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病院や診療所でもクレジットカードが使える?医療費控除はどうなる?
クレジットカードで医療費を支払える病院や診療所が増えてきました。この記事では医療費の支払いにクレジットカードを使うメリットなどについてわかりやすく解説します。またカード払いをした場合の医療費控除申告方法も説明します。
- 病院や診療所の支払いはクレジットカードで支払える?
- 総務省の働きかけで病院のクレカ払いが増加
- 支払える病院を見分けるには
- 診察料や医療費をクレジットカードで払うメリットは?
- カード払いでも医療費控除を受けられるのか
- 医療費控除のために領収書は必要?
- 医療費のカード払いはメリットがたくさん
病院や診療所の支払いはクレジットカードで支払える?
クレジットカードによる決済が普及してきた昨今、多くの病院や診療所の支払いでクレジットカードが利用できるようになってきました。ただし、まだどの医療機関でも使えるという状況ではありません。
平成31年3月に厚生労働省が実施した調査によると、クレジットカードやデビットカードなどの決済方法を導入している病院(病床数が20床以上の医療機関)は49.0%、診療所(病床数が19床以下の医療機関)では16.5%でした※。
カード対応している医療機関の大半は大学病院や総合病院です。規模の小さな地域密着の診療所やクリニックでは、導入費用や決済手数料の負担といった理由からまだカード決済を取り入れていない可能性があります。
カード対応が進んでいないのは、調剤薬局も同様です。しかし、ドラッグストアが調剤薬局の役割を果たすようになり、状況に変化が生じています。ドラッグストアは大規模に展開している企業も多く、多種多様な決済方法を採用していますが、それに対抗するため、比較的小さな調剤薬局もカード決済を導入する流れができつつあります。
病院・診療所に限らず、医療業界全体においてキャッシュレス化の流れはますます拡大していくことになるでしょう。
総務省の働きかけで病院のクレカ払いが増加
今はまだ、全医療機関でクレジットカードが使えるほど環境が整っているわけではありません。しかし、国の政策方針に注目すれば、病院や診療所でのカード払いが今後さらに拡がっていくことは容易に想像できます。ここで国の過去の取り組みを1つ紹介します。
2012年に総務省行政評価局は、逓信病院・社会保険病院(当時)・労災病院などに対し、「カードによる医療費の支払方式導入」の働きかけをしました。そのような判断をした理由を次のように説明しています。
カードによる医療費の支払方式を導入していない病院の開設者等は、患者サービスの一層の向上、医療費の収納事務の効率的・効果的実施の推進等を図る観点から、その導入に向けた検討を行う必要がある。
※平成24年2月 カードによる医療費の支払方式の拡大(概要) (総務省行政評価局)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000145866.pdf
これは、公的病院(社会保険病院・厚生年金病院・労災病院など国が開設する病院)で診察を受け、カード払いを申し出たところ、利用できないと言われたという相談を受けての判断でした。
過去には、国立大学病院での支払い方法にカード払いを取り入れるよう、総務省が働きかけたこともあります。
病院や診療所が医療費のカード払いを導入することで、患者と病院双方にメリットがあると総務省は認識しており、医療費のカード払いは今後さらに拡がっていくものと考えられます。
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支払える病院を見分けるには
医療費のカード払いの可否を見分けるには、病院や診療所のホームページを確認するのが最も早い方法です。「(病院名) 支払い」という検索ワードで検索をすれば、ほとんどの場合すぐにその病院の支払い方法を検索することができます。
病院や診療所のサイトのトップ画面からだと、支払い方法のページがどこにあるのか探すのが大変なので、検索方法も工夫してみてください。
カード払いが可能な病院・診療所のホームページ上では、取り扱い可能なクレジットカードをわかりやすいアイコンで表示していることがほとんどです。受付時間なども記載されていますので確認しておきましょう。
比較的大規模な大学病院や総合病院の大半で医療費のカード払いができるといっても、必ずできると約束されているわけではありません。まして小さな病院や診療所のカード払い対応はまちまちです。カード払いが実際に可能かどうかは事前に確認しておきましょう。
診察料や医療費をクレジットカードで払うメリットは?
