もうすぐ始まるプログラミング教育必修化!現状と家庭での取り組み方を解説

リリース日:2020/03/03 更新日:2024/11/05

2020年度から始まる小学校でのプログラミング教育必修化。世界のIT化が進むなか、プログラミング的思考の習得を目指します。ここでは学校でどんな授業が行われるのか、家庭ではどんな対策ができるかについて解説しています。

もうすぐ始まるプログラミング教育必修化!現状と家庭での取り組み方を解説
  1. プログラミング教育の必修化の経緯
  2. 課題・問題点
  3. 家庭でもできる対策

プログラミング教育の必修化の経緯

プログラミング教育の必修化の経緯

教育課程の基準となる学習指導要領は、およそ10年に1度のペースで改訂されています。小学校でのプログラミング教育必修化を含む新学習指導要領は、2017年の3月に公示されました。2017年度の周知・徹底期間、2018年~2019年度の移行期間を経て、2020年度からの全面実施となります。教科書もプログラミング教育を取り入れた新しいものが登場し、文部科学省が2019年3月に検定結果を公表しています。

 

今回の改定では、なぜプログラミング教育が必修化されたのでしょうか。新しい学習指導要領の方向性について話し合う中央教育審議会では、様々な問題意識で議論されています。例えば「AIやインターネットの進化による第4次産業革命が社会を変え、いま学校で教えていることが通用しなくなるのではないか」といった危機感です。

 

また現代においては、身近な家電や自動車にコンピュータが内蔵されています。その仕組みを知らないままでは、魔法の箱・ブラックボックスとして使うことになってしまいます。コンピュータを動かしているのはプログラミング。その仕組みを知れば主体的な活用ができるようになり、起業したり特許を取得したりと、子どもたちが将来仕事をする際にも役立つでしょう。

 

こうした問題意識の中、小学校で育てるべき資質として挙がっているのが「プログラミング的思考」。これについては学習指導要領解説で次のように定義されています。

 

「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号をどのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、ということを論理的に考えていく力。」

 

この「プログラミング的思考」については、授業で具体的に何をするのか見れば分かりやすいかもしれません。いくつかの例が「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」というサイトで紹介されています。その1つ「正多角形を、プログラムを使ってかこう」は、画面上の猫が歩くと線が描かれるという状況で、何歩移動させるか、何度回転させるかをプログラミングするものです。また「電気を無駄なく使うにはどうしたらよいかを考えよう」という授業では、プログラミングによってセンサーとスイッチを制御し、トイレの照明をどう節電するか考えます。

課題・問題点

課題・問題点

プログラミング教育の必修化については、いくつかの問題点も指摘されています。例えば、小学校の教師は生徒に「プログラミング的思考」をきちんと教えられるのかという点です。今回の必修化では、新たに「プログラミング」という科目ができるわけではありません。各教科の中にプログラミングの学習を取り入れるだけです。民間などには、プログラミングを独立した教科にし、プログラミングの専門家を講師として招くのが望ましいとの意見もあります。

 

また時間配分の問題もあります。授業時間の一部をプログラミングに費やすと、今までで小学生が学んでいたことのうち、時間が足りずに教えられなくなる部分が出てくるのではないかという心配です。

 

そのほか「プログラミング的思考」だけでなく、プログラミングによりどのようなことを実現したいのか想像する力も養ってほしいという声もあります。将来仕事や起業でプログラミングを使う場合、どんなものやサービスを提供できるか考える力です。プログラミング教育必修化に対する、より積極的な問題提起と言えるでしょう。

家庭でもできる対策

家庭でもできる対策

小学校での必修化ということで、プログラミング教育を家庭でも試してみたいと考える方も多いと思います。家庭で使えるサイトや教材をいくつか見てみましょう。

 

まずはビジュアルプログラミング言語の「Scratch(スクラッチ)」。マサチューセッツ工科大学メディアラボが子ども向けに開発したもので、無料で自宅のPCから利用可能。先ほど紹介した「正多角形を、プログラムを使ってかこう」の授業でも使われています。日本語にも対応していて、プログラミング教育用のテキストも数多く発売されています。家庭で子どもがプログラミングを学ぶのに適していると評判です。

 

またプログラミングを学べる玩具としては、「レゴ WeDo 2.0」が販売されています。レゴはブロックを組み合わせて遊ぶ玩具ですが、レゴ WeDo 2.0ではプログラミング学習に対応したパーツが数多く用意されています。モーターやセンサーを搭載したブロックと、プログラミングに使うソフトウェアで、様々なアイディアが実現できるのです。こちらについても「電気を無駄なく使うにはどうしたらよいかを考えよう」という授業で使われていました。家庭で購入すれば親子で遊べます。

 

これからの時代に必要とされるプログラミング思考。小学校でどのような授業を行うのか知っておくと、家庭での準備もしやすいでしょう。無料のプログラミングサイトを利用することもできますし、様々な機能を搭載した玩具を購入することもできます。貯蓄や学資保険などで教育費を準備する際には、子どものプログラミング教育にかける費用も計画に入れておくとよいかもしれません。

 

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黒川ヤスヒト
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(AFP)
黒川ヤスヒト

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。 関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。

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