暗号通貨
スタグフレーションとはどのような状態を言うのか。コロナ状況下の日本の先行き
スタグフレーションとは不況下で物価上昇が続く状況のこと。歴史的には何度かこのようなことが起きています。スタグフレーションが起きる条件と、新型コロナウイルスの影響を受けている日本経済の先行きについて解説します。
スタグフレーションとは?
インフレーションは持続的な物価の上昇を意味し、デフレーションは逆に物価の下落を意味します。インフレ率と景気は正の相関があり、一般的に景気が良いときはインフレになることが観察されてきました。
スタグフレーション(stagflation)とは、不景気にもかかわらず物価上昇が続く状態のことを言います。物価を上昇させる可能性がある金融緩和政策と生産能力の問題によるコスト高のインフレが重なると、スタグフレーションのリスクは高まります。
過去には、1970年代の石油ショックやフランス革命などの際、スタグフレーションが発生しました。
物価と景気の関係性
物価と景気の関係性について、改めておさらいしておきましょう。
そもそも景気とは、モノやサービスの取引の動向のことです。モノを買ったりサービスを利用したりすることが活発になり、企業の売り上げが伸びて給料も増えている状態を「景気が良い」と呼びます。
反対に、買い控えやサービスの利用を控え気味になって、企業の売り上げが減少して商品の値下げをしないとモノが売れないような状況を「景気が悪い」と呼びます。
景気と物価の関係は以下のようなものです。
●景気が良い:モノの需要が増え、物価は上昇
●景気が悪い:モノが売れないので値下げをすることになり、物価は下落
●スタグフレーション:需要を満たす量のモノが供給できない状態で、お金は余り、物価上昇
スタグフレーションは、特に厳しい状況ということがわかります。まず、新型コロナウイルスに対して過度に反応せず、買いだめも控えましょう。
今後の日本経済の先行き
新型コロナウイルスによる世界的な景気悪化が懸念されている2020年6月現在、日本経済はどうなっていくのか考察してみます。
・新型コロナウイルスに関係なく日本は景気後退局面
現在の日本経済は、既に景気後退局面に入っているものと思われます。新型コロナウイルスによる自粛や緊急事態宣言が行われた2020年4月以前から、景気悪化の兆候が見えていました。
きっかけは2019年に実施された、消費税の10%への引き上げです。政府は増税による消費の落ち込みを考慮して、ポイント還元キャンペーンなどを行っていますが、効果は限定的です。
実際、2019年10月~12月期のGDPは年率7.3%減と、既に景気後退局面を示す数値を記録しています。さらに2020年1月~3月期のGDPが前期比で年率2.2%も減少するなど、新型コロナウイルスの発生だけでは説明の難しい状況です。
・新型コロナウイルスによってさらに経済的な影響が懸念
消費増税後などで経済的に厳しい状況が続いていましたが、新型コロナウイルスの発生によって、さらに経済的な影響を受けているのが現状です。
具体的には、以下のような影響を個人・法人ともに受けています。
●緊急事態宣言、自粛の呼びかけによる観光業や小売業の売り上げ減少
●営業自粛の方針で、2020年4~5月の売り上げが急減
●緊急事態宣言解除後も、観光客の呼び込みが難しい状況
目に見える動きだけでも、経済的に大きなダメージを与えるものです。また、緊急事態宣言が解除された後も、引き続き一定の警戒を続けなければいけないため、以前のような経済活動は見通しの立たない状態です。
ただ、一部の居酒屋・飲食店などでは、業態を変えたりテイクアウトを始めたりと、新たな収入確保へ動き始めています。
・第2波、第3波による自粛やロックダウンのリスク
今回の新型コロナウイルスは、リーマンショックなどと異なるリスクもあります。それは第2波、第3波といった、感染拡大の可能性が今後も続く可能性があるという点です。
治療薬やワクチンの開発、医療機関の体制が整えば別ですが、現時点で新型コロナウイルス感染が再び広がれば何らかの対応が必要になるでしょう。
・金融緩和とスタグフレーションのリスク
新型コロナウイルスの感染が落ち着いた日本では、経済活動を再開しつつあります。ですので、今スタグフレーションが起きる可能性は低いと考えられます。
ただ、今後第2波・第3波による世界的な感染拡大が再度発生して、製品の製造がストップ・大規模な金融緩和をさらに行えばスタグフレーションの可能性は0とは言えません。
2020年6月時点で感染拡大は収まっているので、今のうちに個人できることを模索してみましょう。例えば個人でも生計を立てられるようスキルを磨いたり、資産運用を始めたりして対策を立てることも大切です。
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※2020年6月時点の情報を元にした記事です。
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