医療費をカード払いにすることで、支払った医療費分のポイント還元が受けられ、高額の医療費の支払いを分割にしたり、事実上先延ばしにしたりできるようになります。現金を持ち歩く必要がないという点もカード払いのメリットといえるでしょう。カード払いのメリットについて詳しく解説していきます。
クレジットカードのポイントが貯まる
医療費の支払いも通常のお買い物の支払いと同じです。クレジットカードで決済すると、カード会社のプログラムに従い、支払い額に応じたポイント還元が受けられます。医療費は高額になることがあるため、還元されるポイントも大きくなり、おすすめです。
支出の管理がしやすい
クレジットカードを利用して医療費の支払いをした場合、利用明細書を見れば、いつ、いくら使ったのかが正確にわかるため、支出の管理が簡単になります。利用明細書はインターネットで確認することもできるので、領収書を保存しておくよりも使い勝手がよいでしょう。
現金を持ち歩く必要がない
クレジットカードがあれば、手元に現金がなくても医療費を支払うことができます。病院や診療所で診察を受けるときに、いくらかかるのか事前に医療費を把握している人はまれです。支払い時に金額が不足すると困るので診察の際は、少し多めに現金を持参している人が多いのではないでしょうか。
カード払いができれば、余分な現金を持ち歩く必要がなくなり、支払いのために事前に現金を引き出しておくという手間もかかりません。
後払いにできる
急な病気やケガで病院や診療所にかかった場合も同様です。支払いの心配をせず、必要なときに診療を受けることができます。
分割払いにできる
医療費が予期せず高額になってしまった場合、分割払いに変更することができます。支払いを先延ばしにできることや、負担の少ない支払い方法を選べることはカード払いならではのメリットです。ただし病院や診療所、もしくはクレジットカード自体が分割払いに対応していないこともあるため、支払い前に確認しましょう。
非接触で決済ができる
新型コロナウィルスの感染拡大により、非接触というキーワードがよく使われるようになりました。支払いにクレジットカードを利用することで、不特定多数が触れた紙幣や硬貨を受け取る機会がなくなるため、感染リスクを下げることができます。
会計がスムーズに済む
クレジットカードでの支払いは、小銭の出し入れやおつりのやりとりがなくなるため、現金払いに比べて非常にスムーズです。会計時にミスが起きることもなく、スピーディーに会計を済ませることができます。
カード払いでも医療費控除を受けられるのか
医療費をクレジットカードで支払っても、医療費控除を受けることは可能です。医療費控除額は以下のように計算します。
=医療費控除額(最大200万円)
※ただし総所得金額200万円未満の人は、上記「10万円」の代わりに「総所得金額の5%」
医療費控除は年単位で考えます。実際にクレジットカードを使用した日が支払い日です。2020年12月にクレジットカードで医療費を支払い、2021年1月にクレジットカードの利用代金が引き落とされたとしましょう。医療費を支払ったのは2020年12月なので、この費用は2020年分の医療費控除の対象となります。
また、2020年12月に医療費の請求を受け取り、2021年1月にクレジットカードを利用して支払ったケースでは、医療費の支払いは2021年1月になり、2020年の医療費の対象にはなりません。
医療費控除のために領収書は必要?
医療費控除を受けるためには、年間の医療費の領収書を合計する必要があります。しかし、医療費を現金で支払うと領収書以外にも受け取る書類が多く、どれが医療費の領収書なのかわからなくなってしまう人も多いはずです。医療費の領収書の代わりになるのがクレジットカードの利用明細です。
現在では、医療費控除の申請をする際、病院や診療所が発行した領収書やクレジットカードの利用明細を提出する必要はありませんが、5年間はどちらかを保管しておく必要があります。
インターネット上では、クレジットカードの利用明細を5年分さかのぼって閲覧することはできないケースが多いため、いざというときに備えて、医療費控除を受けた年は利用明細をプリントアウトして保管しておきましょう。
ただし、健康保険から送られてくる「医療費のお知らせ」がある場合は、領収書もクレジットカードの利用明細も不要です。
なお、医療費をリボ払いにしたときの金利は医療費控除の対象とはなりません。
医療費のカード払いはメリットがたくさん
病院や診療所での支払いにも、クレジットカードが使えるようになってきました。全ての医療機関でカード払いができるわけではありませんが、ホームページを検索してカード利用の可否や取り扱い可能なクレジットカードを調べることができます。
カード払いをした医療費も医療費控除の対象となり、クレジットカードの利用明細は医療費を支払ったことを証明する書類と見なされます。医療費のカード払いのメリットを理解して、生活に役立ててください。
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