世界で注目されているICOとは?メリット・デメリットを解説

リリース日:2020/01/24 更新日:2024/11/15

仮想通貨を用いた資金調達手段であるICO。企業は出資の対価としてトークンを発行します。この記事ではICOについて詳しく解説。IPOとの違いや、メリット・デメリットをみていきましょう。

世界で注目されているICOとは?メリット・デメリットを解説
  1. ICOとは
  2. ICOの仕組み
  3. IPOとの違い
  4. クラウドファンディングとの違い
  5. ICOのメリット、デメリット
  6. 参加する際はよく考えて

ICOとは

ICOとは

ICOとは平たく言うと、企業が新しい仮想通貨を発行し、不特定多数の投資家に買ってもらって資金を調達する仕組みのことです。これだけ聞くと「それって大丈夫なの?」と思うかもしれません。現在のところ日本企業ではICOの取り組みがあまり進んでおらず、今後普及するかどうか不明です。

ICOが詐欺の手口に使われることもあり、怪しいと感じる人もいるでしょう。そのため、ICOの正しい知識を備えておくことが重要です。

ICOの仕組み

ICOをする企業は、「トークン」と呼ばれる仮想通貨を発行します。これはIPOの株に近いもので、企業に出資した証明になるものです。出資者はお金と引き替えにトークンを得られますが、現金で支払うわけではなく、ビットコインなど既存の仮想通貨で支払います。トークンを発行した企業は出資者から集めた仮想通貨を事業に使います。

発行されたトークンは仮想通貨取引所で売買されることになり、トークンが値上がりしたときに売却すれば、出資者は出資した金額以上のリターンが得られるでしょう。トークンは出資した企業が開発した商品やサービスの支払いにも使えます。

IPOとの違い

IPOとの違い

IPOはInitial Public Offeringの略で、新規公開株式のことです。こちらが従来ある資金調達方法で、ICOはIPOの仮想通貨版と言われています。ICOとIPOの大きな違いは2点あります。

・ICOはIPOと比べて参入しやすい
IPOで株式を発行するためには、証券取引所に上場しなければなりません。上場するためには審査があり、誰でも株式を発行できるわけではありません。ICOは審査機関がないため、IPOと比べて参入するハードルが低いです。

とはいえ、誰にでもICOができるかと言うと、そうでもありません。もともとICOはIPOと比べて簡単に資金が調達できると言われていましたが、各国でルール作りが進み、当初ほどは簡単でないというのが現状です。出資者にとってもIPOより信頼性が低いICOに出資する理由が見つからず、資金が集まりにくい面もあります。

・議決権や株主優待がない
投資家が株式を保有する理由として、議決権や株主優待が得られる点が挙げられます。ICOは株式と違い、こうした権利がありません。

クラウドファンディングとの違い

ICOはクラウドファンディングと比較されることもあります。クラウドファンディングはリターンが終わればそこで完結です。ICOはトークンを流通させるため、出資者と企業との関係にとどまらず、新たな経済圏を生み出す可能性があります。

ICOのメリット、デメリット

ICOのメリット、デメリット

ICOには企業側と投資家それぞれにメリット・デメリットがあります。

・企業側のメリット
一連の手続きをネット上で行うため、場所や時間にとらわれないのがメリットです。世界中から広くお金を集めることができます。先述したとおり発行に際して厳密な審査がないことから、IPOと比べて容易に資金調達できるのも魅力。ICOは仮想通貨のやり取りで済むため、コストが抑えられるのもメリットです。

・企業側のデメリット
IPOと比べて参入が容易ということは、それだけライバルも多いということです。しかも相手は世界中にいます。どうやって自社に出資してもらうか、ライバルとの差別化が重要です。資金調達しようと思っても、目標金額が得られないまま終わってしまうかもしれません。

また、国によって制度が違うことから、法に触れないよう注意する必要があります。ICOを使った詐欺もあるため、安心感を持ってもらうよう留意しなければなりません。

・投資家のメリット
個人投資家がIPOに参加するのはなかなか難しいもの。ある程度まとまった資金を持ち、抽選に当たらなければなりません。それと比べるとICOは少額からでも参加しやすいです。受け取ったトークンが値上がりすれば利益を得られます。トークンを企業のサービス利用や商品購入に使うこともできるので、自分が利用したい企業のトークンに出資すると役立つでしょう。

・投資家のデメリット
ICOの長所にトークンが値上がりすれば利益が得られるとありますが、逆もまたしかりで、大きな損失を被る可能性もあります。IPOのような審査がないICOのトークンの中から、値上がりするトークンを探し出すのは至難の業。最悪の場合は0円になってしまうかもしれません。どの企業も自社のICOがいかに魅力あるものか打ち出してきますが、大成するのはそのうちの一握りであることを忘れずに。

参加する際はよく考えて

以上、ICOについて詳しく説明してきました。IPOと比べて歴史が浅いため、今後どうなっていくのか注目していきたいところです。どの投資にもリスクはつきもので、ICOに関しても同じことが言えます。特にIPOと違って厳密な審査がないことや、流動性が低いことには注意が必要。ICOに参加する際は信頼できる投資先かどうかを見極めた上で、少額からはじめることをおすすめします。

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宮島ムー
この記事を書いた人
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)/宅地建物取引士
宮島ムー

※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

関西に住む子育て中の主婦です。 お金や不動産に興味があり、日商簿記1級・FP2級・宅建などの資格を独学で取得しました。 記事ではなるべく専門用語を使わず、わかりやすく説明するよう心がけています。

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