アーリーリタイアを実行する前に~メリット・デメリットを理解しよう

リリース日:2020/04/07 更新日:2024/11/07

アーリーリタイアを目指すためには、どのくらいのお金を準備すればいいのでしょうか。仕事を辞める前に知っておきたいアーリーリタイアのメリット・デメリットと資金計画についてまとめました。

アーリーリタイアを実行する前に~メリット・デメリットを理解しよう
  1. アーリーリタイアとは?
  2. アーリーリタイアするメリット・デメリット
  3. アーリーリタイア後にかかるお金
  4. リタイア前にしっかりと資金計画を立てよう

アーリーリタイアとは?

アーリーリタイアとは?

アーリーリタイアとは、早期にリタイアして自分らしいライフスタイルの生活を送ることを指す言葉です。セミリタイアや早期退職などとほぼ同じ意味ですが、ニュアンスはやや異なります。

 

セミリタイアは、リタイア後も週1~3日程度など、無理をせずに働く場合に使われます。社会とのつながりを持ち、収入をある程度確保しつつ暮らすことを目指すのがセミリタイアです。

 

一方、早期退職は、会社側から退職者を募る際に使われることの多い言葉です。一定の年齢以上の社員に対し、退職金を上乗せして早期退職者を募る場合、「早期退職優遇制度」などといわれます。早期退職者は、現在の会社を定年前に辞めますが、その後働かずにリタイアするとは限りません。別の会社に再就職する場合もあります。

 

セミリタイアや早期退職に対し、アーリーリタイアは、リタイア後は働かずに完全リタイアする場合を指す場合がほとんどです。

アーリーリタイアするメリット・デメリット

アーリーリタイアするメリット・デメリット

アーリーリタイアには、メリットとデメリットの両方があります。実行に移す前に、リタイア後の生活について考えてみましょう。

 

【メリット】

・現在の仕事が激務の場合、仕事から解放される
・趣味やボランティアなど自由に時間を使える
・家族との時間を大切にできる
・持病などがある場合、療養に専念できる

 

【デメリット】

・資金不足に陥る可能性がある
・社会とのつながりを意識的に持つ必要がある
・資金がなくなるのではという漠然とした不安感にさいなまれることがある
・24時間家族と一緒にいることでストレスが溜まることがある
・ローンが組めない場合がある
・社会的な信用を得られない可能性がある

 

これらのデメリットのうち、資金不足や不安感については、事前に十分な検討を重ねておくことで軽減できます。また、社会とのつながりや家族との付き合い方については、本人と家族の意識の問題だといえるでしょう。

 

一方で、ローンと社会的な信用については、具体的な問題だといえます。リタイア前にクレジットカードを作っておく、車などは一括購入できるだけの資金を用意しておくといった対策が効果的です。 

アーリーリタイア後にかかるお金

アーリーリタイア後にかかるお金

アーリーリタイア後に必要なお金について考えるときの指針となるのが、現在の生活費です。しかし、現在の生活費を単純にアーリーリタイア後から年金受給時まで継続した場合の金額を用意すればいいかというと、そうではありません。

 

アーリーリタイア後にかかるお金には、次のようなものがあります。

 

・生活費

現在の生活費とほぼ同等で見積もる場合が多いでしょう。このとき、月間の支出額だけでなく、賃貸住宅の更新料や年払い保険料、家電の買い替えなども含めた年間の支出額の平均から計算するようにしてください。

 

また、リタイア後は自由になる時間が多い分、支出も増える可能性があることは意識しておきましょう。子どもがいる場合は、教育費も合わせて考えておく必要があります。

 

・住民税

住民税は、収入があった翌年に課税されます。つまり、リタイアした翌年は住民税が課税されるということです。収入がない状態で現役時代と同等の住民税を支払わなければなりません。あらかじめ準備しておきましょう。

 

・年金・健康保険

会社員の間は、年金と健康保険料の半額を事業主が負担してくれています。しかし、リタイア後は国民年金保険料と健康保険料を自分で支払うことになります。しかも健康保険料は、前年の収入額に応じて決まりますから、退職した翌年は高額になる可能性があることにも注意が必要です。

 

退職後、2年間は会社で加入していた健康保険を任意継続することもできます。自治体の健康保険とどちらが安いか試算してもらい、有利な方を選択しましょう。

リタイア前にしっかりと資金計画を立てよう

リタイア前にしっかりと資金計画を立てよう

「○千万円くらいあれば大丈夫だろう」というなんとなくの印象でアーリーリタイアを決めるのは危険です。それぞれの人の生活コストやリタイア後の希望によって、かかる費用は変わります。

 

自分の年間の支出額と、今後の支出予定額を見積もり、実際よりも厳しめの試算をしておくことが将来の安心につながります。

 

例)
45歳独身、月の生活費が15万円、その他の年間支出が30万円、受け取れる年金予定額が30万円/2カ月の場合

 

年金や健康保険料等を合わせて、生活費を18万円と仮定しましょう。

 

18万円×12カ月+30万円=246万円(年間の生活費)
246万円×(65-45)=4,920万円(65歳までに必要な金額。60歳以降年金がなくなりますが、医療費等が増える可能性があるためそのまま計算しています)

 

246万円-(30万円×6)=66万円(65歳以降の年間の生活費不足額)
66万円×(105-65)+4,920万円=7,560万円(105歳まで生きたときに必要な金額)

 

7,560万円ものお金を貯めるのは、簡単なことではありません。そこで検討したいのが、アーリーリタイア時に貯めた金額を長期的に運用していくことです。たとえば、3,000万円を30年間、運用利回り3.0%で運用した場合、30年後の資産額は7,370万5,267円になります。

 

現役時代から運用でアーリーリタイア時の資金を形成するとともに、資産投資の実績や知見を深めていくことが将来につながります。楽天証券では自分にピッタリな投資の仕方を見つけられます。詳しくはサイトをご覧ください。

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平林恵子
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー
平林恵子

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

人事労務関係の仕事からライターへ転身。経験を活かしてコラム執筆を行っています。2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。

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