高速道路の料金所でETCレーンを走行したとき、基本的に領収書は発行されません。

ETCで領収書が発行されない理由のひとつは、そもそも領収書は現金を直接受け取ったことを証明する書類であるためです。

また、ETC走行時に領収書を受け取るためには、料金所で1度停止する必要があります。1度停止してしまうと、料金所での支払いがスムーズになるETCのメリットを生かせません。このようなことなどから、ETCでは領収書が発行されていない状況にあります。

ETCをビジネスで利用した場合、経費として計上するには領収書が必要です。一般的には、以下の書類が領収書の代わりとして使われています。

• ETCの利用証明書や利用明細
• クレジットカードの利用明細

これは、書類の作成者の氏名や名称、支払いをした年月日、支払いをした商品やサービスの内容およびその金額などが記載してあれば、領収書の代わりとなる場合があるためです。

それぞれについて、以下で詳しくご紹介します。

ETCの利用証明書や利用明細は、ETCを利用した日時や場所、金額などが記載された書類です。ETCの利用証明書や利用明細はETC利用照会サービスで発行できます。

ETC利用照会サービスはオンラインサービスとなっており、利用証明書や利用明細の発行のほか、内容をCSVファイルやPDFファイルで出力することが可能です。

ETC利用照会サービスは登録が必要ですが、登録手数料や年会費はかかりません。ETCの利用証明書が欲しい場合には、事前にETC利用照会サービスに登録しておくと便利です。

クレジットカードの利用明細は、各カード会社が発行している書類です。クレジットカードの利用明細に、領収書に必要な書類の作成者の氏名や名称、支払いをした年月日などが記載されていれば、領収書の代わりとなる場合があります。

クレジットカードの利用明細には、紙の利用明細書とWeb明細があります。経理業務で使う場合は、利用明細を大切に保管しておきましょう。

ETCの利用証明書や利用明細を発行するには、以下の3つの方法があります。

• ETC利用照会サービスを使う
• ETC利用履歴発行プリンターを使う
• 料金所の一般レーンでもらう

それぞれの方法を詳しく紹介します。

ETC利用照会サービスで利用証明書を発行するときは、まず登録を行います。登録するとユーザーIDとパスワードが発行されるので、そのユーザーIDとパスワードを使ってETC利用照会サービスにログインし、利用証明書を発行します。

ETC利用照会サービスでは、過去15カ月間のETCを走行した利用明細が確認可能です。一覧から利用証明書を発行したい項目を選ぶと、利用証明書を発行できます。

ETC利用履歴発行プリンターは、各高速道路のパーキングエリアやサービスエリアに設置されているプリンターです。ETC利用履歴発行プリンターにETCカードを挿入すると、プリンターが利用履歴を読み取り、ETC利用明細書を発行してくれます。

注意したいのは、走行中の利用明細はETC利用履歴プリンターで発行できない点です。ETC利用履歴発行プリンターは、通行料金が確定した分の利用明細書のみ発行できます。

高速道路を走行中にパーキングエリアやサービスエリアに立ち寄っても、その走行中の利用明細は印刷できないので注意してください。

利用証明書を即座にもらいたい場合は、一般レーンでもらうことが可能です。

料金所で利用証明書を発行してもらう場合は、入口料金所ではETCレーンを走行し、出口料金所では一般レーンまたはETC／一般レーンへと進入してください。

料金所の係員にETCカードを渡して「利用証明書が欲しい」と伝えると、利用証明書を受け取れます。ただし、一般レーンが無人の場合は、ETC利用照会サービスやETC利用履歴発行プリンターを利用しましょう。

ETCの利用証明書やクレジットカードの利用明細を発行するとき、以下の点に注意してください。

• ETC利用照会サービスは登録が必要
• クレジットカードの利用明細では特定の記載内容が必要

ETC利用照会サービスで利用証明書を発行するためには登録が必要です。登録の際に以下のものを準備しておくと、スムーズに申し込みができます。

• ETCカード番号
• メールアドレス
• 過去のご利用年月日
• 車両番号
• 車載器管理番号

車載器管理番号とは、ETC車載器の19桁の識別番号です。車載器本体のラベルで確認できるほか、音声案内機能や表示機能で確認できる場合もあります。

クレジットカードの利用明細を領収書として使用する場合は、領収書に必要な情報が記載されていなければなりません。確定申告の証憑書類などで使うときに、ご自身で必要な情報が記載されているかわからない場合は、最寄りの税務署に相談してみましょう。

ETCを利用したときは、基本的に領収書が発行されません。そのため、経費を計上するときには、ETC利用照会サービスの利用証明書やクレジットカードの利用明細を領収書代わりに使うことが一般的です。

ETCの利用証明書や利用明細は、ETC利用照会サービスやETC利用履歴発行プリンターで発行できます。ETC利用照会サービスを使うときは、事前に登録申し込みを行いましょう。