暗号通貨
損益計算書の5つの利益とは?営業利益と経常利益の違いを解説
損益計算書には売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益の5種類の「利益」が出てきます。中でも重要なのが本業で得た稼ぎである営業利益です。それぞれの利益の内容を正しく知りましょう。
損益計算書とは?
損益計算書は決算書の一種。決算書は法律により財務諸表(金融商品取引法)、計算書類(会社法)と呼ばれます。法律によって作成すべき決算書の種類は異なりますが、損益計算書は会社や法人だけでなく、青色申告特別控除を受ける個人事業主にも作成義務があります。貸借対照表と並び、重要な決算書であることは間違いありません。投資家は決算書を見て企業の業績や現状を知り、株式売買の材料にします。
損益計算書は1年間の売上から、1年間にかかった費用を差し引いて、いくらプラスになったか(マイナスになったか)を示す書類です。かかった費用の種類によって、算出される利益が異なります。
損益計算書の5つの利益
損益計算書で示される利益は5種類です。損益計算書の例を見てみましょう。
黄色で示した部分が利益です。◯はプラス、△はマイナスになるものです。
・売上総利益
売上総利益は売上から原価を引いたもので、粗利や粗利益とも呼ばれます。例えば60円で仕入れたものが100円で売れたら40円の売上総利益ということです。実際にはほかの費用もかかるので、40円が手元に残るわけではありません。ざっくりした利益といえます。
・営業利益
営業利益は売上総利益から販売費・一般管理費(販管費)を引いたもので、本業で稼いだ利益と言い換えることもできます。主な販売費や一般管理費は以下のとおりです。
販売費:販売手数料、運搬費、広告宣伝費
一般管理費:間接部門の人件費、減価償却費、租税公課、交際費、消耗品費
・経常利益
経常利益は営業利益に「営業外収益-営業外費用」を加えたものです。本業で得た利益と、本業以外で得た利益をまとめたものといえるでしょう。突発的な収益や費用はここには含めません。
企業全体がいくら稼げるかを示す利益で、営業利益は赤字なのに、経常利益は黒字ということもあり得ます。例えば本業が別にありながら、保有している不動産で家賃収入を得ているような場合です。主な営業外収益と営業外費用は以下のとおり。
営業外収益:受取利息、受取手数料、受取配当金、有価証券評価益、為替差益、雑収入
営業外費用:支払利息、社債利息、手形売却損、有価証券評価損、為替差損、雑損失
・税引前当期純利益
税引前当期純利益は経常利益に「特別利益-特別損失」を加えたもの。特別利益と特別損失はその会計年度に起こった特別な事情によるものです。特別利益が大きいからといって、その企業が優れているわけではありませんし、逆もまたしかりです。例えば不動産や株式を売却して利益を上げたら特別利益となります。特別損失は不動産や株式を売却したことによる損失や、災害や盗難による損失を指します。
・当期純利益
税引前当期純利益から法人税等(法人税+法人住民税+法人事業税)を差し引いたものです。これが最終的に企業に残るお金ということになり、1年間の純粋な利益を示します。
損益計算書を見るときのポイント
当期純利益はその年特有の特別利益や特別損失が関係してくるので、必ずしも会社の経営状況を反映するとは限りません。当期純利益がマイナスであっても、経常利益がプラスなら、特別損失が原因でマイナスになっていることがわかります。逆にいうと経常利益がマイナスなのに当期純利益がプラスになっていたら、その年だけの特別利益が大きかったということになり、経営が順調とは限りません。
本業の利益である営業利益と、会社の継続的な利益である経常利益にも着目したいところです。営業利益がマイナスになっていると、本業がうまくいっていないということなので、将来が危ぶまれます。営業利益がマイナスなのに、経常利益がプラスの場合は、本業以外で保っているということ。この場合もやはり本業の経営を改善する必要があります。
一方、営業利益がプラスなのに経常利益がマイナスになることがあります。主に考えられる理由は、借入金の利息負担が大きいとか、有価証券の評価損が出ているなどです。
気になる企業の損益計算書をチェック!
損益計算書の見方がわかると、利益の種類も理解できます。最終的な当期純利益だけでなく、営業利益や経常利益が重要であることもわかるでしょう。損益計算書は企業の業績を示す重要書類です。上場企業の損益計算書は公開されているので、気になる企業をチェックすると投資の参考になります。
─────────────────
また、国内株式、先物取引などをされている方には、楽天証券では、「年間損益計算と確定申告サポート」を利用することで簡単に手続きを行うことができます。詳細をチェックしてみてはいかがでしょうか。
|
|
※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。