クレジットカードには有効期限があります。インターネット上でカード払いをするときには必ず有効期限を入力するので、クレジットカードの券面に記載されていることは知っている人も多いと思います。クレジットカードに有効期限が定められている主な理由は、次の2つです。

• クレジットカードの劣化対策（磁気ストライプ、ICチップ）
• セキュリティ対策の更新

まずは、クレジットカードそのものの問題です。プラスチックカードは使い続けていると、磁気やICチップ部分の不良が起きたり、劣化したりするので、定期的に交換が必要です。新しく発行する（更新する）クレジットカードに、セキュリティ上の新しい技術を導入する目的などもあるでしょう。

また、クレジットカードには、トラブルを防止するためのさまざまなセキュリティが備わっています。クレジットカードを定期的に更新することで、最新のセキュリティ機能が備わったカードを利用できるようになる場合もあります。

クレジットカードの有効期限が近づいてきたら、何か手続きが必要になるのでしょうか。通常は自動更新のため、有効期限の1カ月前を目安にカード会社から新しいクレジットカードが送付されます。更新そのものに特別な手続きは必要ありません。

しかし、更新にともなって準備しておきたいことがいくつかあるので、順を追って紹介します。

有効期限が近づいて、新しいクレジットカードが届く前に、カード会社に登録している会員情報を確認しておきましょう。結婚による姓の変更や引越しによる住所変更など、会員情報の中でも特に重要な事項が変わっている場合、更新されたクレジットカードが届かない、などといったことが起きる可能性があります。

特に住所が変わっている場合は、必ず登録情報を確認してください。クレジットカードは、転送不要郵便で届くので、引越しの後、一定の期間で使える転送サービスが利用できません。新しいクレジットカードが問題なく受け取れるよう、必ず住所変更の手続きをしておきましょう。

クレジットカードで公共料金などを自動支払いにしているという人も多いでしょう。一部、自動的にカード情報が更新される支払先もありますが、すべてが自動更新されるわけではありません。

そのため、クレジットカードの有効期限が切れる時期には、それぞれ更新が必要かどうか事前に確認するようにし、利用明細で支払いがされているかを普段以上にチェックしてください。もし、支払いが行われていなければその通知が届くはずですので、郵便物やメールのチェックも忘れずに行いましょう。

クレジットカードが更新されるときに注意することは、以下のとおりです。

• クレジットカードの付帯サービスや特典の内容が変更されている場合がある
• ETCカードの到着が遅れる可能性がある
• 更新時にも審査が行われる
• 古いカードは細かく切ってから処分する
• 利用条件・契約内容を確認する
• 新しいカードが届いたら裏面にサインする
• 公共料金などの継続利用手続きを行う

1つずつ詳しく見ていきましょう。

クレジットカードを作成するとき、例えば海外旅行保険の自動付帯やポイント還元率の高さなど、付帯しているサービスや特典などを考慮した人もいるでしょう。

ただし、クレジットカードの更新のタイミングで、付帯するサービスは変更される可能性があります。更新の機会にもう1度カード会社が提供しているサービスの詳細を確認し、必要なサービスが継続して付帯しているか、逆に今まで知らなかったサービスがないかなど、チェックしてみると良いかもしれません。

クレジットカードの申し込みと同時にETCカードを申し込んでいる人もいると思います。ETCカードで利用した高速道路料金の支払いは、同時に申し込んだクレジットカードから支払われるようになっているため、ETCカードの有効期限もクレジットカードと同時期になっていることが多いです。

ETCカードも更新の手続きは不要ですが、郵送に関しては、クレジットカードとは別に遅れて郵送される場合があります。発行にかかる期間はカード会社により異なりますので、詳しい期間を知りたい場合には、各カード会社のホームページで確認してみてください。

クレジットカードの更新時は審査が行われます。万が一、審査に通らなかった場合は更新ができないため、新しいカードは届きません。

スムーズにクレジットカードの更新ができるように、日常的に支払期限を守るなど、クレジットカードの使い方には注意しておくようにしましょう。

クレジットカードの磁気ストライプやICチップには重要な個人情報が入っています。新しいクレジットカードが届いたからといって、古いものをそのまま処分してしまうと個人情報が流出してしまう可能性があるので、注意が必要です。

古いクレジットカードは、はさみで細かくしたりシュレッダーにかけたりしてから処分するようにしましょう。

クレジットカードが更新されると、新しいカードと一緒に利用規約や契約内容が記載された書類も同封されているのが一般的です。利用可能枠（ショッピング・キャッシング）や有効期限などを確認し、契約内容に間違いがないか確認するようにしましょう。

新しいクレジットカードが届いたら、利用する前にカード裏面の署名欄にサインをしましょう。サインが消えることのないよう、油性ペンではっきりと記入してください。

クレジットカードの署名欄にサインがない場合は、基本的にどの店舗でも利用できません。また、万が一のときに補償を受けられない可能性が高くなります。

なお、サインを上書きしたり訂正したりといった痕跡のあるクレジットカードは基本的に利用できないため、サインを間違えてしまった場合は再発行を行いましょう。

クレジットカードの更新では、カード番号は変更されませんが、有効期限とセキュリティコードは変更されます。そのため、公共料金やサブスクリプションなどをカード払いにしている場合は、カード情報を更新しなくては継続利用できなくなることがあります。

クレジットカード自体の更新は自動ですが、各種料金の支払いで利用しているカード情報は自分で変更手続きを行う必要があるので、忘れないように注意しましょう。

ここまで、クレジットカードの有効期限が近くなると、通常は更新の手続きなく新しいクレジットカードが郵送されることを説明してきました。ただし、いくつかの理由によりクレジットカードが更新されず、届かない場合もあります。

利用実績によっては、更新の前にカード会員の状況を調査する書類が届いたり、更新ができなかった旨の通知が届くこともあります。主に、支払状況に問題があったことなどが要因と考えられます。

職場が変わったり、収入が減ったりしたなど、カード会員の環境の変化に関わる情報がカード更新の条件に合わないと判断され、更新カードが発行されない場合もあります。

クレジットカードを作ってから1度も使っていない、利用がほとんどないという休眠会員についても、更新カードが発行されないことがあります。

特に年会費無料のクレジットカードの場合、カード会社にとってはカード発行や管理のコストだけがかかります。今後の利用が期待できないと判断した場合、有効期限到来を機に更新がされない場合があります。

更新手続きの手順のところでも説明しましたが、クレジットカードの会員情報は最新の状態にしておきましょう。クレジットカードは送付時に転送されないため、引越した場合は住所変更をしておく必要があります。引越しとクレジットカードの有効期限の時期が重なる場合にも注意しておくようにしましょう。

クレジットカードの有効期限の更新は自動で行われ、基本的には新しいクレジットカードが郵送されてきます。有効期限間近になっても届かない場合は、会員登録情報や利用状況を確認してみましょう。特に住所の変更を忘れていると新しいクレジットカードが届かないため、引越しをしたことがある人は、更新時期を迎える前に最新の情報が登録されているかチェックしておくことをおすすめします。

クレジットカードが更新されるタイミングは、カードを見直すのにも最適な時期です。そのため、更新のタイミングでより使いやすいクレジットカードに乗り換えるのもおすすめです。