事では、2008年のリーマンショックを振り返り、コロナショックと比較・考察します。

リーマンショックで株価はどのくらい下落したの?コロナショックでどのようになっていくのか
  1. リーマンショックとは?
  2. コロナショックはリーマンショック級の経済危機なのは本当?
  3. 日本株はいつ買い場?どのような主体が日本株を買うのか?

リーマンショックとは?

リーマンショックとは?

まずは、リーマンショックの内容や原因についてわかりやすく紹介します。

・2008年9月のリーマンブラザーズ破綻がきっかけ

リーマンショックは、アメリカの大手投資銀行(顧客に代わって投資を行う金融機関)の1つ、リーマンブラザーズが2008年9月に破綻したのをきっかけに、世界的な経済危機の総称です。

破綻の原因は、アメリカのサブプライムローンとされています。サブプライムローンとは主に低所得者層に向けた住宅ローンのことで、高金利ながらも審査に通りやすいのが魅力でした。金融機関は、サブプライムローン利用者へ資金を貸し出すため、リーマンブラザーズなど投資銀行へサブプライムローンの債券を売却・資金調達していました。

・住宅バブルからバブル崩壊へ

サブプライムローンは審査に通りやすいということから、多くの低所得者層がサブプライムローンを組む一方、急激な需要増加によって住宅バブルが発生します。

しかし、サブプライムローンは数年後に通常よりも高い変動金利に変わることや、元本の返済が始まることで、返済額の負担が増えるのが特徴です。住宅価格が上昇している状況では問題が表面化しづらかったのが、住宅価格上昇率の鈍化に伴って、返済できずに滞納してしまい差し押さえにあうケースが増加し、バブル崩壊しました。


・リーマンブラザーズの破綻と暴落

リーマンブラザーズなどの投資銀行も、高金利のサブプライムローン(証券化商品)に魅力を感じ積極的に購入しました。

しかし、投資銀行はサブプライムローンのハイリスクな側面を知っていたため、サブプライムローンの債券を他の商品と抱き合わせにし早期に売り払っていきます。その結果、サブプライムローンの危険性に気付いたプロの投資家が、さまざまな金融商品を一斉に売却し始めます。サブプライムローンがどの商品に含まれているか不明だったためです。

さらに住宅バブル崩壊により、投資銀行が保有していたサブプライムローン不動産担保証券の価格は暴落し世界的な金融危機へと波及します。結果、リーマンブラザーズは破綻し、リーマンショックと呼ばれるようになります。これがリーマンショックの流れと概要です。

・日本も大きな影響を受けた

リーマンショックによって日本も株式市場や雇用など、経済面で大きな影響を受けました。

1つは日経平均株価の下落です。リーマンショック発生直後(2008年9月12日頃)は緩やかに下落しましたが、その後急落します。そしてリーマンショック発生から約1カ月後には、発生直後と比較すると約41%もの下落率を記録し、多くの投資家・企業が損失を被りました。

もう1つの影響は円高です。円高ドル安は、リーマンショック発生前後に日本の輸出産業に大きなダメージを与えました。日本経済は2008年、2009年と連続でマイナス成長を経験します。企業は損失をカバーするために、早急に対策を立てられる人件費の縮小を行いました。新卒者の内定取り消しも相次ぎ、完全失業率は5.5%にまで上昇しました。

政府は経済対策の一環として、個人を対象に定額給付金1万2,000円の給付を実行しましたが、日経平均株価の上昇傾向は2013年頃まで待つこととなります。

コロナショックはリーマンショック級の経済危機なのは本当?

コロナショックはリーマンショック級の経済危機なのは本当?

コロナショックがリーマンショック級に迫る経済危機かどういうかという点については、2020年6月時点で難しい判断といえるでしょう。

確かに日経平均株価を見た場合は、リーマンショック級に近い値動きを記録しています。しかし、リーマンショックは、リーマンブラザーズの破綻を起点とした1度の事象です。一方コロナショックは、新型コロナウイルスを起点としていて、今後第2波・第3波の発生による経済危機の可能性も考えられます。さらに、ほとんどの業種が影響を受けるので、リーマンショックを超える経済危機として備えることも必要でしょう。

まずは感染拡大の兆候や再自粛の可能性などから、投資リスク・買い場も考えてみます。

日本株はいつ買い場?どのような主体が日本株を買うのか?

日本株はいつ買い場?どのような主体が日本株を買うのか?

コロナショックによって日経平均株価・国内株式は一時下落しました。2020年2月~3月上旬頃は、緊急事態宣言前で感染拡大の不安が広がりました。さらにオリンピックの延期も決定し、先行きの不透明感から売り先行となったためです。

しかし、2020年3月23日頃を境に日経平均株価は横ばい傾向へ変わり、2020年6月5日時点では2万2,800円台まで上昇しています。主な上昇理由は、2020年3月16日から行われた日本銀行のETFの買い入れと、個人投資家による買い注文の増加などが考えられます。

2020年6月上旬時点では、多くの業種で値上がり傾向でした。6月からは買い場であったと判断できそうです。

ただし、注意も必要です。なぜならリーマンショックと違い、コロナショックはも続く可能性があり、株価に影響を与える可能性もあるためです。経済ニュースだけでなくコロナ関係のニュースにも目を向けながら情勢を分析するようにしましょう。

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※2020年7月時点の情報を元にした記事です。

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菊地祥
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(3級FP技能士)
菊地祥

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

専業ライターの菊地です。株式・投資信託8年目。もっとお金やライフプランについて知りたいと思い、2018年にFP技能士3級を取得しました。現在は2級取得を目指して勉強中です。お金に関するあらゆる専門知識を、分かりやすく説明します。

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