全国の主要高速道路の料金所では、ETCカード以外でも、クレジットカードでの支払いにも対応しています。クレジットカードで支払いを行う場合は、「ETCレーン」ではなく「一般レーン」を通過します。

なお、少数ではあるものの、クレジットカードでの支払いに対応していない料金所も存在しますのでご注意ください。以下は、その具体例です。

• 阪神高速道路
• 名古屋高速道路（「一宮料金所」および「東海（合併）料金所」のみ対応）
• 広島高速道路（「都市高速広島東料金所の下り側」および「坂料金所」のみ対応）
• 福岡都市高速道路（「福岡IC」および「太宰府IC」の料金所のみ対応）
• 北九州都市高速道路（「門司IC」および「馬場山」の料金所のみ対応）

多くの高速道路ではクレジットカードでの支払いが可能ですが、ETCカードで支払いする方が、使い勝手が良い点があることを、このあとご紹介していきます。

以下は、クレジットカードと比較した際のETCカードのメリットです。

• 割引制度
• ポイントプログラム
• スムーズな通行が可能

それぞれについて詳しく説明します。

道路事業者各社によって、ETCカード利用者限定の割引制度が実施されています。以下は、その具体例です。

• ETC 平日朝夕割引：平日の一定時間内に利用すると、回数に応じて30％分または50％分のETCマイレージサービスが還元される
• ETC 休日割引：土日・祝日に、地方部の高速道路が30％割引（対象車両は、普通車・軽自動車などに限定）
• ETC 深夜割引：毎日、午前0時～午前4時の時間帯に利用すると30％割引

なお、「ETC 平日朝夕割引」に関しては、事前に「ETCマイレージサービス」（後述）への登録が必要になります。

上記以外にも、大口・多頻度利用者を対象とした「大口・多頻度割引」や、ETC2.0車を対象とした「ETC2.0割引」、「障がい者割引」など、さまざまな割引制度が用意されているので、ご自身に適した割引制度をご活用ください。

ETCカードで支払うと、「ETCマイレージサービス」のポイントが貯まります。

ETCマイレージサービスとは、申し込んだETCカードでの通行料金の支払い額に応じてポイントが貯まるサービスのことで、ETCカードと、セットアップされたETC車載器があれば、個人でも法人でも登録できます。無料で登録可能で、年会費もかかりません。

なお、ETCカードでの通行料金の支払い額に応じてポイントが進呈されますが、道路事業者によって還元率が異なることにご留意ください。

貯まったポイントは、還元額（無料通行分）に交換したうえで、通行料金の支払いに利用できます。

クレジットカードで支払いする場合、入口で通行券を受け取る際や、出口で精算する際に一時停車しなければなりません。

しかし、ETCカードなら、時速20km以下で徐行してETCレーンを通過することにより、自動的に支払いが行われるので便利かつ快適です。

ETCカードを選ぶ際には、以下の点をチェックしましょう。

• クレジットカードに付帯して発行されるかどうか
• 年会費等の費用はかかるか

各項目について詳しく説明します。

ETCカードは、以下の2種類に大別されます。

• ETCパーソナルカード（高速道路6社（※1）が共同で発行）
• クレジットカードに付帯して発行されるETC専用カード

ETCパーソナルカードの場合、クレジットカードのような「信用情報機関への照会を伴う審査」は実施されません。ただし、平均利用月額（見込み額）に応じたデポジットを預けることや、年会費1,257円（税込み）の支払いが必要です。

クレジットカードに付帯して発行されるETC専用カードの場合、ETCマイレージサービスのポイントのほかに、クレジットカードのポイントも進呈される場合があります。

例えば、楽天カードに付帯するETCカード（年会費550円（税込み）を利用して高速道路を走行すると、通行料金100円につき1ポイントの楽天ポイントが進呈されます。

（※1）東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社、首都高速道路株式会社

上述したように、ETCパーソナルカードには、デポジットが必要なほか、年会費がかかります。

クレジットカードに付帯して発行されるETC専用カードの場合は、カードごとに新規発行費用や年会費、更新費の有無や金額が異なります。無料の場合もあれば、有料の場合もあるので、各社の公式サイトで、詳細を確認しましょう。

多くの高速道路では、クレジットカードでもETCカードでも通行料金を支払うことが可能です。ただし、ETCカードには、「割引制度」「ポイントプログラム」「スムーズな通行が可能」といったメリットがあります。

なお、ETCカードを選ぶ際には、「クレジットカードに付帯して発行されるかどうか」や「年会費等の費用はかかるか」といった点をチェックしましょう。クレジットカードに付帯するETCカードを選ぶと、クレジットカードのポイントも貯まることがあるなど、お得な場合があります。