クレジットカードのタッチ決済とは、クレジットカードを端末にかざすだけで支払いが完了する決済方法のことです。

タッチ決済の仕組みや使用方法、注意点などの基本知識を解説します。

タッチ決済とは、NFC（Near Field Communication）と呼ばれる非接触のデータ通信技術を利用した支払い方法です。クレジットカードを専用の端末にかざすだけで、瞬時に支払いが完了します。NFCとは、近距離でカードや対応機器をかざすとデータの通信ができる技術で、タッチ決済はもちろん、カードキーや証明書などにも使われています。

タッチ決済の使用方法は以下のとおりです。

1. タッチ決済対応のクレジットカードやスマートフォンを用意する
2. 店頭やレジにタッチ決済対応マークがあるかを確認する
3. レジで会計の際に「タッチ決済」と伝え、端末にカードまたはスマートフォンをかざす

これだけで支払いが完了です。暗証番号の入力やサインの必要がなく、スムーズに支払えます。

タッチ決済には、以下のメリットがあります。

• 現金を取り出す必要がなく手軽
• レジでの支払い時間を短縮できる
• 接触を減らして衛生面も安心
• 不正使用を防止できる

タッチ決済の魅力は手軽さです。財布から現金を取り出す手間がなく、決済端末にクレジットカードやスマートフォンをかざすだけで支払いが完了するため、急いでいる時でもスムーズに利用できます。荷物が多くて財布を取りだす余裕のない時や、小さな子供を連れている場面でも役に立ちます。

タッチ決済は、レジでの支払い時間を短縮できる点もメリットです。サインや暗証番号の入力が不要のため、現金や通常のクレジットカードの支払いに比べてレジでの支払い時間が短縮されます。レジでの時間が短くなることで、余裕を持って買い物を楽しめるともいえるでしょう。

タッチ決済は、非接触型で現金やカードの受け渡しが不要なため衛生的です。店舗の従業員との接触を最小限に抑えることによって、感染症のリスクを減らせます。特に新型コロナウイルスの流行以降非接触型の支払い方法が求められるようになり、タッチ決済の利用が一層広がっています。

タッチ決済は、不正使用の防止もできます。店員にクレジットカードを渡して支払う場合、カード番号やセキュリティコードを悪用されてしまうリスクもゼロではありません。タッチ決済では、会計時にクレジットカードを渡さないため、不正使用される心配がありません。

タッチ決済には以下の注意点もあります。

• 一定額以上の支払いができない
• 利用できる店舗が限定される

タッチ決済には、利用限度額が設定されていることが一般的です。通常、1回の支払いで利用できる金額には上限があり、大きな買い物には適していない場合があります。タッチ決済で高額の買い物をする場合などには注意しましょう。

タッチ決済はすべての店舗で利用できるわけではなく、利用できる店舗が限定されています。特に小規模な店舗では、タッチ決済に対応していない場合もあります。タッチ決済を利用する時には、事前にそのお店が対応しているかの確認が必要です。大手のコンビニエンスストアやスーパー、チェーン店などでは比較的普及していますが、個人経営の飲食店や専門店では対応していない場合もあります。

タッチ決済の安全性に不安を感じ、使っていないという人もいるかもしれません。タッチ決済には以下のセキュリティ対策が実施されているため、安心して使用できます。

• ICチップによるデータ暗号化
• 利用限度額の設定
• 不正使用検知システム

ひとつずつ詳しく解説します。

タッチ決済に使用されるクレジットカードにはICチップが内蔵されており、取引データは暗号化されています。これにより、第三者にデータが盗まれるリスクが少なくなります。ICチップは、磁気ストライプカードに比べてセキュリティレベルが高いため、データの改ざんや不正使用の防止が可能です。

タッチ決済には利用限度額が設定されており、不正使用があった場合でも被害を最小限に抑えられます。利用限度額はクレジットカード会社や発行元によって異なるため、自身の限度額を確認しておくことが重要です。例えば、普段の買い物はタッチ決済で行い、大きな買い物は暗証番号やサインが必要な通常のカード決済を行うなど、使い分けると良いでしょう。

クレジットカード会社の多くは、不正使用を検知するシステムを導入しています。異常な取引が検出されるとカード会社から連絡が入り、迅速な対処が可能です。

タッチ決済をさらに便利に利用するテクニックを3つ紹介します。

• スマートフォンやウェアラブルデバイスとの連携
• ポイント還元キャンペーンの活用
• 海外旅行での利用

タッチ決済をさらに便利にするには、スマートフォン決済との連携が有効です。スマートフォンにクレジットカード情報を登録すると、カードを持ち歩かずに支払いできるようになります。Apple PayやGoogle Payなど、多くのスマホ決済アプリがタッチ決済に対応しています。スマートフォン1つですべての支払いを完了でき、財布なしで買い物に行くことも可能です。

スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスもタッチ決済に対応しています。Apple WatchやGoogle純正のWear OS搭載のスマートウォッチにクレジットカード情報を登録すると、腕時計を端末にかざすだけで支払えます。特に、荷物が多い時や両手がふさがっている時に便利です。

クレジットカード会社は、タッチ決済を利用するとポイントが還元されるキャンペーンを開催する場合があります。キャンペーンを活用すれば、通常よりも多くのポイントを貯められます。キャンペーン情報はクレジットカード会社の公式サイトやアプリ、メールマガジンなどで確認できるため、定期的に確認すると良いでしょう。SNSやポイント還元に特化した情報サイトも便利です。

例えば、特定の提携店舗でタッチ決済を利用すると、通常よりも高いポイント還元率を提供していることがあります。定型店舗の例はコンビニエンスストアやカフェ、ドラッグストアなどで、期間中にタッチ決済をするとポイントが2倍や3倍になるキャンペーンなどが実施されていることがあります。キャンペーンを利用すると、日常的な支払いで効率良くポイントを貯めることが可能です。

タッチ決済は海外でも利用可能です。特にヨーロッパやオーストラリア、アジアには、タッチ決済が広く普及している国があります。海外旅行でタッチ決済を利用すると、カードを店員へ手渡さずに済むため、カードの紛失や偽装のリスクを抑え、セキュリティ面での安心感が得られます。

海外でタッチ決済を利用する時には、海外対応のクレジットカードを選ぶことが重要です。国際ブランド（Visa、Mastercard、American Expressなど）が付帯しているカードを選べば、ほとんどの国や地域で利用可能です。海外旅行保険が付帯しているカードを選ぶと、万が一のトラブルにも対応できます。

クレジットカードのタッチ決済は、手軽さとスピーディーさはもちろん、非接触型で衛生面にも優れており、ポイント還元などのメリットもあります。しかし、利用限度額や対応店舗の確認など、注意点も押さえることが重要です。セキュリティ対策も万全で、安全に利用できるタッチ決済をスマートに活用しましょう。