仮想通貨の税金事情 日本と海外ではどのように違うの?

リリース日:2019/01/22 更新日:2024/11/11

仮想通貨の日本の税金は原則「雑所得」として扱われ、かなり高い税額を取られる可能性があります。それでは海外ではどうなのでしょうか。こちらの記事では日本と海外の税金事情の違いについて紹介します。

仮想通貨の税金事情 日本と海外ではどのように違うの?

もくじ

・各国の仮想通貨の税金事情

・取引所が海外の場合は?

・海外に移住すれば税金は免除される?

・海外に移住するのは、よほどの利益を上げていないと、意味がない

・もし節税のために海外移住するならこの国、シンガポール

・まとめ

各国の仮想通貨の税金事情

各国の仮想通貨の税金事情

アメリカの場合、仮想通貨を「資産」としてみなし、仮想通貨で得た利益はキャピタルゲイン税が適用されます。キャピタルゲインとは、株式などの取引で譲渡益が発生した際に課税される税金です。

 

日本では、株式の譲渡益は分離課税となり、20.315%が課税されます。これはとても有利な税金で、どれだけ稼いでも20.315%の税金しかかかりません。通常、日本の所得税は累進課税で、金額が上がればその分税率も上がり、最高45%まであがるからです。

 

アメリカのキャピタルゲイン税は10%から上限が約40%となっており、上限まで行くとかなり高額となっています。 

 

イギリスの場合は仮想通貨を法定通貨(ポンドなど)に交換しても課税されません。ただ、仮想通貨を使って商品などを購入すると、日本でいう消費税のような付加価値税がかかります。これは20%となっています。

 

オーストラリアの場合は、アメリカと同じく仮想通貨を資産としてみなしますが、1万豪ドル以下は非課税となっています。

 

日本の場合、20万円までは非課税ですので、オーストラリアのほうが有利ですね。いずれの国の税制度もまだまだ変わる可能性があり、現在日本も雑所得から株式のように「申告分離課税」にすべきだという議論が起こっています。

 

雑所得だとあまりにも税金が高くなりすぎる傾向にありますが、政府の見解としては、まだ雑所得のままになりそうです。これは、仮想通貨が作られて間もないことにも起因します。値動きが激しく投機的要因が強い仮想通貨に、まだ国の法律が追い付いていないからでしょう。しかし、今後キャッシュレスやIT化により様々な環境が変化していく中で、いずれにせよ仮想通貨に関する何かしらの法律はできるかもしれません。

取引所が海外の場合は?

仮想通貨の取引所が海外であっても、日本に住んでいる限りは、日本の税法が適用されます。ただ、仮想通貨で得た利益が年間20万円以内であれば、申告する必要はありません。また、海外の取引所では、為替に注意する必要があります。例えば仮想通貨を米ドルに交換し、その後円に交換すると、購入時よりも円安であれば為替益が発生し、その為替益に税金がかかります。

海外に移住すれば税金は免除される?

海外に移住すれば税金は免除される?

日本では仮想通貨で得た利益は原則、「雑所得」扱いとなり、高額な税金になる可能性があります。ですから、仮想通貨の利益に関し、もっと税金の安い国に移住すれば、税金は安くなります。

 

ただし、海外に行くだけではダメです。税金が免除されるには海外に「居住」する必要があります。日本に住んでいる限りは、どうやっても日本の税制度が適用されます。それは海外の取引を使っても同じです。日本の税金が適用される条件に日本での居住要件があります。ですから日本から出ていき、海外に居住していれば、日本の税法は適用されません。

 

ここで問題になるのが、何をもって「居住」とするのかです。国税庁のHPには詳しく書かれていますが、簡潔に書きますと「生活の中心がどこか?」ということになります。生活の中心が日本なのかそれとも海外なのか、それを証明できれば非居住者扱いとなり、海外の居住者となります。

 

非居住者(日本に住んで居ない人)は日本の税金はかかりませんが、代わりに今住んでいる国の税金がかかります。国によっては日本よりも税金が高い国もありますので、注意しましょう。

海外に移住するのは、よほどの利益を上げていないと、意味がない

海外に移住するのは、よほどの利益を上げていないと、意味がない

海外に移住するのには、それなりに手間と時間がかかります。また、移住の手伝いをしてくれるサービスもありますが、もちろんそれにもお金がかかります。少しだけ仮想通貨で利益が出たから移住しよう、というのはやめた方がいいでしょう。もちろん何億円という単位で利益を出した人は、仮想通貨にかかる税金が安い国に移住すればかなりの節税になります。

もし節税のために海外移住するならこの国、シンガポール

もし節税のために海外移住するならこの国、シンガポール

シンガポールでは、所得税の最高税率が20%です。日本の所得税は45%が最高ですので、実に25%の税率の差があります。例えば1億円の利益を得た場合、日本だと4,500万円の所得税がかかりますが、シンガポールであれば、2,000万円。実に2,500万円の節税になります。

 

また株式の売買で儲けた利益に関してかかるキャピタゲイン税も、シンガポールであれば非課税です。ただ、シンガポールでは医療費が高額になる可能性が大いにあります。シンガポールでは基本的に自由診療となっており、日本における3割負担とは違います。ですので、シンガポールに移住する際は、必ず民間の医療保険に加入することをオススメします。

 

ただ、このようなリスクがあっても、節税と言う観点から見るとリスクを補うメリットがあります。事実、日本の投資家などはシンガポールに移住している人は多いです。今後、日本の税金はさらに上がっていく可能性があり、ますます日本から出ていく人は多くなるかもしれません。

 

このままでは日本の納税額はますます減っていくでしょう。しかし、これは違法ではなく合法的な手段です。移住することで節税を行い、浮いた税金をさらに投資に回す。するとますます格差社会は広がっていきますが、民主主義であるかぎり仕方がありません。

 

ちなみにアメリカでは、日本のように移住すれば税金がかからないという制度はなく「国籍」を捨てる必要があります。日本でもアメリカのように移住しても課税されるのであれば、日本の納税額は格段に上がるかもしれませんが、制度が変わることはしばらくなさそうです。

まとめ

いかがでしたか?海外にも様々な事情があり、いい点もあれば悪い点もあります。たしかに税金が安い国に移住すればお金は残りますが、失うものもあるため慎重に計画した方が良さそうです。

 

ただ、そのためにはまず海外に移住を検討するくらい仮想通貨で利益を出すことが必須です。含み益(売らずに保持すること)が何億円と出ようと、仮想通貨を売ったり使ったりしなければ、日本では課税されません。

 

もしも巨額の利益が出そうであれば、海外移住を視野に入れながら、決断すべきでしょう。

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※本著者は楽天カード株式会社の委託を受け、本コンテンツを作成しております。

関西圏在住。不動産と会計に携わる仕事をし、その後独立しました。現在はFPの資格を活かしながらライターの仕事をしています。少しでも分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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